投資をはじめたいけど「損はしたくない」ならやってはいけない4つのこと
LIMO / 2022年2月16日 14時50分
投資をはじめたいけど「損はしたくない」ならやってはいけない4つのこと
東京など13都県への「まん延防止等重点措置」の期限が2022年3月6日まで延長と決まりました。いつもよりおうち時間が増え、「投資をはじめてみたい」と思う人もいるのではないでしょうか。
一般社団法人投資信託協会が20~79歳の男女(2万サンプル)に行った「投資信託に関するアンケート調査報告書-2020年(令和2年)投資信託全般」によると、金融資産の保有経験について「保有したことがある」と回答した人が2018年には35.9%でしたが、2020年には48.6%に増加しています。
投資をはじめる人が増えていますが、はじめるにしても「損をしたくない!」と思う人は多いでしょう。そこで今回は、ファイナンシャルプランナーである筆者から投資をしてみたいけど損をしたくない人がやってはいけないことをご紹介します。
不用意なリスクを取ってしまう
投資をはじめたばかりの人は、知り合いにすすめられたり、アナリストのレポートを読んでおすすめされたりしている銘柄を購入してしまうことがあります。
それが悪いというわけではないですが、その銘柄を選ぶ理由を明確にしておかないと「不用意なリスク」を取ることになります。アナリストがある銘柄をすすめるにはそれなりの理由がありますが、それを知っておかないとリスク管理ができないのです。
人がすすめる銘柄をそのまま買うのではなく、自分なりに「すすめられる理由」を理解してから買いましょう。「業績が良い」「決算が予想を上回る好調さだった」「新作が出て今後の売り上げ大幅増が期待できる」などの様々な理由があります。
その理由を知り、「その株価上昇がいつまで続くのか」も考えておくべきです。
株主優待や配当などを目的として、長期保有だと割り切って保有するのなら良いのですが、もし短期で保有しようと思っているのなら「おすすめされる理由」をチェックして、それに対するリスクヘッジ策を考えておきましょう。
「投資先」と「時間」の分散を考えずに買う
「投資にはリスク分散が大事」と耳にしたことがある方も多いと思います。ですが、具体的には分からない方もいるでしょう。
たとえば投資先を分散しようと思っても、同じ「内需関連株」と呼ばれる不動産株や百貨店株を買うのは好ましくありません。内需が落ち込んだ時に、一緒に株価が下落してしまう可能性が高いです。リスク分散のために投資先を分散させることが目的なので、同じような値動きをしてしまう株を買うのは避けましょう。
投資先を分散するときには、「同じような値動きをしないこと」を一つの基準として選ぶといいでしょう。
また、投資先の分散だけでなく、時間の分散を考慮する必要があります。時間の分散とは、一度に投資してしまうのではなく、複数回に分けて投資をするということ。これによって買った価格や売った価格が平均化され、大きな失敗を避けやすいというメリットがあります。
一度にすべての資金を使って購入するのではなく、「毎月〇万円」というように複数回に分けて購入するようにしましょう。
「損切りのルール」を決めずに売買する
投資をはじめたばかりの人にはかなりハードルが高いですが、「損切りのルール」は絶対に決めておくべきです。
損切りとは、「損失が出ている状態で保有している株を売り、損を確定させること」を言います。なぜ損を確定させるの?と思うかもしれませんが、早めに損を確定させることで深い傷を負うことがなくなります。しかも、一旦損は確定しても、その資金をほかの投資先に振り向けることができます。
損切りルールを決めるには、いくつかの方法があります。簡単なのは、自分が許容できる範囲の株価下落を計算してルールを設定する方法です。
たとえば、1株1500円の株を100株保有しているのなら、15万円の評価額となります。自分の中で3万円の損が出たら嫌だと思っているのなら、単純に「株価が1500円から1200円に300円下落したら損切りとして売り注文を出す」と決める方法が最も簡単です。
ただし、その銘柄の株価の変動幅を考慮して損切りラインを設定する必要があるので、日頃からどのくらいの値動きがある銘柄なのかはチェックしておきましょう。
「安いから買う」を実践してしまう
株式投資で「株価が安いから買う」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。
たしかに安いときには買いたくなりますが、安くなったら買うのが必ずしも正しいとは言えません。安くなるのには当然理由があり、そのほとんどは悪い理由です。業績が悪いとか、ネガティブなニュースが出たなどの理由によって株が売られ、株価が下落し安くなるというのがほとんどのパターンです。
良いニュースが出たらみんなその株がほしいので株価が上がることが多いです。
ただ、「安いから買う」は間違いとも言い切れません。厳密に言うと「安い」はただの「安い」ではありません。「その企業の評価に比べて株価がまだ割安だったら買うべき」というのが正しい投資行動なのです。
今の価格がどれだけ安いのかということばかり見るのではなく、割安であるかどうかを見るPBRやPERなどの指標も一緒に見るとよいでしょう。
余剰資金で、少額から始めよう
今回は「投資をしてみたいけど、損はしたくない」という人がやってはいけない行動についてご紹介してきました。投資をはじめたばかりだと、何が何だかよくわからないまま始めるというケースもあるかもしれませんが、勢いだけではじめるのは危険です。
まずは余剰資金で、さらに少額ではじめるというのは当然のことですが、今回ご紹介したこともチェックしつつチャレンジしてみてくださいね。
参考資料
一般社団法人投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書-2020年(令和2年)投資信託全般」(https://www.toushin.or.jp/statistics/report/research2020/)
金融庁「投資の基本」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/basic/index.html)
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