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楽天DI 2018年12月:株価下落!みんなどうしてる?

トウシル / 2019年1月11日 10時47分

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楽天DI 2018年12月:株価下落!みんなどうしてる?

はじめに

 今回のアンケート調査は12月25日(火)~12月27日(木)の期間で行われました。

 2018年の日経平均株価は2万14円で1年の取引を終えました。節目の2万円台は何とか維持したものの、前年末比で下落となったのは7年ぶりで、いわゆるアベノミクス相場が始まってからは初となります。月間ベースでも、前月末比での下げ幅(2,337円安)が、リーマン・ショック直後の2008年10月(2,682円安)以来の大きさとなっています。

 改めて12月の国内株市場の動きを振り返ると、日経平均は11月下旬からの株価反発の流れを引き継いでスタートし、月初の12月3日の取引では2万2,500円台を回復しました。しかし、結局この日が月間の高値となり、以降は下落に転じてほぼ一本調子で下げ足を早めることとなりました。

 米国景気のピークアウトや中国経済の減速、企業業績の鈍化に対する警戒感をはじめ、米中関係や欧州情勢、米政権運営といった既存の懸念材料の先行き不透明感が相変わらず継続していること、そして、年末の薄商いで先物取引に振り回されやすい相場地合いの中、悲観的なムードが高まってしまったことも売りに拍車をかけた格好です。

 そのような中で行われた今回のアンケートですが、3,400名を超える方からの回答を頂きました。アンケートの実施期間も含めて12月は株式市場の軟調地合いが続いたため、日経平均の見通しDIが大幅に悪化する結果となりました。同様に為替の見通しについても、円高見通しが強まっている印象になっています。

 

日経平均株価の見通し

楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト 土信田 雅之

見通しDIが急激に悪化

 今回調査における日経平均の見通しDIの結果ですが、1カ月先がマイナス50.60、3カ月先はマイナス25.49となりました。前回調査の値(マイナス0.44とマイナス5.18で)と比べると、両者ともに大幅に悪化しています。

 とりわけ、1カ月先DIの値はインパクトがありますが、DIの値が示しているのは強気派と弱気派の割合差です。回答の内訳を示す円グラフを見ると、強気派が10.37%なのに対して、弱気派が60.97%となっていることが分かります。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成
出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 バックナンバーを見ても、これまでで最も弱かった1カ月先DIの記録は、本調査が始まったリーマン・ショック直後の2008年10月調査(マイナス48.21)でした。今回の結果は調査開始以来の記録を更新したことになります。ちなみに3カ月先DIも記録を更新しています(これまでの記録は2008年12月調査のマイナス20.74でした)。

 今年の秋に予定されている消費税率の引き上げについて、安倍晋三首相はこれまで「リーマン・ショック級の出来事がない限り引き上げる」と述べていますが、楽天DI調査に限って言えば、リーマン・ショック級の結果となっています。

 再び回答の内訳に話を戻しますと、株式市場が軟調になると、当たり前ではありますが強気派は減少します。そしてその減少した分は弱気派もしくは中立派に流れます。大抵の場合、弱気派よりも中立派に流れることが多いのですが、今回の調査では、中立派の割合も大きく減っていて、「強気派から弱気派」だけでなく、「中立派から弱気派」の動きも目立っていたことになります。

 もちろん、調査期間中である12月26日の日経平均が取引時間中に1万9,000円割れの場面を見せるなど、かなりムードが良くなかったことを差し引く必要はありますが、先行きの相場展開に対してかなり楽観視しづらくなっている心理状況がうかがえます。

 もっとも、昨年末の株価の急落は、国内外の景気ピークアウト感や、それに伴う企業業績の鈍化、米中関係や欧州情勢、米政権運営といった既存の懸念材料の先行き不透明感などをはじめ、悲観的なムードの高まりによる投げ売りが重なったものであると考えられます。つまり、これからかもしれない不安を先取りして下落してきたと考えられます。

