注目のG20を控えてマーケットはもみ合い。米中交渉で株価、ドルはどうなる?

トウシル / 2019年6月25日 17時47分

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注目のG20を控えてマーケットはもみ合い。米中交渉で株価、ドルはどうなる?

今週の予想

週末の米中首脳会談の結果判明まではもみ合い続く 

 今週は、週末の28日(金)~29日(土)の大阪G20(主要20カ国・地域)に合わせた米中首脳会談が米中摩擦の緩和となるのかどうかに注目です。これがはっきりするまでは、先週同様2万1,100~2万1,500円の中での様子見となりそうです。

 週末までの間に、為替と米株は動く可能性があります。

 為替がFRB(米連邦準備制度理事会)の年後半の数回の利下げ思惑から、ドル売り、円買いがさらに進んで、米株が上昇しても、日経平均株価は日米金利差の縮小を嫌気して、下落の場合も考えられます。その場合は日銀の金融緩和策が出てくるため、下値は限定的と言えます。

 問題なのは米中首脳会談がうまくいかなければ、トランプ米大統領は、追加関税第4弾を発動して、日米の株価が下落することですが、現時点の市場の予想は、合意までに至らなくても協議の継続や追加関税の延期であれば、目先は上昇要因になるとの見方のようです。

 日経平均は2万1,500円を前にハネ返されていますが、上を目指すには先週末時点の一目均衡表の雲の上限が2万1,567円で、ここを突破する必要があります。

 現在の悪材料は、一段の円高進行(107円をドルが切ってくること)と中東の地政学的リスクです。

 先週、米軍の無人偵察機がイランで撃墜されたことで、トランプ大統領が一時報復攻撃を承認し、10分後に撤回したニュースが伝わってきました。これをトランプ大統領はディール(取引)の材料に使うつもりでしょうが、考え方が異なっていると思われるイラン指導部に果たして通じるのかどうか分かりません。

 具体的に戦争にならない限り、世界の株式市場は欧州でもECB(欧州中央銀行)総裁が追加の刺激策に含みを持たせていますので、世界的金利低下が相場を支えることになると思われます。

 24日は、今週末の米中首脳会談を控え、様子見から方向感のない値動きが続きました。トランプ大統領がツイッターで、24日にでもイランの追加制裁を科すとしたことで、前場の早い段階では、売り先行となって▲72円の2万1,185円まで下げるものの、その後はプラスに転じ、後場は小幅高のもみ合いが続き、+27円の2万1,285円の小反発で引けました。

(今週の指標)日経平均株価

 今週も引き続き、中東の地政学的リスクに要注意ですが、株式市場は米中首脳会談に注目が集まることになります。米中首脳会談で貿易摩擦の打開策が見出されると、株価は上昇、不発に終われば制裁関税の第4弾が発動され株価は下落の可能性が高いことになります。ただし、下げてもFOMC(米連邦公開市場委員会)が7月の利下げを示唆したところで、下値のサポート要因となります。

 

(今週の指標)NYダウ平均株価

 今週は、先週にFOMCの声明で7月の利下げが実現する可能性が高まり、G20に合わせて行われる米中首脳会談がうまくいけば株価は上昇。逆にうまくいかなければ追加関税第4弾が発動されることになると、株価は下落となる可能性が強まります。中東の地政学的リスクにも注意が必要となります。

 

(今週の指標)ドル/円

 先週末にFRBによる年内数回の利下げの思惑が広がり、FOMCの近々利下げの示唆(7月はほぼ確実)を受けて、21日(金)には、一時1ドル=107.03円までのドル売り、円買いとなりました。さらに長期金利の低下が続けば、ドルの下押しとなり、円高進行で日経平均は一段安の懸念が出てきます。そして今週の注目は、米中首脳会談の結果を受け、二国間の貿易摩擦の進展が期待されると、目先的にはリスク回避のドル売り、円買いが抑制されることになります。

 

先週の結果

週前半軟調となるも、7月の利下げ期待高まり、2万1,500円接近、その後、すぐに反落

 FOMCでの声明文の内容は、7月利下げに向けての地ならしを進めるものとなりました。米中首脳会談は中国側が受け入れ、イランのタンカー船爆破にからむ中東情勢は地政学的リスクが高まりました。このようにプラス材料とマイナス材料が混じり合い、2万1,000~2万1,500円の下限から上限までのもみ合いとなりました。

 日経平均株価の安値は、18日(火)の2万924円、高値は21日(金)の2万1,497円、週の終値は2万1,253円でした。

17日:▲21円の2万1,094円で寄り付き、一時▲72円の2万1,044円まで売られ、その後は+68円の2万1,185円まで上昇し、その後は、この安値と高値の間でもみ合いが続き、終値は+7円の2万1,124円と小幅続伸。FOMCを前に結果を見ないと動けない状況でした。

18日:前日の米国市場は反発したものの、為替が円高、ドル安に振れていることで、先物主導で売り優勢。そして、▲12円の2万1,111円で寄り付くと、売り物に押されていましたが、後場になって上海株式が軟調な展開となると、売り物が増加。▲151円の2万972円と3日ぶりに反落し、2万1,000円を切って引けました。しかし、この日の日本市場の引け後の米国では、トランプ大統領がG20で中国の習近平主席と会うと発言したこと、年後半の利下げ期待(後半2~3回)が高まったこと、さらにECBの追加刺激策の期待から欧州株式の大幅高もあり、NYダウは一時+414ドルまで上昇。終値は+353ドルの2万6,465ドルとなりました。

19日:日経平均は、先日のNYダウを受けて、+250円の2万1,223円で寄り付き、一時+386円の2万1,358円まで上昇し、+361円の2万1,333円と6週間ぶりの高値水準となりました。

20日:前日の米国株式は、FOMCでパウエルFRB議長が近い将来の利下げの可能性を示唆したことを好感し、主要3指標が3日続伸となったことで、日経平均も連動し、+83円の21,417円で寄り付き、後場になるとフシ目の2万1,500円に接近する+159円の2万1,491円まで上昇。終値は+128円の2万1,462円で引けました。

21日:前日の米国市場は、FOMCの利下げ示唆への好感が続き、S&P500は最高値更新、NYダウも最高値へ接近したものの、日本市場は為替が107円台前半まで円高が進んだことで、2万1,500円に接近する2万1,497円まで上昇後、大きな反落となりました。特に後場から一段安となったのは、米軍の無人偵察機がイランで撃墜され、トランプ大統領が一時、報復攻撃を承認。その後、撤回したとニュースで伝わったことが、地政学的リスクを高め、リスク回避の円買いとなり、日本株も売られ▲204円の2万1,258円で引けました。

 21日(金)の米国市場は、朝方は米中首脳会談への期待から、NYダウは一時、昨年の10月3日の終値での最高値2万6,828ドルを上回る2万6,907ドルまで上昇しましたが、終値では▲34ドルの2万6,719ドルと5日ぶりの反落。商務省が新たに中国企業5社の取引制限を行ったことが反落要因となりました。ただし、利下げ期待が下値を支えています。シカゴの日経先物は▲15円の2万1,175円でした。

(出島 昇)

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