日産（7201）を1年前に買った人のトータル・リターンはいくらか【株主優待・配当金・株価】（2023年4月第3週）

株式投資の企業別年間リターン解説シリーズ　　　

配当金や株主優待を目的に株式投資を行っても、日々の株価の変動は気になるものです。長期投資であっても身銭を切って投資しているので、株価が気になるのは仕方ありません。

株価の変動は、企業業績のみならず日本そして世界経済全体の流れからも大きな影響を受けます。そして株価の変動は、株式のリターンに大きな影響を与えます。

よって配当や優待を目的に株式に投資した場合でも、「株価の値上がり・値下がり」は株式のリターンとしては欠かすことができない要因です。

今回は日産自動車（7201）について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を確認します。

【注目記事】日本郵船の株（9101）「1年前に買った人」のトータル・リターンはいくらか【株主優待・配当金・株価】（2023年4月第3週）（https://limo.media/articles/-/39414）

1. 日産自動車（7201）の配当金のリターンはいくらか

日産の株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の期末」の計2回を受け取ることができます。

出所：日産自動車株式会社「2023年3月期 第3四半期決算短信［日本基準］（連結）」

なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。

今回の検証では、以下のような想定となります。

株式の取得日：2022年4月20日

株式の取得価格：550.8円（取得日の終値）

2023年3月期・期末配当（予想）：5円

100株ベースの配当金のリターン：500円

それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。

2. 日産の株主優待のリターンはいくらか

日産は、毎年3月31日・9月30日現在の株主名簿に記載のある株主に下記の優待を提供しています。

出所：日産自動車株式会社「株主様紹介特典制度について」

なお、株主に日産車新車の購入を検討されている方を紹介し、紹介を受けた方が日産車新車を購入された場合に限っています。

紹介者である株主本人：5000円相当のデジタルカタログギフト

新車を購入された方(株主本人の購入を含む) ：5000円相当のデジタルカタログギフト

今回の検証は100株保有を想定しており、新車を紹介し紹介相手が購入したこととすると、受け取る優待は5000円相当のデジタルカタログギフトとなります。

よって、5000円の経済価値と想定します。

そのため、優待のリターンは1万円です。

3. 日産の株式投資のトータル・リターンはいくらか

以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。

次に、株価変動によるリターンを計算します。

株式の取得日：2022年4月20日

株式の取得価格：551円（取得日の終値）

取得から1年後の日付：2023年4月20日

1年後の株価の終値：500円

100株ベースの株価変動によるリターン：▲5060円

そして最後に、トータル・リターンを計算します。

配当金のリターン：500円

株主優待のリターン：1万円

株価変動によるリターン：▲5060円

トータル・リターン（金額ベース）：＋5440円

トータル・リターン（％ベース）：＋9.9％

トータル・リターンは金額ベースで＋5440円でした。

4. 日産の配当金の推移を確認

日産の株式の年間リターンは＋9.9％でした。

最後に日産の配当推移を確認しましょう。

出所：日産自動車株式会社「配当情報」

配当金・株主優待・株価とそれぞれ分解して株式のリターンを確認すると、どの要素がリターンに影響を与えているか一目瞭然となります。

配当金や株主優待を目的に長期視点で投資した場合でも、株価水準を確認して、株式全体としてのリターンも把握しておきましょう。

参考資料

日産自動車株式会社「2023年3月期 第3四半期決算短信［日本基準］（連結）」（https://www.nissan-global.com/JP/IR/LIBRARY/ASSETS/DATA/2022/20223rd_financialresult_206_j.pdf）

日産自動車株式会社「配当情報」（https://www.nissan-global.com/JP/IR/STOCK/DIVIDEND/）

日産自動車株式会社「株主様紹介特典制度について」（https://www2.nissan.co.jp/CAMPAIGN/KABUNUSHI/2023/）