 したがって、2019年相場はその答え合わせをするような動きになりそうです。経済指標や企業業績など、先取りしたほど悪くなければ、株価は派手に下げた分だけに大幅に反発する展開もあり得えます。ただその一方で、「逆資産効果」によって、実体経済が株安に追随するかたちで悪化する懸念もくすぶっていっています。さらに米中関係の行方などは政治的要素が絡み、状況がコロコロ変わりやすい性質でもあるため、しばらくは荒い値動きの中で方向感を探る展開が続くかもしれません。

今月の質問 「株価下落!みんなどうしてる?」

楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジスト 窪田 真之

 [今月の質問1] 日本株を買う一番の目的を教えてください。

 

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 値上がり益をねらう投資家(44.7%)には、株価をこまめにチェックする方が多いと言われています。株価が安い時に買って、高い時に売るようにできるといいですね。

 配当金狙い(21.1%)・優待狙い(15.4%)・会社を応援したい(10.1%)投資家には、いい意味でも悪い意味でも、株価をあまり見ない方が多いと言われています。株価変動に左右されず長期でじっくり投資できるいい面があります。今のように日経平均株価が安くなった局面で、コツコツ投資していったら良いと思います。

[今月の質問2]  相場が下がった時に買いたい商品はなんですか。(複数回答可)

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 日本株の人気が高いですね。グローバル分散投資も同時に考えた方が良いと思います。

[今月の質問3]   株価が下がったら買いたい日本株銘柄名をひとつ教えてください。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成
注:配当利回りは、今期の1株当たり年間配当金(会社予想)を1月9日の株価で割って算出。ソフトバンクは半期の会社予想を年率換算。配当金予想を公表していないトヨタ・楽天・ソニーは、楽天証券予想を使用

 上記で楽天はグループ企業のためコメント対象外、それ以外の銘柄についてコメントします。皆さまが買いの候補と考えている銘柄には、良い銘柄が多いと思います。株価上昇も狙っているとは思いますが、人気上位には、好配当利回りや優待が魅力の株が多く、じっくり長期で投資しやすいと思いました(備考を参照ください)。

 楽天証券でレポ-トを書いている銘柄もあります。

人気第1位:トヨタ自動車
2018年11月1日:ブリヂストンがトヨタよりも投資価値が高いと考える3つの理由

人気第2位:ソフトバンク
2018年12月21日:需給悪は乗り越えた?ソフトバンクIPOの光と影

人気第3位:イオン
2018年7月18日:最高益が続くイオン!コンビニに勝つビジネスモデルを完成?

人気第4位:JT(日本たばこ産業)、9位:オリックス、10位:KDDI
2018年6月21日:アナリスト式・株主優待テク。配当利回り×優待内容でセレクト!
※配当利回りが高く、かつ優待内容が魅力的な銘柄として紹介

人気第6位:任天堂、7位:ソニー
2019年1月4日:特集:2019年のホットトピックス-ゲーム・エンタテインメント(任天堂、ソニー、バンダイナムコホールディングス、アカツキ、ヒビノ、エイベックス、アミューズ、東映アニメーション、アルファポリス

ソニー、花王へのコメントを含むレポートもあります。
2019年1月8日:2019年の銘柄選択:18年の下落率上位5社、上昇率上位5社を分析

為替DI:2019年は「緩やかな円安、急激な円高」 

楽天証券FXディーリング部 荒地 潤

 楽天DIとは、ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円それぞれの、今後1カ月の相場見通しを指数化したものです。DIがプラスのときは「円の先安」見通し、マイナスのときは「円の先高」見通しを意味します。プラス幅(マイナス幅)が大きいほど、円安(円高)見通しが強まっていることを示しています。

[図-1]

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

1月のドル/円は円安、円高のどちらへ動くと思いますか?」という質問に対して、12月末の水準(109.60円)よりも1月は「円高になる」と答えた投資家は、なんと前回より34ポイントも増えて全体の約61%を占めました。反対に「円安になる」は最も少ない約19%、残りの約20%は「動かない(分からない)」という回答でした。[図-2]

 円安見通しから円高見通しを引いたDIは▲41.91。マイナス(=円の先高見通し)は過去10年間で2番目の大きさとなりました。

 12月の時よりもドル/円が円高に動いたことはこれまで何度もありましたが、その時のDIはこれほど強く反応しませんでした。今回のDIの振れの激しさは、表面上の値動きを超える、もっと大きなトレンドの転換を予見しているのかもしれません。        

