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激安店「業務スーパー」運営の神戸物産の株価は今後どうなるのか?

LIMO / 2017年12月29日 20時20分

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激安店「業務スーパー」運営の神戸物産の株価は今後どうなるのか?

生鮮食品の買い物に、皆さんはどんな店を利用しているでしょうか。生鮮食品が充実しているスーパーマーケットでしょうか、それとも少量であれば近所のコンビニで済ますでしょうか。最近は、その選択肢の中にプロ向けスーパー(業務用スーパー)が入ってくる方もいると思います。

今回は、近年注目が集まっている、一般の人も買えるプロ向けスーパー「業務スーパー」を運営する神戸物産について見ていきます。

業務スーパーとは一体どのようなスーパーか

緑色の地に白抜きの「業務スーパー」という名前、そして「一般のお客様大歓迎」と書かれた看板を目にされたことのある方も多いかと思います。「業務スーパー」というネーミングですが、店舗に足を踏み入ると、そこにいるのは一般の買い物客らしき人ばかりにも見えます。

2017年10月末時点の「業務スーパー」の店舗数は780店舗で、2016年10月末時点の747店舗から30店舗以上も増えています。業務スーパーを展開する神戸物産は関西に拠点があるため、関西の236店舗を筆頭に関東に204店舗、その他の地方エリアに321店舗などとなっています。

神戸物産は2017年1月に中期経営計画を発表しており、その中で国内業務スーパーの店舗数を2016年10月末時点の747店舗から850店舗まで増やすことを目指すとしています。また、業務スーパー事業セグメントの売上高についても、2016年10月期の2,055億円から2,450億円への増加を目指しています。今後もまだまだ出店を強化させていく計画といえます。

神戸物産はどのような事業を展開しているのか

神戸物産には、「業務スーパー事業」以外に、中食や外食事業をFC方式で展開している「神戸クック事業」、ジー・コミュニケーショングループの事業を推進する「クックイノベンチャー事業」、再生可能エネルギーを扱う「エコ再生エネルギー事業」などがあります。

2017年10月期の決算を見てみると、連結で2,515億円の売上高のうち、2,170億円が業務スーパー事業、クックイノベンチャー事業が324億円、神戸クック事業が12億円、エコ再生エネルギー事業が5億円などとなっています。このように、神戸物産の売上高のほとんどが業務スーパーで占められていることが分かります。

また、同決算におけるセグメントごとの利益も見ておきましょう。連結の営業利益が158億円、業務スーパー事業は146億円、クックイノベンチャー事業が11億円、エコ再生エネルギー事業が0.2億円、神戸クック事業が▲1億円の営業損失となっています。ここでも神戸物産の大半の利益が業務スーパー事業からきていることが分かります。

神戸物産の株価を左右する同社の業績を振り返る

一般的に時価総額は、現在の収益規模と将来の利益の成長性をかけ合わせたものとして市場で値がつけられたものです。その時価総額を発行済株式総数で割ったものが株価です。

現時点での収益水準が大きくても、将来の成長性が期待されないと時価総額も大きくはなりません。逆に、現時点の利益規模が小さくても(時には赤字でも)、将来性があると期待されれば時価総額は大きくなります。

では、神戸物産の利益推移はどうだったのでしょうか。実は、過去5年で見ると非常に急激に拡大しています。

2013年10月期には20億円であった営業利益が、2017年10月期には146億円と約7倍にも成長しています。その間も対前年度比で減益になることなく成長を続けています。また、営業利益率も、2013年10月期に1.1%だったものが、2017年10月期には5.8%にまで拡大をしています。

神戸物産の株価が上昇するとすれば、きっかけは何か

このように、神戸物産の現時点での業績は「業務スーパー」をじっくり見ればよさそうです。

小売店を評価する際に重要なのは、大きくは新規出店のペースと既存店売上高の推移の2点です。新規出店については先ほど見たように、2016年10月末時点の747店舗に対して、2017年10月期に+33店舗を出店しており、新規出店比率は約4%です。

また、2017年10月期に関しては、全国/全店ベースでの業務スーパー月次動向を見る限り、既存店売上高は月次でいずれも100を割っていないという好調さを確認できます。

神戸物産の株価が下落するとすれば、リスクは何か

株価下落のリスクは上昇するきっかけの反対の状況ともいえますが、主には以下の2点です。

新規出店の数が増えないこと

既存店売上高の悪化

また、現在は新規出店に伴う店舗人員を十分に確保できない小売店も多く、そうした点も見逃せないでしょう。

神戸物産の財務体質はどうか

2017年10月期の総資産は1,445億円。純資産は301億円である一方、短期借入金(1年内償還予定の社債除く)が111億円、長期借入金が656億円、社債が31億円と負債は純資産に対して重く見えます。

とはいえ、資産の部に現金および預金が762億円あるので、ネット負債としてはそれほどではないといえるかもしれません。どちらかといえば、キャッシュの使い道について知りたいところです。

神戸物産の配当は

2017年10月期の配当は一株当たり50円と、配当性向でいえば16%程度。新規出店に伴う投資なども常に必要とはいえ、配当性向で16%というのは投資家から”もっと配当してほしい”と要求される水準かもしれません。

ただ、新規出店をすることでさらに会社全体の収益を拡大させる余地があるということが理解できれば、投資家にとっても配当より長期で同社株式に投資を続けるインセンティブへとつながることでしょう。

神戸物産の株価を予想するのに必要なポイントは何か

業務用スーパー業界には同社以外にも競合企業が存在し、現時点では競争過多という状況ではないものの、今後その環境が変わってくる可能性があります。

また、アマゾンやコンビニなどが個別配送で激しくしのぎを削るようになった際に、ユーザーに店舗に来てもらう同社の運営スタイルがどのような影響を受けるのかには注目です。

ただ、圧倒的にお得感のある、業務スーパーでしか買えない商品がユーザーを惹きつけるカギになることは間違いないでしょう。

まとめ

業務スーパーという、一見すると飲食業関係者だけが利用しているかと勘違いしそうな業態は、店舗数を増やし、既存店売上高も好調さを維持しつつ業績を拡大していることが分かりました。今後はそうした観点で同社を評価してみるのも面白いのではないでしょうか。

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