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立ちはだかる「2万2,000円の壁」。日経平均が壁を越えるのはいつ?

トウシル / 2019年9月30日 7時29分

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立ちはだかる「2万2,000円の壁」。日経平均が壁を越えるのはいつ?

日経平均2万2,000円で小休止?

 先週の日経平均株価は、1週間で201円下がり、2万1,878円となりました。戻り売りの出やすい2万2,000~3,000円のゾーンを前にして、いったん小反落となりました。  日経平均で2万2,000~3,000円の価格帯は、2018年の膠着相場で長く滞留したところです。戻り売りの出やすいゾーンなので、米中協議進展で大きな強材料が出ない限り、一気に上抜けるのは難しいと思います。したがって、目先、日経平均は2万2,000円の値固めとなると考えています。

日経平均株価の動き:2017年12月末~2019年9月27日 週足

出所:楽天証券経済研究所が作成

トランプ大統領の焦りが、対中国協議での融和姿勢につながる?

 9月に入ってから、世界的に株高が進み、日経平均もその流れで大きく上昇しています。9月から「リスクオンの秋」が始まっている感があります。「リスクオン」の流れを生んでいる要因は2つあります。

【1】トランプ大統領が対中国でやや融和姿勢に転じてきている可能性があること  

 中国との交渉で、トランプ米大統領は「突然、強硬姿勢になる」「突然、融和姿勢になる」を何度も繰り返しています。これからも、突然、強硬になるリスクもまだ残っています。それでも、金融市場は「トランプ大統領が対中国で一時的に休戦したがっている」と解釈して動いています。9月はその期待で、世界的に株高が広がり、為替市場で「リスクオンの円安」が進んでいます。米中が一時的に休戦すれば、世界経済に大きなプラス効果となりますが、それを先取りする動きになっています。

 トランプ大統領は2020年に大統領選を控えていますが、支持率低迷にやや焦りを感じている可能性があります。野党・民主党で、富裕層課税などを主張するウォーレン氏(女性)の支持率が上昇、「女性初の大統領候補」として民衆の熱い支持を受け始めていることも、トランプ大統領に逆風です。

 さらに、先週24日、米野党・民主党がウクライナ疑惑【注】をめぐって、トランプ大統領の弾劾に関する調査を正式に開始すると表明したことも、トランプ大統領の焦りにつながっています。実際に弾劾が行われる可能性は現時点で高いとは考えられません。それでも、弾劾の議論が広がること自体が、大統領選にトランプ陣営に不利に働く可能性があります。

【注】ウクライナ疑惑:トランプ大統領が7月、ウクライナのゼレンスキー大統領に対して、野党・民主党のバイデン前副大統領の息子に関する調査を要求したとされる疑惑。バイデン氏は2020年の大統領選をトランプ大統領と争う可能性のある有力候補の1人。事実とすると、トランプ大統領が外国政府の力を借りて、2020年の大統領選挙を有利に進めようとした可能性もある。トランプ大統領には、ロシア疑惑(2016年の大統領選で、ロシアの協力を得て、自身の選挙戦を有利にしようとした疑惑)もある。

【2】2020年にかけて世界景気が回復する可能性も。半導体産業が再びブームに向かう可能性が出てきた  

 米中貿易戦争が一時休戦となれば、米中対立によって人為的に押さえ込まれているハイテク投資(5G・半導体などへの投資)が盛り上がり、2020年にかけて世界景気が回復に向かう期待も出ています。現在、半導体不況の最中ですが、半導体の在庫調整が進む中で需要拡大が続いているため、2020年にブーム復活の可能性も出ています。

トランプ大統領の発言に振り回されてきた株式市場   

 過去2年、世界の株式市場は、トランプ・ショックに何度も見舞われてきました。トランプ大統領が対中制裁強化を発表すると、米中対立がエスカレートして世界景気を悪化させる不安から、世界的に株が下がりました。トランプ大統領が中国に融和的な発言をすると、不安が緩和し、世界的に株が上がりました。

 日経平均も、トランプ発言に振り回され続けています。

日経平均株価の動き:2017年12月末~2019年9月27日 週足

 出所:楽天証券経済研究所が作成

 上は、過去2年の日経平均の動きを表しています。この期間、トランプ・ショックによる急落局面が5回ありました。世界景気は、2018年は好調でしたが、トランプ・ショックと並び、米金利上昇が、世界的な株の押し材料となっていました。 ところが、2018年末から2019年にかけて世界的に景気が悪化しつつあります。そこからは、トランプ・ショックと並び、世界景気悪化の不安が、世界的な株の下押し材料となっていました。日経平均は、これらの材料に反応して、動いてきました。

 

目先、日経平均は2万2,000円の値固めへ、日本株は「買い場」の見方変わらず

 最終的な結論は、毎回述べていることと、同じです。日本株は買収価値や配当利回りから見て「割安」と判断しています。不安があって株価が安くなっている局面で、日本株を積極的に買っていくことが、長期的な資産形成に貢献すると考えています。 私は、トランプ大統領がこれ以上、米中対立をエスカレートさせなければ、2020年4月ころから世界景気は回復に向かうというメインシナリオを想定しています。その実現確率が少しずつ高まってきていると考えています。2018年末、日経平均は2万3,000円~2万5,000円まで上昇するとの予想を維持します。2万2,000円の壁を、10月中にも上抜けする可能性があると考えています。

 

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(窪田 真之)

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