配当利回り3%!「シェアリングエコノミー」関連の成長株として期待されるパーク24

トウシル / 2019年9月12日 7時41分

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配当利回り3%!「シェアリングエコノミー」関連の成長株として期待されるパーク24

カーシェアトップ、パーク24に注目、株価低迷が続いている今が「買い場」と判断

「時間貸し駐車場(Times)」および「カーシェア」で国内トップのパーク24(4666)は、シェアリングエコノミー【注】関連の成長株として、高く評価しています。

【注】シェアリングエコノミー
 乗り物、住居、家具、衣服や各種サービスなどを単独で所有せず、多数の人間が共有(シェア)して利用すること、または利用する仕組み。自動車をシェアするカーシェアリング(カーシェア)、住居のシェア(シェアハウス)、自動車の相乗りサービス(ライドシェア)のほか、さまざまな共有サービスが生まれ、グローバルに拡大している。

 ただし、パーク24の株価は、過去4年、低迷が続いています。これには、3つの理由があります。
【1】    国内駐車場事業:利益拡大が続いているが、徐々に成長余地低下
【2】    海外駐車場事業:赤字が継続
【3】    カーシェア事業:先行投資負担もあり、利益の伸びはまだ鈍い

 株価低迷が続いているパーク24は、今が「買い場」と考えています。
 カーシェア事業で高い競争力を有していることが評価でき、今後は、先行投資の効果が実り、カーシェアの利益成長が加速すると予想しています。「シェアリングエコノミー」関連株として、株式市場の注目が高まると考えています。株価低迷が続いたために予想配当利回りは3.0%まで上昇しており、利回りでも評価できます。

過去10年の株価推移:かつて成長株として買われたが過去4年株価は低迷

 パーク24の過去10年の株価推移を簡単に説明します。

パーク24 株価推移:2010年1月~2019年9月(11日)

注:楽天証券経済研究所が作成

【1】2010~13年
 国内の駐車場事業の拡大で、最高益の更新が続きました。それを好感して株価の上昇が続きました。カーシェアに参入(2009年)していましたが、先行投資負担が重く、赤字が続いていました。

【2】2014年
 消費税引き上げ(2014年4月)の影響で、2014年10月期が減益となったことを嫌気して、株価が下落。消費税引き上げ後に、時間貸し駐車場の利用が減少。

【3】2015年
 消費増税の影響は一巡。カーシェア事業の利益成長への期待が高まり、株価が大きく上昇。2009年度に開始したカーシェア事業は、先行投資負担が重く、赤字が続いていました。2014年10月期にカーシェア事業の営業損益が始めて1,600万円の単年度黒字に転換しました。2015年以降、カーシェア事業の利益拡大が加速する期待が広がりました。

【4】2016~19年
 カーシェア事業の利益は拡大しているものの、先行投資負担は重く、利益の伸びは投資家の期待を下回っています。国内の駐車場事業は、利益がまだ伸びていますが、徐々に成長余地は小さくなっています。また、海外駐車場事業で赤字が拡大していることも、嫌気されています。それに加え、2019年10月に消費増税があることが懸念材料となっています。2014年度のように、増税後に駐車場利用が低迷するリスクが意識されています。

パーク24:過去10年の業績推移:2009年10月期(実績)~2019年10月期(会社予想)

出所:同社決算資料より作成

駐車場経営で成長してきたパーク24、カーシェアリングを第2の成長の柱に位置づけ

 改めて、パーク24の業務内容について説明します。パーク24は、24時間無人の時間貸し駐車場「タイムズ(Times)」を運営する、国内の駐車場運営トップ企業です。都市の隙間に存在する遊休地のオーナーから土地を借り受け、「タイムズ」を運営して収入を得ています。

 時間貸し駐車場は、過去20年で全国の都市部に広がり、駐車場不足の解消に大いに貢献しました。かつて、商業地域・駅前などでは、駐車場不足が深刻でした。ただ、そうした都市部には、開発するには中途半端な狭い遊休地が多数残っていました。パーク24は、そうした遊休地のオーナーから土地を借り受け、こつこつと駐車場ビジネスを拡大してきました。相続でオーナーが変わる時や再開発にひっかかった時などに解約されますが、それを上回る新規契約を取ってきました。商業施設の大規模駐車場の管理受託などにも手を広げ、成長を続けてきました。

 ただし、近年、駐車場ビジネスには参入企業が増え、競争激化。それにより、国内での成長余地はだんだん小さくなってきました。そこで、パーク24は、新たな成長ビジネスとして、「カーシェアリング」を始めました。カーシェアでも、現在、日本でトップ企業となっています。

