利下げしたのに?トルコリラとユーロが大反発!米は来週利下げへ
トウシル / 2019年9月13日 9時54分
利下げしたのに?トルコリラとユーロが大反発!米は来週利下げへ
本日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは109.01円
↓下値メドは107.01円
今朝の天気マークは「晴れ」
※天気の判定基準は記事末尾にあります
ECB(欧州中央銀行)という大イベントが終了して、いよいよ来週はFOMC(米連邦公開市場委員会)。市場参加者10人のうち9人が、FRBは利下げすると考えています。昨日のトルコリラ/円、ユーロ/円、ドル/円の動きについては「今日の注目通貨」をご覧ください。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は先週行った講演で、米経済について慎重ながらも楽観的な見通しを示しました。労働市場は強く、2019年のGDP(国内総生産)は2.0%から2.5%に拡大すると予想しています。「米経済は良好、なのに利下げ」するのはなぜでしょうか。
「消費部門は強いが、製造業部門は弱っている。世界景気は後退するなかで通商問題の不透明感はさらに増し、企業投資が慎重。そしてインフレ率は低い」というのがパウエル議長の経済評価です。ただ、パウエルFRB議長は、米経済のリセッション(景気後退)は予想していません。ここは重要なところです。
FRBが利下げするのは、インフレ期待をこれ以上後退させない予防的な行動ということです。(不況になったからではなく)景気を長期間持続させるために、「持てるツール全てを使って支援する」わけです。来週の利下げが、中期的な調整にすぎないのか、それとも本格的な利下げサイクルを意味するのか、この点を見極めることも大切です。
毎ヨミ!FXトップニュース
12日ドル/円のNY市場の終値は108.09円
11日の終値に比べ0.24円のドル高/円安だったので、今朝の天気マークは「晴れ」です。
今日の格言:
「資金が余裕しゃくしゃくでないといかん。余裕がないと、度胸がつかん」 - 石田禮助(出典「粗にして野だが卑ではない」城山三郎著)
各国・各通貨トピックス
ドル:
トランプ大統領「FRBは政策金利をゼロ以下に引き下げる必要がある」、「(米国は)ゼロ金利で期間を大幅に長期化して債務の借り換えをする」
FOMCメンバーはブラックアウト期間。関係者の金融政策に関する発言は禁止
ボルトン大統領補佐官解任で、北朝鮮とイランの外交戦略は転換か
ユーロ:
ECB声明「中銀預金金利を▲0.5%に引き下げ」、「量的緩和再開を11月1日から、月額200億ユーロ実施」、「段階的金利を導入」
ドラギ総裁「顕著な下振れリスク」、「量的緩和をかなりの長期間にわたり継続」、「ECBは為替相場を目標にしていない」
中国人民元:
香港の行政長官、米国に対し介入しないよう警告
人民元の公示レート、7.09ドルが警戒ラインか
中国の習国家主席がトランプ大統領を名指しで批判「信じることできない」
その他:
イスラエル首相、ヨルダン渓谷併合を選挙公約に
マイクロソフトが開発した麻雀AI、人間の最高位に匹敵する実力
フランスの熱波で気温45.9度、1435人死亡。仏のエアコン普及率5%
主要指標終値
本日の注目通貨
トルコリラ/円:大幅利下げ、しかし急反発
トルコ中央銀行はこの日(12日)、政策金利を19.75%から325bp 引き下げ16.50%に設定しました。市場予想の17.25%を大きく上回る利下げ幅でしたが、トルコリラは逆に急反発。トルコリラ/円は18.63円を安値に19.07円まで急上昇しています。トルコリラ/円が19円台にのせたのは8月19日以来のこと。
エルドアン大統領の政治圧力にもかかわらず利下げ幅が400bp未満だったことが評価された、といわれています。果たしてそうでしょうか。リスクオフのマーケットならばトルコリラは急落していたかもしれません。トルコ中央銀行の政策が良かったからではなく、センチメントが「リスクオン」に切り替わったことが理由だと思います。リスクオンでマーケットがトルコリラを買うタイミングを待っていたようです。これは、ECB会合後のユーロにもあてはまります。
ユーロ/円:ECB利下げ、ユーロは急反発
ECBはこの日の会合で、積極的な緩和政策を打ち出しました。政策金利を0.00%に据え置く一方でデポ(預金)金利を▲0.4%から▲0.50%に引き下げ。さらに月額200億ユーロ規模の量的緩和を再開しました。フォワードガイダンスも変更して、ECBの緩和政策の終了時期を区切らずインフレ見通しが満足のいく水準になるまで(永遠に)続けると、ハト派色を強めました。
ユーロ/円は直後に117.56円まで急落しましたが、その後119.82円まで大きく反発。ユーロ/円は2017年4月以来2年4ヵ月ぶりの安値圏に位置しているので、イベント終了を待って買いが入っている模様。マーケットのセンチメントがリスクオンに切り替わっていることも、ユーロを買いやすくしています。
ユーロ/円が7月につけた高値123.35円と115.87円の50%は119.60円。このレベルが短期的なブルベアの分岐点です。このレベルで値固めをしてさらに上を目指すなら、次は8月高値120.70円、その次は7月高値123.35円がターゲット。なお、今年の高値と安値の50%は121.69円。サイドは117.50円、その下は116.55円(8月安値)、115.87円。
ドル/円:108円台、買い強い
ドル/円は、海外時間に一時107.52円まで下げたものの、売りをこなして108円台で終了。すでに107円台前半で買い場になっているようで、この水準から106円前半にかけて押し目買いが並んでいる模様。次のターゲットは108.20円で、今年の高値と安値の半値に相当するレベル。その上は109円。このドル高/円安相場はいつまで続くか。米中貿易交渉次第、ということもありますが、来週のFOMCが区切りでいったん見直しかもしれません。
トレード前に必ずチェック!今日発表の重要指標!
13日:ユーロ圏貿易収支、 米小売売上高、ミシガン大学消費者態度指数など
◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。
(荒地 潤)
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