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年収1000万円世帯の「食費」は毎月いくら?「生活がギリギリ」は本当か

LIMO / 2022年4月19日 6時30分

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年収1000万円世帯の「食費」は毎月いくら?「生活がギリギリ」は本当か

年収1000万円でも家計が苦しい2つのからくり

食品やガソリンなど、身近なものの値上げが止まりません。一つひとつは小さな積み重ねでも、買い物の度に値上げを実感する方も多いのではないでしょうか。

自然と食費も上がってしまいますが、他の家庭では平均いくらの食費をかけているのか気になりますよね。

今回は「年収1000万円」世帯に着目し、その食費事情やエンゲル係数を紐解いていきます。「年収1000万円でも生活は苦しい」という声もあがりますが、その原因についても考えていきましょう。

年収1000万円世帯が毎月かけている「食費」の平均

年収ごとの平均支出を知るには、総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)-2021年(令和3年)」が参考になります。

2022年2月8日に公表されたこちらの家計調査からは、最新の「収支状況」をつかむことができます。

「年収1000万円~1250万円世帯」の食費事情

年収:1102万円

支出合計:39万1134円

食費:9万4912円

エンゲル係数:24.3%

二人以上世帯の場合、平均年収は1102万円で、毎月40万円近く支出していることがわかります。このうち食費は9万4912円で、エンゲル係数は24.3%。

「食費が9.5万円」と聞くと少し高めに感じますが、エンゲル係数ではむしろ少なく感じた方も多いのではないでしょうか。

参考までに、他の年収世帯のエンゲル係数も確認しましょう。

■■年収ごとエンゲル係数

300~350万円:30.1%

350~400万円:29.2%

400~450万円:29.2%

450~500万円:28.6%

500~550万円:27.9%

550~600万円:27.5%

600~650万円:27.7%

650~700万円:27.6%

700~750万円:27.2%

750~800万円:26.1%

800~900万円:24.6%

900~1000万円:24.2%

1000~1250万円:23.1%

こうして眺めると、年収が上がるほどにエンゲル係数は減少傾向となることがわかります。年収があがれば支出額自体が底上げされるため、相対的にエンゲル係数は下がると言えます。

年収1000万円世帯の食費の傾向とは

エンゲル係数としては減少傾向にあるものの、食費にかける金額は年収があがるほど高くなります。

中でも伸びが大きいのが「外食」の金額。他の項目に比べ、外食は年収が上がるほど明らかに増加します。

年収1000万円~1250万円世帯の場合、月にかける外食の平均は1万6643円でした。参考までに、年収600万円~650万円世帯の外食費は1万646円です。ひと月あたり6000円近く違うことがわかります。

年収1000万円でも「家計が苦しい」は本当か

年収1000万円世帯の支出や食費を見ると、生活に余裕があるように感じられるものです。

しかし「年収1000万円でも家計が苦しい」という声も聞かれますよね。ここには日本の税金や公的補助制度に要因があるようです。

1. 税金

額面が1000万円であっても、税金や社会保険料が引かれると手取りはかなり減ります。さらに日本の税制上、給与があがるほどに税率があがります。つまり年収があがればあがるほど、手取りベースの金額の伸びは鈍るのです。

働いて稼いだつもりでも思った以上に手取りが増えにくくなるのが、年収1000万円を少し超えたライン。また共働きか片働きかでも税負担は変わるので、世帯によって負担が違う点に不満の声があがりやすいのです。

2. 公的補助制度

さらに日本にはさまざまな公的補助があります。しかし補助の中には「所得制限」を設けているものも多く存在し、そのラインが「年収1000万円」近辺に設定されることが多いのです。

近年話題となった「児童手当」についても、世帯主の年収が1200万円を超える世帯で撤廃となり、多くの議論が沸き起こりました。

出所:内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要」

この他「高等学校等就学支援金制度」や自治体独自の「乳幼児医療費助成制度」でも年収1000万円の付近がラインになることから、「年収1000万円でも生活は苦しい」という声があがるようになったのです。

確かに年収があるラインを超えることによって「税負担が高まる」「公的補助が受けられない」となれば、負担感が高まるのは当然かもしれません。

「お金」と向き合うときに大切なこと

年収1000万円世帯の食費を見つつ、その生活レベルを紐解いていきました。ひと月にかける食費が平均9万4912万円という点からは、ある程度ゆとりのある生活が想像されます。

しかし居住地や子どもの人数、共働きの有無によっては必ずしも余裕があるとは言い切れません。年収が1000万円を超えたあたりから税金の負担や公的補助の所得制限を実感する場面も多くなり、生活がギリギリに感じてしまうこともあるでしょう。

年収がいくらの世帯であっても、収支のバランスをとって貯蓄と向き合う姿勢は大切になります。

またお金を守るには、やみくもに節約することだけが選択肢ではありません。例えば税負担を抑えるために、毎年欠かさず年末調整や確定申告をしている方は賢く節税できています。

最近ではふるさと納税も人気ですね。

「あまりよくわからないから」と敬遠するのはもったいないので、負担を抑えるために積極的に取り入れてみましょう。また資産運用など「お金に働いてもらう」という視点も大切になります。

いずれにしても「情報収集」がとても重要になるので、自分に合う方法をしっかり探していきたいですね。

参考資料

総務省統計局「家計調査(家計収支編)-2021年(令和3年)第2-3表」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=dataset&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20210&month=0&result_back=1&metadata=1&data=1)

内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要」(https://www.cao.go.jp/houan/pdf/204/204_2gaiyou.pdf)

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