円安相場の終わりか？ドル/円が111円台まで急落

本日のレンジ予測

［本日のドル/円］

↑上値メドは113.05円

↓下値メドは110.58円

今朝の天気マークは「雨」

▼ 天気の判定基準くわしくはコチラ ▼

 

毎ヨミ！FXトップニュース（7月20日）

20日のドル/円の終値は111.45円

　前営業日に比べ1.03円のドル安/円高だったので、今朝の天気マークは、「雨」です。

• USD：トランプ米大統領「ドル高は米国の競争力を奪う」「利上げはこれまでの努力全てを台無しにする」「全ての中国製品に対して関税をかけることを検討」「中国やEU（欧州連合）は自国通貨を操作している」
• USD：ムニューシン米財務長官「中国が相場操縦していないか、注意深く監視」
• USD：セントルイス連銀総裁「トランプ氏の利上げ批判、金利決定に影響しない」「これ以上の利上げは米景気後退につながる恐れ」

主要指標終値

※高値、安値は終値ベース

 

本日の注目通貨

ドル/円：トランプ発言で円安は強制終了

　ドル/円は今月初めから急に上昇力を強めて113円台にのせ、1月につけた年初来高値まであと一歩のところまで接近しました。しかし、この円安トレンドはトランプ大統領の発言によって終了してしまう可能性があります。週末のドル/円は112.62円をトップに111.38円まで急落。その後は反発もなく111.45円で週の取引を終えました（チャート1）。

　トランプ大統領は、すべての中国製品に対して追加関税をかける用意があると発表しました。貿易戦争が再び激化するなか、中国人民元が安すぎると次は通貨戦争を仕掛けました。ムニューシン米財務長官も、中国が為替操作をしていないか監視すると述べました。

　もっとも、トランプ大統領の通貨安批判は今に始まったことではなく、今年4月にも「ドルは強すぎる」と発言しているので、特に目新しい材料とはいえません。それよりもマーケットが驚いたのは、FRB（米連邦準備制度理事会）の金融政策を公然と批判したことです。トランプ大統領は「利上げは米経済回復の足を引っ張る可能性がある」と発言しました。

　トランプ発言で逆に利上げ確率が高まったという意見もあります。なぜなら、FRBは中央銀行としての独立性を証明するために、逆に利上げを中止できなくなったからです。しかし同時に、今後の利上げ回数が現在織り込まれている以上に増えることもなくなりました。ドル高につながるサプライズの期待がひとつ消えまたともいえます。

　トランプ大統領は、ドル/円の水準には触れませんでした。といっても、円安を容認しているわけではありません。日本の輸出会社は、ゆっくりと115円を待つことができなくなり、現在のレベルでドルを売ることを考えるようになります。それがドル/円の上値をさらに重くすることになるでしょう。

 

ユーロ/ドル：1.17ドルを回復

　トランプ大統領が「EUはユーロを操作して米国に不利益をもたらしている」という発言に反応して、ドルはユーロに対して下落。ユーロ/ドルは1.17ドルを回復（チャート2）。

 

ユーロ/円：急反発

　ユーロ/円は先週、5月2日以来の高値を131.98円まで更新するなど好調。しかし週末はドル/円に連れて130.55円まで下げ、この週の上昇分を全て吐き出すことになりました（チャート３）。

 

本日の注目イベント

23日：ECB政策金利、米GDP、トルコ政策金利、東京地区CPIなど

経済指標過去データはこちらをチェック！

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◎天気の判定基準とは？

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

･「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

･「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

･「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2017年は、「晴れ」89日、「雨」90日、「くもり」80日でした。

 

（荒地 潤）