 個人投資家は圧倒的に円高に傾いているわけですが、「プロ」と呼ばれる日本人アナリストが年末に出した2019年度のドル/円相場予想では、「緩やかな円安」が続くという見方が多かったようです。

 緩やかな円安とは一体どの辺りなのかということですが、117円程度という予想が多いようです。彼らアナリストが昨年末に予想を立てたときのドル/円の水準はおそらく111円前後だったと思いますので、6円程度の円安がいわゆる緩やかな円安ということになります。

 ところで、昨年1年間のドル/円の値幅は約10円でした。今年も同じ程度の値幅だと想定するならば、円安に6円動くとして、111円引く4円の107円が今年の円高のメドということになります。去年よりもっと動くだろうという期待を込めて、円安に6円なら円高方向にも6円と想定するなら、111円引く6円で105円まで円高になる可能性を考えることができます。

 そして、ドル/円は年明け早々から109円近くから一気に104円台まで急落したわけで、アナリスト予想から計算した円高のメドは瞬く間に抜けてしまいました。とはいえ今年はあと12カ月も残っているので、これから緩やかな円安に戻ることもありえます。

 2019年は「緩やかな円安」が継続するのかもしれませんが、同じくらい「急激な円高」に動くリスクがあると考えています。円高というのは、「はい、円高が始まりました! 今から少しずつ下がりますよー」という性質のものではなく、ある日突如としてやって来ることは、今年1月3日に限らず、すでに何度も経験しています。

今後、投資してみたい金融商品・今後、投資してみたい国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲

 今回は、毎月実施している設問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「日本」「米国」と回答したお客さまの割合に注目しました。

図3:「今後、投資してみたい国(地域)」で「日本」「米国」と回答したお客さまの割合

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 2018年12月のアンケート調査で、設問「今後投資してみたい国(地域)」において、アンケート回答者全体のおよそ40.0%の人が「日本」を、およそ33%の方が「米国」を選択しました。(当該設問は複数回答可で、選択肢は他に中国、インド、東南アジアなどがあります)

 現行の選択肢になった2016年5月以降、図3の通り、ほとんどの月で「日本」と回答した人の割合が「米国」と回答した人の割合を上回っていましたが、2018年7月から11月までの5カ月間については、「米国」と回答した人の割合が上回りました。

 この5カ月間、米中貿易戦争の激化や米国の金融政策の動向(具体的にはドル金利の引き上げ)など、さまざまな懸念点はあったものの、株価が上昇したり、雇用情勢が良くなったりしたため、米国を今後投資してみたい国に選ぶ人の割合が増え、その結果、日本を選ぶ人の割合を上回ったと考えられます。

 しかし、その米国も、12月は前月比13%低下となり、およそ33%となりました。米国の株価下落や米国政権内での不和が伝えられたことなどが背景にあるとみられます。

 そして、12月がおよそ40.0%と2カ月連続で上昇した日本が米国を上回り、5カ月間続いた日本が米国を下回る(米国が日本を上回る)状態がいったん、終了しました。

 今後については、日米ともに株価が反発色を強めていること、米国では雇用情勢が引き続き良好な状態にあることなどから、設問「今後投資してみたい国(地域)」において、日本と米国、両方を選ぶ人が増加すると筆者は考えています(日本が米国を上回る状況は継続)。

「今後投資してみたい国(地域)」における日本、米国と回答する人のそれぞれの割合、およびそれらの関係に、引き続き注目していきたいと思います。

表:今後、投資してみたい金融商品 2018年12月調査時点 (複数回答可)

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 表:今後、投資してみたい国(地域) 2018年12月調査時点 (複数回答可)

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 

この記事執筆者の連載

チーフ・ストラテジスト 窪田 真之 「3分でわかる!今日の投資戦略」 (月~木曜日)

シニアマーケットアナリスト 土信田 雅之 「テクニカル風林火山

FXディーリング部 荒地 潤 「毎ヨミ!為替Walker

コモディティアナリスト 吉田 哲 「週刊コモディティマーケット

(楽天証券経済研究所)

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