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就職活動は「自分を偽らない」がベスト!リクルーターや採用担当者の心理とは

LIMO / 2019年3月4日 19時0分

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就職活動は「自分を偽らない」がベスト!リクルーターや採用担当者の心理とは

【就活は王道を行け!】就職でのミスマッチを防ぐために

3月に入り就職活動も本化しつつあるのではないでしょうか。今回は就職活動を迎えるにあたってどのように迎えればよいのか、新卒として大手日系金融機関でリクルーターのサポート、また大手外資系金融機関で定期的に中途採用のインタビュープロセスに参加していた経験からお話をしたいと思います。

日系金融機関の「リクルーター」という制度

私が就職活動を経て入社した当時は人事部に所属する大学OBが学生を面接しながら採用する形のリクルーター制が主体でした。採用チームとしてはざっくりいうと以下のように分かれていました。

東京大学チーム

慶應義塾大学チーム

早稲田大学チーム

一橋大学+東京工業大学チーム

京都大学+大阪大学+関西私大チーム

旧帝国大学(東大・京大・阪大を除く)チーム

上記以外その他関東中心の私大チーム

これらのチームごとに分かれてリクルーターが学生を面接し、最終的に「この人物なら人事部長と役員に会わせることができる」という状況となり、最終面接に臨み、学生は晴れて「内々定」を手にします。

リクルーターが判断に迷ったり、採用したいと思っても役員などに合わせるためにはまだトレーニングが必要だと思われれば、ほかの社員に合わせるなどして面接回数が増えていきます。

内定と内々定は違う

余談ですが、学生が口にする「内定を○つもらった」というのは実際には「内々定」で、正式な「内定」は10月に行われていた内定式で採用通知書を受け取り、「内定」となります。そこまでは、いわば企業と学生の口約束のようなもので、学生時代には私も「本当に採用されるのかな」と不安になることもありました。

話はそれまましたが、先の大学ごとのチームでは「○○人を採用する」というのがざっくり決まっていました。結果的に人数が最も多かったのは、慶應義塾大学と早稲田大学、それに次いで東京大学の順でした。ただし、卒業人数に対しての採用率を考えれば東京大学が最も高かったという印象です。

リクルーター制では同じ大学出身者との競争になる

「就職に有利なのは東大?慶應?それとも早稲田大?」というような議論がありますが、ミクロ(マイクロ)レベルで考えると適当でない議論のように思います。

それはなぜかというと、確かに大学ごとにざっくりとした採用人数の枠があり、私が勤務した金融機関においては、東大や慶應大や早稲田大の学生であるということは有利に働いたと思いますが、リクルーター制という中では実は別の競争があります。

それは、同じ大学の学生同士の競争となる点です。

これは、面接が本格化していく中でなんとなく気づく学生もいるかもしれません。自分が他のどの学生と比べられているのかは他の大学ではなく、同じ大学の学生です。したがって、東大の学生は東大の別の学生、慶應大の学生は慶應大の別の学生と比較されることになります。この時点で、自分の特徴が同じ大学内で「被っていないか」または「特別な何かを持っているか」などにシフトしていきます。

リクルーターを味方につけよう

リクルーター制ではこのような状況から、時間を経るごとにリクルーターと学生の距離感は非常に近くなってきます。

面接回数が少ないとあまり感じないかもしれませんが、リクルーターとのやり取りの回数が増えてくると、当初の自己PRやエントリーシートが「取り繕いすぎているな」となってきます。

リクルーターも最終的には「この学生と一緒に働きたい」と思うような学生を採用するわけです。したがって、よそよそしい距離感の学生よりは、一歩踏み込んで付き合える距離感となった学生を評価します。

意外かもしれませんが、入社後もリクルーターであった人とは仕事では同期と違った協力関係にもなれたりします。同期と比べるとリクルーターは当然、年次が上なので、仕事を運ぶ際に根回しなどの協力をしてくれたりします。

外資系金融機関の採用とは

さて、私は新卒の際にも、米系投資銀行を中心に外資系金融機関を受けました。外国人も含めて何度も何度も面接をし、多くの面接をパスしたのちにインターンシップにも参加しました。

ただし、こうしたプロセスは新卒に限らず中途採用の場合でも同じです。外資系金融機関の面接過程(インタビュープロセス)は、一緒に働くことになる志願者(アプリカント)を徹底的に見極めることに時間を使います。

これは、本人の能力やスキルは面接の前段階である程度精査されているというのもありますが、インタビューでは会社やもっというと部署のメンバーと相性があうのかという判断に時間をかけます。

入社3年で結果が出せないのはお互いに不幸

私が当時いた部署の平均勤続年数は大体3年程度でした。また、海外のオフィスではもっと短かったのを知って驚いたことがあります。グローバルで優秀な人材が応募する金融機関であったので、競争が厳しいということはなんとなくわかっていましたが、平均が3年というと今でも短い気はします。

幸い私は3年を大きく超えて勤務することができましたが、この平均勤続年数である3年を超えるか超えないかの差は、大きく分けると「会社のカルチャーを理解し、部署になじんでパフォーマンスを出せる」か「会社のカルチャーも理解しないままにパフォーマンスが出せないで会社を変わっていく」のどちらかだったような気がします。

こう考えるとインタビューでどれだけ時間をかけて選考しても、正確に志願者を見極めることができるというものではないことはおわかりでしょう。

超入社困難な外資系金融機関の選考基準

入社するのが非常に難しいことで有名な世界を代表する金融機関の選考プロセスで有名なエピソードがあります。

それは応募者を「空港で飛行機の乗り換えで長時間待っていても、飽きない人」という基準で選べというものです。

この基準には様々な意味が含まれていますが、そこには業界知識やスキルといったものが含まれているのではなく、コミュニケーション力があるだけではなく、話題が豊富にある人なのか、長い時間を一緒に過ごして違和感がない(もっというと、いやじゃない)のかという視点が大事にされています。

外国人は採用するシーンで「ケミストリー(化学)」という言葉をよく使います。これは、新しい人材を投入し、これまでの組織が変化し、改善することを想定しています。

ですので、自分をよく見せて入社しても、組織になじめないと、「組織の雰囲気を悪くする人」そして結果として成果が出ないと「パフォーマンスを出せない人」などという評価をされてしまうことになります。

また、外資系では何も変化がないということも嫌います。日本人からすれば、「お騒がせしない」というのはポジティブにとらえられますが、人をコストをかけて採用しているわけですから、変化があって当然なわけです。

面接があることの意味

就職活動の中で、自分がどうしても入りたいという会社はだれでもあると思います。ただ、実際にOB・OG訪問や面接を通じてその会社で勤務する人に会ってみて感じる第一印象や雰囲気は大事にした方が良いと思います。

自分をいくらエントリーシート(ES)で取り繕い、最初の関門をパスしても、面接は採用側からすればそうして作られた人物像を解体していく作業に他なりません。もっとも、書類審査を通過しないと次にはいけないということもありますが、ESに「盛られた」内容があると、期待値の下方修正に他なりません。

就職活動だけにとどまりませんが、転職活動を成功させる秘訣は期待値の上方修正ともいえます。「ESよりも会ってみた方が絶対にいい」と採用担当者にいわせれば、次のステップにより早く進めることでしょう。

就職活動では、テクニックやノウハウのような、短期間に習得できそうなものがもてはやされますが、実際にはそうではない領域に本質があります。就職活動では、小手先ではない、採用する側もされる側もお互いが人物を評価し、評価される王道が良いと思います。

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