鳥貴族、4年ぶりの値上げ後に株価はどうなるのか。前回値上げ時はどうだったのか
LIMO / 2022年4月21日 14時0分
鳥貴族、4年ぶりの値上げ後に株価はどうなるのか。前回値上げ時はどうだったのか
「鳥貴族」が4年ぶりに2022年4月28日から7%の値上げを発表しました。
前回の2017年10月の値上げ時は大きな話題となりましたが、昨今の物価高もあり今回は値上げやむなしのムードにあります。
ただし前回の値上げ時は2ヵ月後の12月に株価がピークを迎え、株価下落の契機を作る結果となりました。
今回の値上げは株価にどのような影響を与えるのか、業績の行方とともに注目されます。
1. 鳥貴族が4年ぶりに7%の値上げを発表。4月28日から327円均一は350円均一へ
鳥貴族ホールディングス(3193)が運営する、ドリンクとフード類が全品均一価格の焼き鳥居酒屋「鳥貴族」が、4年ぶりの値上げを発表しました。
2022年4月28日から、これまでの327円均一が350円均一(いずれも税込み)となります。
コロナ禍、そしてウクライナ危機を経て様々なモノの値段が上がっており、「鳥貴族」の値上げも違和感はありません。
特にコロナ禍で大きな影響を受けた居酒屋なので尚更です。
しかし、「鳥貴族」の前回2017年10月の値上げは業績好調の中で行われ、結果として同社の顧客離れを引き起こしたともいわれています。
今回の値上げはどのような結果をもたらすのでしょうか?
2. 鳥貴族の2017年7月期と2021年7月期の業績比較
前回値上げを行った2017年10月の直前決算2017年7月期と翌2018年7月期、そして今回の値上げの直前決算2021年7月期及び2022年7月期(Q2累計)の業績は下記となります。
2017年7月期 売上高293億円、経常利益14億円、当期純利益9.7億円
2018年7月期 売上高340億円、経常利益16億円、当期純利益6.6億円
2021年7月期 売上高156億円、経常利益▲3.1億円、当期純利益▲4.7億円
2022年7月期(Q2累計) 売上高82億円、経常利益13億円、当期純利益8.1億円
「鳥貴族」はコロナ禍の中で営業停止という厳しい感染対策を行っており、大幅な減収に陥りました。
外食産業の中には自治体からの支援金により営業利益では赤字でも、経常利益以下は黒字となる企業もあります。
しかし、同社の2021年7月期は支援金があっても経常利益以降が赤字です。
ただし2022年7月期(Q2累計)は、営業利益▲19億円の赤字ながら支援金(32億円)により経常利益は13億円の黒字です。
2022年7月期は支援金の効果もあり、通期でも大幅な黒字が見込まれます。
しかし、2022年7月期は追い風参考記録です。
よって真の実力は2023年7月期を見ないと分かりません。
また4月からの値上げの効果が本格的に現れるのは2023年7月期であり、2023年7月期は同社の真価を問われる1年となります。
3. 鳥貴族の株価は2017年10月の値上げ発表の後2017年12月にピークを迎えた
2017年10月の「鳥貴族」の値上げの際は、人気店の値上げを巡り、大きな議論が沸き起こりました。
顧客離れを起こした面も否定できませんが、その後人気の落ち着きとともに業績がピークアウトする中で、値上げが同社業績の下支えすることになりました。
ただし、それまで上昇が続いた株価は、値上げ2ヵ月後の2012年12月に3,965円の高値を付けます。
そしてその後、株価は現在に至るまで低迷が続きます。
2022年は1,700~1,800円台を前後する状態であり、ピーク時の半分以下の株価水準です。
株価という観点では、2017年10月の値上げは上昇が続いた株価をピークアウトさせる契機を作る形となりました。
4. 鳥貴族の4年ぶりの値上げは業績回復を加速させ株価上昇につながるのか
鳥貴族の2022年7月期はコロナ禍の収束と支援金効果により、3期連続の最終赤字からの脱出に加え大幅な業績回復が見込まれています。
そして業績回復のタイミングで4年ぶりの値上げがなされます。
4月からの「鳥貴族」の値上げは、真の実力が問われる2023年7月期以降の業績を後押しする可能性があります。
ただし顧客の懐事情も厳しい中で、値上げが一層の客離れを起こす懸念もあります。
4年ぶりの「鳥貴族」の値上げは業績回復を加速させて低迷する株価を上昇させる原動力となるのか、株価及び業績の行方が注目されます。
参考資料
株式会社鳥貴族ホールディングス IR情報(https://www.torikizoku.co.jp/company/ir/)
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