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予想外の日本株の上昇。買うべき?様子見?「機会損失」の許容度を考える

トウシル / 2019年2月28日 5時1分

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予想外の日本株の上昇。買うべき?様子見?「機会損失」の許容度を考える

 昨年12月の急落後、2カ月にわたり株価は反発。
予想外の動きで戸惑っている個人投資家も多いのではないでしょうか。

 

個人的には意外だった2カ月間の株価上昇

 日本株の上昇が続いています。昨年12月に底打ちした後、上昇ペースは緩やかながらも、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、そして多くの個別銘柄の株価が反発し、上昇トレンドにあります。

 米国株はさらに強く、NYダウは高値を更新するのではないかというほどの勢いです。

 実は筆者は、特に米国株についてはここまで株価の反発が続くとは思っていませんでした。逆に昨年2月、10月、12月の株価急落を経験し、すでに株価は天井を付けているのではないかと感じていました。

 そのため、筆者は上昇トレンドの銘柄は買い持ちをしていますが、投資可能資金全体に占める割合はそれほど多くありません。

 逆に下降トレンドの銘柄については空売りを実行し、その後のさらなる株価下落に備えていました。 ところが今年に入ってからの日本株は、異様に強い動きが続いているのです。

 

見込み違いの株価の動きに遭遇したら最優先すべきことは?

 このように、筆者は「日本株はすでに天井をつけたので大して反発しない」と考えていました。これが現時点では見込み違いだったといえます。
 株式投資を長年続けていると、自分が想定していたのと株価が逆方向に動くという「見込み違い」のシチュエーションを何度も経験することになります。

 こんなとき、筆者が最も重視しているのが「大きな損失を避けることを最優先にその後の行動を決める」ということです。

 2月24日時点では、多くの銘柄の株価が25日移動平均線より上にあり、上昇トレンドとなっています。本来であれば、投資可能資金全体に対して相当な割合(例えば7~8割)の資金を買い持ちに費やしておくべきでした。

 しかし筆者はこの時点で買い持ちは投資可能資金全体の25%程度しかありません。そのため、ここから買い持ちを増やしていくのかどうかを検討していくことになります。 

選択肢は「買う」か「様子見」の2つ

 結論から言うと、今後の行動として考えられるのは大きく2つです。メリットとリスクとともに確認します。
(1)買い持ちを増やしていき、今後のさらなる株価上昇についていけるようにする
メリット:今後株価がさらに大きく上昇した場合、利益を拡大することができる。
リスク:買いを増やした後株価が急落したら、大きな損失を生じる恐れがある

(2)現時点では買いを増やさずしばらく様子見をする
メリット:株価が今後大きく下落した場合、損失を小さく抑えることができる
リスク:株価が今後大きく上昇してもその恩恵をそれほど受けることができない

 

どちらの選択肢を選ぶべきか?

 では、上の(1)(2)のうちどちらを選ぶべきでしょうか。さまざまな考え方あると思いますが、筆者は(2)を優先します。

 なぜなら(1)の行動をした結果、株価が昨年2月、10月、12月のように急落すれば、大きな損失を被る可能性があるからです。

 逆に(2)を選んだ結果株価がさらに大きく上昇しても、利益を得る機会は逃しますが、損失を被ることはありません。

 筆者の選択の基準は「大きな損失を避けることが最優先」。その視点から考えると、(1)では大きな損失を被る恐れがあります。(2)はいわゆる機会損失であり、実際に損失を被るわけではありません。

 

筆者の実践での対処法とは?

 そうはいっても、実践は(1)と(2)の買い増しと様子見のミックスが多いです。この後、どのように考えているかをお伝えします。

 まず現状では投資可能資金全体の25%ほどは株を保有できています。これを例えば一気に70%~80%に引き上げた直後に株価が反発を終了して急落したら、損切りを早期に実行したとしても相当の損失が生じます。

 かといって、25%しか株を保有していないと、仮にここから株価が大きく上昇した場合、株価上昇の恩恵をあまり受けられません。
 そこで、マックスで40%程度までは買いを増やしていこうと考えています。

 株価の反発が続いているとはいえ、株価指数も個別銘柄も25日移動平均線を超えてから結構な期間が過ぎています。そうなると、いつ株価が反転下落し、再度25日移動平均線を割り込んでもおかしくありません。

 そのため、株価がここから大きく上昇しても、下落をしてもそれなりに対応ができるよう、40%までは買い持ちを増やすことを許容しようと考えています。

 そして買い持ちを増やす際は、25日移動平均線からのプラスかい離が大きいものは避けるようにします。
 もし買った後すぐに株価が大きく下落したとき、損切りによる損失を小さく抑えるようにするためには25日移動平均線からさほど離れていない銘柄を選んだ方が安全です。

 もちろん、保有株や買った株が25日移動平均線を割り込めば売却し、さらなる損失拡大を回避します。

 株価が上昇を続けているときに株の買い持ちが少ないとつい「早く買わなければ置いていかれる」と焦ってしまいがちですが、そうではなく株価が反落したときのことを考えて行動すべきです。

 乗り遅れたと思っても無理をして買いあさるのは危険です。次の買い時、具体的には多くの銘柄が上昇トレンドから下降トレンドに転じた後、再度上昇トレンドへ復帰するシチュエーションが来るのを待った方が、大きな損失を回避することができます。

 多少の機会損失は諦め、多額の実現損を避けるような対処法を取ることを筆者としてはお勧めしておきます。

(足立 武志)

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