【愛車のゲリラ豪雨対策】フロントガラスの油膜は雨の日に危険!「原因・対策」をクルマのプロが解説
LIMO / 2022年7月16日 17時45分
【愛車のゲリラ豪雨対策】フロントガラスの油膜は雨の日に危険!「原因・対策」をクルマのプロが解説
定期的なメンテナンスで、視界を確保しよう
例年より早めに梅雨があけ、早くも夏本番となりました。また、各地で「警報級の雨に警戒!」といった注意喚起が増える季節でもありますね。
雨の日の運転はストレスが増すだけでなく、事故の危険性も高まります。雨天の事故が多い理由のひとつが「視界不良」です。
視界不良の原因の多くは「油膜」です。
ワイパーゴムを交換してもフロントガラスに水滴が残ったり、ガラスが光の乱反射でギラギラして見えなかったりという経験があるでしょう。突然雨に見舞われたときも、安心して運転したいですよね。
そこで今回は、フロントガラスの油膜を落とす方法と油膜を付きにくくする対策をご紹介します。
油膜がつく原因
油膜とは、ガラスにこびり付いた油の膜のことです。
付着した油膜は晴天時には気になりませんが、雨天時に一気に目立ちます。水と油は混ざらないため、ガラスが光の乱反射を起こし、非常に視界が悪くなるのです。
油膜が付着する原因は、排気ガスに含まれる油分やボディについているカーワックスなどの油膜成分です。また、フロントガラスの油膜は強固なため、水拭きやカーシャンプーでは落とすことができません。
油膜と水垢は異なる
油膜と水垢の発生原因は同様ですが、油膜と水垢(ウロコ)は似て非なるものです。油膜が悪化したものが水垢に変わります。
油膜は、フロントガラスが乾いた状態では違和感がないため、雨天時以外は気が付きにくいです。一方で水垢は、フロントガラスが乾いた状態で白い模様のような塊が目で見え、ガラス表面がざらざらしています。
水垢の主な原因は、雨水や水道水に含まれるカルシウム・ミネラル不純物です。雨水や水道水の水分が蒸発すると、不純物が汚れとしてガラス面に固着して水垢になります。その他にも、カーワックスの油膜成分なども原因のひとつです。
水垢は、時間とともに汚れが厚みを増していくため、早い段階でメンテナンスを行わないと、症状が悪化してしまいます。
また、油膜より水垢のほうが落とすのが難しく、油膜を落としでは水垢は落ちません。油膜の段階でメンテナンスを行いましょう。
油膜の落とし方
油膜取りは視界不良を防ぐ他に、撥水コーティングするための下地処理として重要な作業です。
そこで、自宅で簡易的にできる油膜取りの方法と強固な油膜を落とす方法の2つをご紹介します。
軽度な油膜なら台所洗剤でも
フロントガラスの油膜のこびりつきが軽度であれば、家庭用の台所洗剤や食器用洗剤で落ちる場合があります。
一般的な油膜取りの主成分には、界面活性剤が含まれています。実は、多くの台所洗剤にも同じ主成分が含まれているのです。
台所洗剤は、界面活性剤の化学成分を利用して食器の油分を落としています。界面活性剤は、水と油をなじませて油膜を分解して水に溶かします。その原理を応用して油膜を落とす方法です。
ただし、雨天時に視界不良を感じる油膜レベルになると、家庭用の台所洗剤では落ちないことがほとんどです。
油膜が強い場合は「台所洗剤でチャレンジしてみる」ぐらいの気持ちで行うとよいでしょう。
頑固な油膜には「ガラス用コンパウンド」
台所洗剤や油膜取りクリーナーで落ちない場合は、ガラス専用のコンパウンドを使用します。大体の油膜はコンパウンドを使用すれば完全に落とせます。
ただし、取り扱いには注意が必要です。
コンパウンドとは研磨粒子が含まれた液体やペースト状のこと。つまり、研磨剤です。使用方法を誤ると、ガラス表面に磨き傷が付いてしまいます。ガラスの磨き傷は基本的に落とすのが難しく、最悪の場合、フロントガラスの交換が必要になります。
正しく使用すれば問題はありませんが、不安がある方はプロに依頼をしましょう。
フロントガラスに油膜をつきにくくする方法
油膜取りを行っても車を走らせれば、雨水や排気ガスなどですぐに油膜が付着します。油膜を付きにくくするためには、油膜取りを行った後に撥水コーティングをするのがおすすめです。
撥水コーティングを行うと水弾きがよくなるうえ、水で汚れを流してくれるため、油膜がつきにくくなります。また、ワイパーゴムにも油分が付着しているため、そのまま使用すると油膜が付着してしまいます。油膜取りや撥水コーティングを施工する際は、ワイパーゴムの油膜を拭き取るか、交換をして油膜を広げないようにしましょう。
定期的なメンテナンスで視界を確保
夜間や雨天時に視界が見にくい原因は、ガラスについた油膜です。特に梅雨時期の夜間は、対向車のライトでフロントガラスが光で乱反射して見えづらくなるため、大変危険です。
視界を良好に保つことは、安全運転に直結します。定期的なメンテナンスを心がけ、視界を良好に保ちましょう。
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