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再び株価急落!4つの対処法と危険性

トウシル / 2018年3月29日 14時3分

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再び株価急落!4つの対処法と危険性

 今年に入り、株価の下落が進んでいます。3月23日には日経平均株価が2月の急落時の安値を割り込みました。こんなとき、どのように対処するのがよいのでしょうか?

 

株価下落が続く2018年の日本株

 日本株の下落がなかなか止まりません。2月上旬の急落後、株価の反発力が弱いと思っていたら、ついに3月23日には日経平均株価が明確に直近の安値を割り込んでしまいました。
 国内外で懸念材料が相次いでいて、先行きが非常に不透明な状況です。

 株価が大きく下落したとき、個人投資家によって対処の仕方が異なります。そこで今回は、代表的な対処法を紹介しつつ、どの方法が最も望ましいのかを、筆者の視点から判断してみたいと思います。

 

対処法(1)ファンダメンタルズが良好なうちは保有を続ける

 1つ目の対処法は、企業の業績や国内外の景気といった、いわゆる「ファンダメンタルズ」が良好であれば、株価の下落は一時的なものと考え、ファンダメンタルズの悪化が明確になるまでは保有を続ける、というものです。

 この方法は一見理にかなっているように見えます。しかし、株価は景気に先駆けて動くというのは有名な話です。景気がピークアウトするときは、表面上ファンダメンタルズは良好にみえるものの株価だけが下がるという状況になりやすいのです。

 これは日本株全体でも、個別銘柄の業績でも同じ話です。個人投資家がファンダメンタルズの悪化に気づいたときには、株価はかなり大きく値下がりしていることが多いため、実はリスクの高い方法です。

 評論家の人たちは、株価の先見性を重視せず、単に足元のファンダメンタルズをみて株価の先行きを無意識のうちに楽観的に判断することが多いので、要注意です。

 

対処法(2)とにかく何があっても持ち続ける

 2つ目の対処法は、株価が大きく上昇しようが下落しようが気にせず、とにかくずっと保有を続けるというものです。いわゆる「バイ・アンド・ホールド戦略」と呼ばれるものです。

 この戦略は、個別銘柄にも用いられますが、インデックスファンドを使って積立投資をする場合によく使います。ファイナンシャル・プランナーはこの戦略を顧客にアドバイスすることが非常に多いです。

 この方法に対して筆者が常に抱く疑問は、「過去は持ち続けていればそれなりの利益になったのは確かだが、それがこれからの将来も成り立つのか?」ということです。
 たとえば、もしこれから30年間、国内外がデフレ気味に推移すれば右肩上がりの株価の上昇は難しいのではないでしょうか。

 また、将来有望な個別銘柄を見つけて10年持ち続けようと思っても、その銘柄が本当に10年のあいだ期待通りの成長をしてくれるかどうかなどわかりません。期待に応えられなければ、株価は逆に大きく値下がりしてしまうでしょう。

 

対処法(3)あきらめる

 3つ目の対処法は、「株価が下落しても仕方ない」とあきらめ、保有を続ける方法です。2つ目の対処法とよく似ていますが、大きく異なるのが「自らの意思で積極的に行っているかどうか」です。

 2つ目の方法は、積極的に長期間保有すると決めています。一方、3つ目の方法は、別に長期間保有するつもりではもともとなかったのです。
 何となく買って、何となく「株価が上がればいいなあ・・・」と思って保有しているだけです。

 実は、筆者の周りの個人投資家の行動をみると、この3つ目の方法を取る人が最も多いです。つまり、大部分の個人投資家は、株式投資に対して戦略もルールも持たずに取り組んでいるのです。
 だから、株価が下落しても何かアクションを起こそうとも思わず、「持ち続けていればそのうち株価も戻るだろう」と半ばあきらめているのです。

 でも、バブル崩壊後、保有株を長年塩漬け状態にしてきた個人投資家が多数存在します。また、株価が大きく下落すると、パニックになって保有株を投げ売りして多額の損失を被ってしまう個人投資家も少なくありません。
こうした現状を踏まえると、筆者はこの方法が正解とは思えません。

 

対処法(4)ルールを決めて機械的に行動する

 4つ目の方法は、「こうなったらこう動く」とルールを決め、それに則り機械的に行動することです。

 筆者であれば、保有株が25日移動平均線を割り込んだら何も考えずに売却します。これだけで、その後の下落に巻き込まれることが一切なくなりますから、損失の拡大を抑えることができます。
 もし下落が一時的なもので収まれば、再度株価が25日移動平均線を超えてきますから、買い直せばよいだけです。

 筆者はこの方法で、数々の下落局面を浅い傷で乗り切ってきました。

 

株式投資では「予想」や「期待」はすべきではない

 実は、4つ目の方法以外は、予想や期待が含まれていることに気がつきましたか。

 1つ目の方法であれば、「ファンダメンタルズが良好なのに株価が下がっているのだから、株価はいずれ上昇に転じるはずだ」。
 2つ目の方法は「長期間のスパンでみれば景気も株価も右肩上がりに上昇するはずだ」
 3つ目の方法は「持ち続けていればそのうち株価も戻るだろう」

 では、1つ目から3つ目の方法を取っている方たちに質問します。こうした予想や期待が外れたら、いったいどうするのですか?おそらく、筆者が納得できる回答は出せないと思います。なぜなら、未来は誰にも予見できるものではないからです。

 過去は過去、未来は未来です。過去の実績から生み出されたバイ・アンド・ホールドの手法をとってみても、本当に将来も同じようになるのか、筆者としては大いに疑ってしまいます。

 

株式投資で最も重視すべきこととは?

 筆者は、身銭を切って自分自身の大事なお金を真剣に投資しています。だからこそ、予想とか期待に頼っていい加減な投資をすることはできないのです。失敗すれば自分の財産の減少に直結するからです。

 筆者が株式投資をするにあたって最も重視しているのが「大きな失敗をしないこと」そして「逆の目が出た場合のリカバリーが効く方法を取ること」です。

 筆者が実践している4つ目の方法は、逆の目が出たら、つまり25日移動平均線を割り込んだ銘柄が再度25日移動平均線を超えたら、買い直せばよいだけです。
 しかし、残りの方法はリカバリーが効きません。予想や期待に反した株価の動きになれば、大きな損失を被ってしまう恐れがあります。

 筆者の考え方には賛否両論あるかもしれませんが、将来株価がどうなるか予測できないのであれば、将来の予想や期待は一切せず、単純かつリカバリー可能なルールに従って淡々と行動することが望ましいと思っています。

 株価の下落がどこで止まるかはわかりません。読者の皆さんもどうか大きな損失を被らないようにしてください。

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