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米国の利上げや見送り&原油在庫の減少で原油は上昇中

トウシル / 2019年3月25日 15時0分

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米国の利上げや見送り&原油在庫の減少で原油は上昇中

 3月18日~22日 原油マーケットレビュー

 前週のNY原油相場は続伸。世界的な需給均衡への期待感から買いが優勢となった。この週から当限に回ったWTI期近5月限は一時60.39ドルまで上昇し、期近ベースとしては約4ヶ月ぶりの高値を付けた。

 需給均衡への期待が高まっている。石油輸出国機構(OPEC)盟主であるサウジアラビアは17日、原油在庫が増加していることについて言及、イランやベネズエラに対する米国の制裁により一部産油国からの供給量が減少しているが、それでもなお原油在庫は増えており、市場均衡を目的とするOPECらの政策(協調減産)が奏功していないとの見解を示した。翌18日に開催されたOPEC加盟国およびロシアを含む非加盟国による合同閣僚監視委員会(JMMC)では、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が、在庫が増え続ける限り減産方針を変更しないと述べた。

 目標は在庫水準を通常レベルに下げることであり、その水準からかけ離れている限りは均衡に向けて誘導するという。そのうえで下期の生産に関しての決定は4月の段階では時期尚早とし、6月25-26日開催予定の定時総会で減産の延長について協議することを決めた。現行の協調減産の期限は6月末までだが、ひとまず期中の見直しはなく、期限いっぱいまで減産が履行されることが明らかとなった。サウジアラビアを筆頭に主要産油国が減産に積極姿勢を示していることが窺え、市場はこれを好感した。

 ベネズエラからの供給が一段と落ち込むとの見方が広がったことにも支援された。政情不安、米国による制裁、それに大停電の影響も重なり、同国の原油供給量は減少傾向の一途をたどっている。同国に対してアゼルバイジャンのエネルギー相は、ベネズエラ国営石油PDVSAとの会合後、ベネズエラの主要輸出先の一つであるインド向けの輸出が一時停止となっていることを明らかにした。米国がインドにベネズエラ産の輸入を停止する用圧力をかけた影響とみられる。これによりベネズエラはロシアや中国向けに輸出している模様。同国からの供給量が停滞するとの警戒が強まった。

 OPECらが目指す需給均衡の妨げとなっているのが米国だが、その米国の原油在庫が大幅に減少したことも買い材料視された。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は増加予想に反して大幅な取り崩しとなった。輸入量が低位推移するなか、この週は輸出量、製油所への投入量が増えたことで、大幅な在庫減となった。また、需要期入りを控えるガソリンの在庫も予想以上に減少、ディスティレート在庫も予想を大幅に上回る減少となった。

 これらを受け、需給緩和感が後退してバランスへと向かうとの見方が強まり、買いが先行する展開となった。米連邦公開市場員会(FOMC)後の米連邦準備理事会(FRB)の声明で、年内利上げ見送りが示唆されたことでドル安となったことも相場上昇の追い風に。直近レンジの上限にあたる58ドルをブレイクすると、その後は踏みを巻き込み、心理的な節目である60ドルを突破、一時60.39ドルまで値位置を切り上げた。

 週末にかけて一旦利食い売りに押されているが、需給面の買い材料が多く、上値追いの展開が続く可能性が高い。上昇基調継続だろう。

今週の予想

  • WTI    やや強め 56.00-61.00ドル
  • BRENT    やや強め 65.00-70.00ドル

(CREEX LLC.)

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