【16産業別】転職者の割合が多いのはどれか「採用時の重視項目」もチェック
LIMO / 2022年7月8日 14時50分
【16産業別】転職者の割合が多いのはどれか「採用時の重視項目」もチェック
業種別の平均給与も確認
「転職」と一口にいっても、個人によって状況はさまざま。
年齢や資格、それまでに経験した業種・職種により転職しやすさも異なるでしょう。
どのような業種に転職しようか、今後のキャリアプランはどうしようか決めかねている方もいらっしゃると思います。
今回は16ある産業のうち、転職者の割合と平均給与、また採用時に重視するポイントの傾向を見ていきましょう。
【16産業別】転職者の割合が多いのは何か
厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」によると、2020年10月現在の在籍する一般労働者に対する転職者の割合は7.2%。思ったよりも少なく感じますね。
実際には産業によって大きく異なるため、詳しく確認しましょう。
転職者の割合が少ない順に並べます。
複合サービス事業:1.8%
電気・ガス・熱供給・水道業:2.0%
教育、学習支援業:4.3%
金融業、保険業:5.0%
製造業:5.3%
建設業:6.2%
卸売業、小売業:6.4%
鉱業、採石業、砂利採取業:6.5%
情報通信業:6.5%
運輸業、郵便業:7.2%
学術研究、専門・技術サービス業:7.3%
生活関連サービス業、娯楽業:8.4%
医療、福祉:9.3%
不動産業、物品賃貸業:9.9%
宿泊業、飲食サービス業:10.0%
サービス業(他に分類されないもの):11.1%
「複合サービス事業」「電気・ガス・熱供給・水道業」が1~2%台と低く、一方で「医療、福祉」や「不動産業、物品賃貸業」「宿泊業、飲食サービス業」などが10%前後と高い水準になりました。
企業規模別に見ると、規模が小さいほど転職者が多くなっています。
転職者の割合が多い理由は多々ありますが、その一つに給与も関係するでしょう。次に業種別の平均給与や賞与も確認します。
【業種別】転職に平均給与は関係あるのか
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査結果 概要」より、業種別の平均給与・賞与を確認しましょう。
先ほど転職者の割合が少なかった「電気・ガス・熱供給・水道業」は最も平均給与が高く714万7000円です。平均給与の高さや安定性から転職者も少ないと考えられるでしょう。
転職者の割合が高い「医療、福祉」は396万8000円、「不動産業、物品賃貸業」は423万4000円、「宿泊業・飲食サービス業」251万3000円でした。
業種の平均給与は433万1000円ですから、全体的に平均よりは低い傾向にありますね、
もちろん業務量や将来性など理由は数多くありますが、給与も転職の傾向に関与していると言えそうです。
【産業別】採用時に重視した項目は?
では、転職者がいる事業者が転職の際に重視した項目も確認しましょう。
全体で最も多いのは「人員構成の歪みの是正」で43.8%、次に「既存事業の拡大・強化」で42.0%、「組織の活性化」29.1%でした。
産業によりその傾向は異なり、「人員構成の歪みの是正」が多いのは「不動産業、物品賃貸業」(56.4%)「鉱業、採石業、砂利採取業」(55.8%)「生活関連サービス業、娯楽業」(51.9%)が半分以上となり、いずれの産業も3割を超えます。
「既存事業の拡大・強化」は「情報通信業」(73.8%)「学術研究、専門・技術サービス業」(68.7%)「金融業・保険業」(64.8%)「不動産業、物品賃貸業」(54.4%)「建設業」(53.4%)が半数以上。
一方で「電気・ガス・熱供給・水道業」は24.0%と少なくなっています。
「組織の活性化」は「金融業、保険業」(50.5%)が、「新技術の導入・開発」は「学術研究、専門・技術サービス業」(9.5%)「情報通信業」(7.5%)が特に高くなっています。
まとめにかえて
転職を考える際には条件面ばかり見てしまう方もいると思いますが、産業により転職の傾向がこれほど違うとわかりましたね。
「木を見て森を見ず」ではありませんが、目の前のことばかりを見るのではなく、時には全体を見渡すことも大切でしょう。
産業別にみて今後のキャリアプランを考えると、また違った視点が見えてくることでしょう。
参考資料
厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/6-18c-r02-gaikyo.pdf)
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査結果 概要」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/001.pdf)
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