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【理系と文系】年収が高いのはどっち?進路選択が将来のお金に及ぼす影響

LIMO / 2022年5月4日 17時50分

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【理系と文系】年収が高いのはどっち?進路選択が将来のお金に及ぼす影響

「理系出身者と文系出身者の年収比較」からわかった事実

大学の文系理系というと、不況時は理系志望者が増え景気が良い時は文系志望者が増えるというものがあります。

文系と理系のどちらが年収が高いのかという話もありますが、出身大学を特定したり大企業のみを対象にすると真の意味での「文系と理系の年収の違い」が見えてきません。

また、文系や理系の進路選択は子どものいる家庭にとって大きな関心事です。

今回は、出身学部によってどれだけ年収に違いが出るのかをみていきます。

文系理系による年収の違い

独立行政法人経済産業研究所が2011年3月に発表した「理系出身者と文系出身者の年収比較」では、慶応義塾大学が設計したパネル調査(一定期間の間に同じ対象者に同じ質問を行う調査)、「日本家計パネル調査(JHPS)」のデータを基に文系と理系の出身学部による年収の違いを検証しています。

文系出身の男性(平均年齢46.09歳)は年収559.02万円、理系出身の男性(平均年齢46.19歳)は600.99万円と理系学部出身者の方が年収が高い結果となりました。

一方、女性の文系出身(平均年齢44.67歳)は203万円、理系出身(平均年齢37.88歳)は260.36万円です。

理系出身の女性の平均年齢は約7歳下ですが、年収では文系出身の女性よりも57万円以上高いという数字が出ました。

このように、男女ともに理系学部出身者の年収が高いという結果になりました。

また、正規社員を比較した場合(男女計)でも理系学部出身者の正規社員は82.4%、文系学部出身者は60.1%と20%以上の開きがありました。

年々存在感を増す理系

理系学部を出ていると就職活動に強いという印象が強く、大学受験でも「不景気に理系学部の志願者が増える」というのが定説となっています。

しかし、理系学部を受験するには文系よりも受験科目が多く勉強もハードで、途中で文系コースに進路変更する受験生もいるほどです。

また、理系の中には高所得層の医師や歯科医も含まれているため単純に「理系学部なら年収が高くなる」と考えるのは短絡的といえるでしょう。

とはいえ、企業側としても給料や待遇の面も良いものを提示して専門的な知識や技術を持っている人材を獲得しなければ、競争社会に生き残ることはできません。

自動運転技術や脱炭素分野といった新技術は世界各国で開発競争が繰り広げられています。こうした成長分野では常に人材を求めており、理系学部の存在感は増しています。

また、ICTの発達により人工知能やビッグデータ解析に長けた「データサイエンティスト」という専門知識を持つ人材も注目を集めています。

データサイエンス学部が近年増加し、理系と文系の融合という見方もされています。しかし、受験科目に数学が必須という大学が多く「理系寄り」というのが正しい認識といえるでしょう。

理系科目を早々に諦めるのは避けたい

「技術」はほぼ例外なく理系分野から生まれるため、新しい技術に詳しい人材は自ずと理系学部出身者に固まります。ニーズがあり就職活動にも苦戦せずに済むというのは子どもを持つ親にとっても魅力的にうつります。

もちろん、子どもが関心を寄せる学部学科に進学することを妨げるのはいけません。しかし、将来の選択肢や雇用を考えると理系科目を嫌いにさせないように気をつけることは必要です。

理系科目は小学生の頃は算数と理科、中学生になると数学と理科になります。高校ではさらに数学ⅠA、数学ⅡB、そして今年度から数学ⅢCが復活。

理科では物理、生物、化学そして地学の4科目に分かれます。

小学生の時点で算数に苦手意識を持つと中学でも変わらず苦手意識を引きずり、高校で早々に数学を諦めてしまう子は少なくありません。

数学を始めとする理系科目は単なる理系文系だけではなく国公私立といった大学受験の進路選びに直接関わってきます。

こうした事実を理解し、「算数が苦手なら無理にやらなくていいよ」より「よく分からなくなった単元まで戻って復習しよう」といった声がけを意識していきましょう。

「理系出身なら安泰」ではない

日本の基幹産業である自動車産業では脱ガソリン車に向けた動きが加速しています。

国内メーカーの中でもいち早く脱ガソリン車を宣言していたホンダでは、昨年の8月に55歳以上から64歳未満を対象に実施した早期退職者優遇制度に2千人を超える応募があったと複数のメディアで報じられました。

優遇措置はEV車といった次世代エンジンの開発に力を注ぐため、技術者の世代交代を促す狙いがあるとされています。技術は日々進化しており今の技術が未来永劫続くわけではないと考えさせられる出来事です。

どの分野でも専門知識をもつ技術が廃れてしまう可能性を秘めています。常に新しい情報や知識をアップデートする必要があります。

理系の方が全体的に年収が高いというデータが出ていますが、やみくもに「理系だから安泰」ではないという現実も忘れずにいたいですね。

参考資料

独立行政法人経済産業研究所「理系出身者と文系出身者の年収比較」(https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/11j020.pdf)

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