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日経平均の「下振れ注意報」は当たる?買い時はいつ?

トウシル / 2019年2月12日 13時6分

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日経平均の「下振れ注意報」は当たる?買い時はいつ?

 先週末2月8日(金)の日経平均終値は2万333円でした。前週末終値(2万788円)比では455円安、週足ベースでも5週ぶりの下落となりました。

 前回レポートの最後に、「基本は堅調な展開を想定するものの、軟調となった際には注意が必要」と指摘しましたが、結果的にそれに近い動きとなってしまったことで、今後の注意すべき点や、これから想定される買い時の目安があるのかなどについて探ってみたいと思います。

 まずはいつもの通り、下の図1で足元の状況から確認です。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2019年2月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 先週の日経平均のローソク足ですが、週初の2月4日(月)以外はすべて陰線となりました。

 日経平均は、2万1,000円台が意識されながら一度もタッチすることはなく、さらに週末8日(金)の取引では、「窓」明けで下落しただけでなく、サポートとして機能することが期待されていた25日移動平均線付近でスタートした後に下方向に乖離(かいり)して行く展開となったことで、株価の下げ方としてはあまり良くない印象になっています。

 また、週足チャートでも確認してみます。

■(図2)日経平均(週足)の動き(2019年2月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 週足のローソク足は実体の長い陰線になっていて、前2本のローソク足の下ヒゲを覆う形です。ローソク足のヒゲは、「揺らいだ気持ち」を表すとされていますが、先週のローソク足が実体の長いものになったことで、揺らいだ気持ちからやや確信めいたものへと変化させる格好になっています。

 また、先週末終値(2万333円)の株価水準に注目してチャートを過去へとさかのぼってみると、昨年の3月安値(2万347円)のところにぶち当たります。ここはトレンドパターンの「ダブルトップ」のネックラインの水準ですので、今週さらに下げ幅を広げてしまうと、中長期のトレンドでも下方向への意識が強まってしまうことになります。

 チャートの形は日足・週足の両方で上方向よりも下方向への意識が強まっており、日経平均の2万円台割れなど、下落を予想する声も増えてきています。もちろん、株価が早い段階で図2のネックラインや、図1の25日移動平均線を回復できれば、株価が反発して行くシナリオも残されてはいるのですが、実際のところはどうなのでしょうか?

 そこで、再び話を日足に戻してみます(下の図3)。

■(図3)日経平均(日足)のHLバンド(2019年2月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 図3のチャートはHLバンドです。HLバンドとは過去一定期間内の高値と安値の推移を示していますが、ここでは25日間で設定しています。

 先週末8日(金)時点の株価水準では、上値余地よりも下値余地の方が大きくなっているため、このまま株価が下げてしまいそうな雰囲気を醸し出していますが、今週の取引からは過去25日間の安値が1月7日の1万9,920円になり、Lバンドの線が切り上がります。Lバンドがサポートとなるのであれば、図3が示すほどの下げ余地はないのかもしれません。

 とはいえ、そのLバンドを下抜けてしまった場合には、下げが加速する可能性があるため、注意すべきは2万円の節目よりもLバンドの方なのかもしれません。

 一方、反対側にあるHバンドの方も先週5日(火)の高値2万981円がしばらく続きそうなため、上値余地もあまり大きくない状況と言えます。よって、今週はもみ合いながら株価水準を維持できるかが焦点になるというのがメインシナリオ、株価下振れの展開がサブシナリオになりそうです。

 このような相場環境では、日々の株価が上げ下げを繰り返し、トレンドもつかみにくい事が多く、「目先の反発を狙おう」と思っても、言うほど簡単でないもどかしさもあります。

 そこで、短期的な戻りを期待する買いを入れるタイミングを計るための参考指標として、「ウィリアムズ%R」と言うのを紹介します(下の図4)。

■(図4)日経平均(日足)とウィリアムズ%R(2019年2月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 ウィリアムズ%Rのウィリアムズは、著名トレーダのラリー・ウィリアムズ氏を指し、同氏が考案したオシレーター系のテクニカル指標です。一定期間の最高値と最安値からなる価格変動幅の中で、直近の終値が相対的にどのレベルにあるのかを示し、値の範囲は0%〜▲100%となっています。

 一般的に、オシレーター系のテクニカル指標は「○%以上で買われ過ぎ、○%以下で売られ過ぎ」といった具合に、一定の水準を超えると相場の行き過ぎを示すため、逆張りに使われる事が多いです。実際に、先週末8日(金)のウィリアムズ%Rの値を見ると、▲97.32%となっており、下限の▲100%に近いところに位置しています。つまり、売られ過ぎを示しています。

 ただし、オシレーター系のテクニカル指標には、「トレンドが継続すると役に立たない」という弱点があり、上の図4を見ても、トレンドが発生している際のウィリアムズ%Rの値が上限もしくは下限付近で張り付く場面があります。そのため、足元の相場が下げ基調を続けてしまうと、値が下限付近で推移する可能性があり、売られ過ぎだからといって素直に買いサインと判断できません。

 現時点でのウィリアムズ% Rは使えない指標なのですが、実は、この張り付いたもみ合いに注目し、「直近の戻り高値や安値を超えたところを狙う」という手法があり、意外と反発や反落局面を捉える事ができます。

 今後、ウィリアムズ%Rが下限付近でもみ合いとなった場合には、戻りを狙うポイントとして注目すると良いかもしれません。以前にも紹介した、「平均足とMACD」の組み合わせでトレンド転換を捉える手法と合わせて利用すると、短期的な相場の動きについて行くヒントになりそうです。

(土信田 雅之)

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