明後日は参院選の投開票日!若者は投票して「シルバー民主主義」を変えよう
LIMO / 2022年7月9日 7時20分
明後日は参院選の投開票日!若者は投票して「シルバー民主主義」を変えよう
投票率を年代別に見る
政治家に若者重視の政策を採用させるプレッシャーを与えるためには、若者が投票することが重要です。(経済評論家 塚崎公義)。
1. 若者は選挙に行こう
独裁政権を倒して民主主義を勝ち取ったような国では、国民が選挙に高い関心を持つのでしょうが、日本の場合は国民の選挙に対する関心はそれほど高くないようです。
そうした中で、特に若者の間では、政治に関心が薄かったり、選挙以外にする事が多かったりして、選挙に行かない人も多いようで、若者の投票率は高齢者より大幅に低くなっています。
建前を言えば、選挙は国民の義務ですし、国民は政治について真剣に考えるべきなのですが、本稿はそんな堅い事を言うつもりはありません。
単に若者に対して「特に政治に関心がなくても、投票すべき候補者がわからなくても、とにかく投票に行こう」と勧めるものです。それは、若者が投票することで若者の得になるからです。
2. シルバー民主主義を阻止しよう
シルバー民主主義という言葉があります。政治家が、若者よりも高齢者の利益を考えるインセンティブを持っている、という事を示す言葉です。
高齢者は人口が多く、投票率も高いので、政治家が高齢者に不利益になる政策に賛成すると次の選挙で落選してしまうリスクが高まります。
しかし、若者は人口が少なく、投票率も低いので、若者に不利益になる政策に賛成しても次の選挙で落選する心配は大きくありません。
限られた予算を高齢者向けに使うか若者向けに使うべきか、と問われれば、政治家としては自分の選挙の事を考えて高齢者向けに使おうとするかもしれません。
政治家が若者の利益も考えるようになる条件は、若者が選挙で投票することです。多くの若者が選挙で投票したという事がわかれば、政治家は「若者の利益を損なうような政策に賛成すると、次の選挙で落ちるかも知れない」という恐怖を感じるようになるでしょうから。
3. 10分だけ候補者の政策を比べてみよう
建前を言えば、投票する人は日頃から政治に関心を持ち、誰に投票するかを真剣に考えてから投票所に行くことが好ましいのかも知れませんが、「日頃から政治に関心を持っていない人は投票すべきでない」という事は決してありません。
実際に投票している人の中にも、「日頃は政治に関心を持っていないけれども、とりあえず選挙があるから投票所に来て、先日の盆踊りに来ていた候補に投票した」というような人も多いはずです。
政策と無関係に「盆踊りで見かけた候補者に親しみを感じたから投票した」というのは、好ましい事ではないでしょうが、実際にはそうした人も多いようなのです。
筆者としては、「投票するからには、10分で良いのでスマホで候補者の政策を調べてから投票して欲しい」、という程度には政治に関心を持って投票して欲しいです。「三日三晩真剣に考えて誰に投票するかを決めて欲しい」、などとは言いません。気楽に投票しましょう。
政府に対するイメージで投票しても良いでしょう。
避けて欲しいのは、美人や美男子だからという理由で投票することです。誠実そうな外見だから、というのは構いません。実際には「美人と美男子は誠実そうに見える」場合も多く、違いがよくわからないかもしれませんが(笑)。
4. 誰に投票するかは、それほど重要ではない
身も蓋もない話をすれば、一人の若者が誰に投票したかは、それほど重要ではありません。何万票の中の1票が誰に投じられようとも、それによって選挙の結果が変わる確率は低いからです。
したがって、10分しか考えずに投票したからと言って、10分間という限られた時間内でベストを尽くしたのであれば、それで十分なのです。「三日三晩考えれば別の結論に達したかも知れない」という事はあり得るでしょうが、気にする事は無いのです。
それより重要なことは、若者が投票した、という事実を政治家たちに知ってももらうこと。それによって、与党の政治家も野党の政治家も若者の利益を真剣に考えるようになるので、誰が当選しようとも、若者にとって状況が改善する可能性があるのです。
その意味では、筆者には若い頃の失敗談があります。筆者は政治に関心が強く、支持政党も明確に決まっていたのですが、ある時「与党支持者2人と野党支持者2人が選挙を棄権して麻雀をしよう」という誘いに乗ってしまったのです。
4人が投票しても棄権しても当選者は同じ人だったのでしょうが、4人の若者が棄権したことで、与党政治家も野党政治家もシルバー民主主義のインセンティブを高めてしまった、という事だったのでしょうね。
本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。
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参考資料
総務省「参議院議員通常選挙の概要」(https://www.soumu.go.jp/2022senkyo/about/)
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