【参考】カーシェアリングとは
 自動車(カー)を共同利用(シェア)する仕組み。欧米で普及し、日本にも広まりつつある。日本国内でトップが、パーク24が運営する「タイムズ・カー・プラス」です。全国に1万2,321の車両ステーションを有し、2万5,899台の車両を保有、125万5千名の会員を有します(2019年7月時点)。競合大手に、オリックスカーシェア、カレコ(careco)などがあります。

 カーシェアのメリットは、「安」「近」「短」といわれます。近所にカーシェア用の自動車を設置したステーション(駐車場)があることが前提ですが、安価な利用料金で、自宅近くから、近距離・短時間のドライブにも利用できます。

 カーシェアの会員になると、スマホで申し込み、簡単に自動車を借りることができます。ネット予約してカーシェア用の車両を置いてある駐車場に行き、会員証をかざすだけで、簡単に開錠できます。旅先で、駅前からカーシェアを利用することも可能です。

 利用料金は、15分で206円(ガソリン代・保険料込み)からとなっています(2019年9月時点、10月の消費増税後は料金改定が予定されている)。自動車を保有するコスト(車両購入、車検、駐車場、保険、税金など)がかからないので、割安な利用方法です。

   レンタカーと比較すると、利用手続きが簡単で、短時間・短距離の利用にも使えることが評価されています。ただし、利用者の多い地域では、土日祝日には、ほとんどカーシェアの車が空いていない(他の会員に使われている)という問題が起こることもあります。
 パーク24は、レンタカー事業とカーシェア事業を両方とも行っています。

パーク24は、株式市場でどう評価されてきたか

 パーク24は、かつて株式市場で「成長株」として高く評価されていました。駐車場ビジネスが成長ドライバーでした。ただし、駐車場ビジネスの成長率が低下するにつれて、株価の上値は重くなりました。

  近年は、新たに始めたカーシェアが、新たな成長の柱として注目されています。ただし、カーシェア事業は先行投資負担(ステーション整備、車両購入など)が重いので、これまでは利益の伸びが投資家の期待を下回っていました。さらに、新規に始めた海外駐車場事業の赤字が拡大していることが、利益の伸びを抑えています。

  短期的には、さらに不安材料が残っています。10月に消費増税があることです。2014年度の消費増税後に、駐車場利用が一時的に落ち込んだ経験があるため、増税後の10~12月の業績には注意が必要です。

 一連の不安材料と、近年の業績の伸びが鈍いことから、過去4年、株価は低迷し、成長株としての期待は低下しているのが、現状です。

  ただし、国内のカーシェア事業だけ見ると、きわめて順調です。先行投資の成果で、収益拡大が続き、拠点数の多さから国内で圧倒的に高い競争力を有します。
 いずれ再び増益率が高まる際には、シェアリングエコノミー関連の成長株として、株式市場の評価が高まると予想しています。

日本には、シェアリングエコノミー関連の成長株がまだ少ない

 日本でも世界でも、シェアリングエコノミーが、株式市場の成長テーマとして注目されるようになりました。民泊、シェアハウス、カーシェア、ライドシェア、自転車シェアリングなど、さまざまな財やサービスを複数の人間で共用するサービスが、日本および世界に広まりつつあります。ネットなどを活用し、不特定の貸し手・借り手を仲介するサービスが、急成長しています。

  日本でも、海外でも、シェアリングエコノミー関連株を探して買っていこうとする動きがあります。ただし、海外とは異なり、日本にはまだこのテーマで注目される高成長株があまりありません。パーク24は、近年利益の伸びが鈍く、人気が離散していますが、日本のカーシェアのトップ企業であり、日本でカーシェアがさらに幅広く認知されるようになれば、テーマ株として買われる可能性があると考えています。

元祖シェアリングエコノミー「リース業」に最高益更新多い

 リース・レンタル業は、早い時代から、さまざまな物を共同利用(シェア)する仕組みを作っていたと言えます。リース業には、地味ながら最高益を更新する企業が多数あります。

 カーシェアリング第2位で、レンタカー大手のオリックス(8591)にも注目しています。カーシェアおよびレンタカー事業の拡大が期待できます。ただし、オリックスは、ノンバンクの複合経営企業で、自動車事業はたくさんある事業の中のひとつに過ぎません。リース事業が安定収益の核となっています。オリックスの投資魅力は、予想配当利回りの高さ(4.7%:9月11日市場予想)と、海外事業の成長期待です。

 地味な成長企業として、東京センチュリー(8439)にも注目しています。みずほFG系のリース会社で伊藤忠とも連携しています。成長分野と位置づけるスペシャルティ事業、国内自動車リース、国際事業で収益拡大が期待されます。今期(2020年3月期)経常利益は会社予想ベースで3.1%増の890億円を見込みます。小幅増益ながら、11期連続の最高益となる見込みです。

 リコーリース(8566)三菱UFJリース(8593)も小幅に最高益更新を続けています。

 

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(窪田 真之)

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