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結局、減税になるのはどんな人? 基礎控除と給与所得控除が改正に

LIMO / 2018年12月3日 17時20分

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結局、減税になるのはどんな人? 基礎控除と給与所得控除が改正に

毎年目まぐるしく変わる税金の制度。中でも国民全員にとって関係があるといってもよい改正が2020年に行われます。それが所得税の基礎控除の引き上げです。どのように変わるのか見てみましょう。

そもそも基礎控除とは?

基礎控除とは、所得税の計算をするときに、誰でも必ず所得から引くことができる金額のことです。配偶者控除や扶養控除のように、配偶者や子などがいないと受けられない控除と違って、基礎控除は無条件に誰でも受けられます。

所得税は所得がある個人すべてについて課せられる税金です。つまり基礎控除は所得税を課税されるすべての国民にとって関係があるといえます。一方で、特に適用条件もなく、「○○の壁」といったものもなかったため、配偶者控除や扶養控除ほど知名度がない”空気のような控除”といってもいいかもしれません。

基礎控除の引き上げで税金が減る

このように、所得税の控除の中でも最も多くの人に関係がある基礎控除ですが、2020年の所得から大きく改正が行われます。具体的には、以下のように変更されます。

(/mwimgs/6/3/-/img_6365b7eb205ceb3be1446307bc9ca34846116.jpg)

拡大する(/mwimgs/6/3/-/img_6365b7eb205ceb3be1446307bc9ca34846116.jpg)

年間所得が2,400万円を超える場合は基礎控除が減額となりますが、このような高所得者は数少ないので、多くの人にとっては減税ということになります。

一方で高所得者にとっては増税ということになってしまいます。たとえば、所得税率が10%の場合は年間で1万円の減税ということになる一方、所得税率が最大の45%になるような高所得者の場合、38万円×45%=171,000円の増税ということになります。

これまでは誰でも受けることができた基礎控除ですが、年収次第では減額されたり受けられなかったりする人も出てきます。この意味では、基礎控除にもとうとう「壁」ができるということです。

ただし、基礎控除の壁はほかの壁ほど意識されないかもしれません。理由としては、まず壁が高すぎることです。ほとんどの人にとって基礎控除の壁は関係ありません。そしてもう一つの理由は、これだけ高所得の人は基礎控除の壁のために就労調整をするということが考えにくいからです。

たとえば、親の扶養に入る子がアルバイトをする場合、「103万円の壁」のために年末が近くなるとアルバイト先での就労調整を行うなどして、何とか年収が103万円に収まるようにします。

一方、基礎控除の壁を意識するような高所得者は、会社経営者などある程度の立場にある人が多いと考えられるため、就労調整ということが難しく、そもそも、そのようなことを考える余裕がないかもしれません。

基礎控除は下がっても・・・

このように誰でも受けられる基礎控除が、ほとんどの人にとって10万円の減額となるため、基礎控除だけを見れば多くの人にとって減税となります。

しかし、実は同時にもう一つの改正が行われます。それが、給与所得控除の引き下げです。給与所得控除とは、給与所得者全員が受けられる控除のことです。給与所得者は、額面そのままが所得税の課税対象となるわけではなく、給与所得控除を引いた後の金額について課税が行われるのです。

この給与所得控除が、基礎控除の改正に合わせて10万円引き下げられます。つまり、基礎控除が10万円上がっても、給与所得控除が10万円下がってしまうため、結果として所得税の負担は、会社員については変わらないということになります。

結局のところ、今回の改正で減税になる可能性があるのは、個人事業主やフリーランス、個人のトレーダーなど給与の形で収入を得ていない人ということになります。

上記の改正に合わせて、給与所得控除の最大額の引き下げも行われるため、給与所得者にとっては増税となる改正になってしまいます。会社員も節税効果のある個人型確定拠出年金iDeCoへの加入など、できる限りの増税対策をしていくことが必要かもしれません。

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