株式投資の視点から見た「ほぼ日」【注目新興企業】
LIMO / 2018年2月20日 17時20分
株式投資の視点から見た「ほぼ日」【注目新興企業】
「ほぼ日」は何で儲けている?
テレビなどでおなじみの糸井重里氏が代表取締役社長を務める「ほぼ日」(3560)。同社は2017年3月に上場した新規上場組ですが、どのような事業で収益を上げているのでしょうか。
同社の2017年8月期の売上高は約40億円で、そのうち約66%を占めるのが「ほぼ日手帳」と呼ばれる手帳の売上です。それ以外には、売上の約25%を占めるほぼ日商品などがあります。
手帳とはいっても「ほぼ日手帳2017」のラインナップは全部で79種類に上ります。販売部数は約67万部で、前年度版より約6万部も拡大しています。出版不況といわれる中、手帳というカテゴリーではありますが、67万部という数字は驚異的だと言えるでしょう。
同社は手帳を販売するだけではなく、手帳のユーザーと商品の担当者、またユーザー同士が交流する「場」を提供するコミュニティマネジメントを行っているのが特徴です。また、そうした機会を通じて得られた意見もコンテンツとして配信されています。
同社の事業としては「ほぼ日手帳」以外に「TOBICHI」「ドコノコ」「生活の楽しみ展」などがあります。こうしたメディアを基盤としてコンテンツを生み出し、それらを商品販売などにつなげて事業化していくというビジネスモデルです。
株価は割安か割高か
では、バリュエーション(株価評価)はどうなっているのでしょうか。
2018年8月期の会社による業績予想を前提にすると、利益成長がほぼない状況でPER(株価収益率)は約45倍。また、2017年8月期実績値のPBR(株価純資産倍率)で5倍です。
これは、ROE(自己資本利益率)が5%程度であることも考慮すれば、決して割安な銘柄とは言えなさそうです。
逆に言えば、今後も「ほぼ日手帳」のような収益の柱となる事業が次々と生まれてくるという期待を含んだバリュエーションなのかもしれません。
ただ、新しい事業は生まれてきてはいるものの、それらが全社の収益をけん引できるかを判断するには現時点では材料に乏しいように見えます。
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