マイホームを買うなら今?「住宅取得等資金贈与」を要チェック!

トウシル / 2019年10月11日 5時10分

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マイホームを買うなら今?「住宅取得等資金贈与」を要チェック!

 10月に入り、消費税率が8%から10%へ引き上げられました。家計にじわりと響く出費。しかし、消費税増税前より圧倒的に有利になる税務上の特例があります。ご存知でしょうか。

消費税の増税前より圧倒的に有利な贈与税の特例があった!

 消費税の税率がこの10月より10%に引き上げられました。筆者もレシートを見ながら、増税を少しずつ肌で感じているところですが、皆さんはどうでしょうか?

 キャッシュレスで買い物した場合のポイント還元をうまく使えば、逆に増税前よりも安く買うことができます。ただ、全てのお店で使えるわけではないので、個人的には効果は限定的なものにとどまると感じます。

 そんな中、実は消費税の増税前より、増税後の今の方が圧倒的に有利となる、贈与税の特例があることをご存知でしたか? 今回はそちらをご紹介したいと思います。

住宅取得等資金贈与の特例とは?

 贈与税は、相続税逃れの生前贈与を防止するためのものなので、かなり高い税率が課せられています。しかし、政策的な観点から、いくつかの特例があります。その1つが、「住宅取得等資金贈与の特例」です。

 これは、直系尊属(父母、祖父母など)から住宅を取得するための資金として贈与を受けた場合、一定の金額まで贈与税を課税せず非課税とする、というものです。

 住宅の購入、取得により、それに関わる業種・業者の皆さんが潤い、内需拡大につながるという効果が期待できます。一方で、特に都心部においては住宅価格が高騰しており、若い世代が自分たちの力だけで住宅を購入するのはかなり困難な状況です。

 そのため、父母や祖父母から資金援助を受けて住宅取得しやすくすることで景気拡大の効果が期待できることから、贈与税の特例として、非課税の規定が設けられているのです。

増税前よりどのくらい有利になったのか?

 消費税が増税される前の非課税額は以下のとおりでした。

・省エネ等住宅の場合:1,200万円
・それ以外(一般)の場合:700万円

 この非課税額に、基礎控除110万円も使えますので、一般の住宅の場合は700万円+110万円=810万円となります。

 これが、消費税が増税された今年10月から、来年(令和2年)3月31日までは、次のように非課税額が増額されるのです。

・省エネ等住宅の場合:3,000万円
・それ以外(一般)の場合:2,500万円

 なんと、増税前よりも非課税額が1,800万円も増額されているのです。
一般の住宅の場合、基礎控除110万円も加えれば、2,610万円まで贈与税非課税で財産を子や孫に贈与することができるのです。

大盤振る舞いの期間は、半年間

 もし、消費税増税前に住宅取得等資金として2,610万円を贈与したとすると、非課税額は810万円だけですので、残りの1,800万円に対し、545万円もの贈与税がかかってしまいます。これが、今年10月からはゼロとなるのです。

 ただし、この大盤振る舞いは来年(令和2年)3月31日までです。その後は以下のように非課税額が大幅に縮小されます。

◯令和2年4月1日~令和3年3月31日
・省エネ等住宅の場合:1,500万円
・それ以外(一般)の場合:1,000万円

◯令和3年4月1日~令和3年12月31日
・省エネ等住宅の場合:1,200万円
・それ以外(一般)の場合:700万円

 これを見ると、いかに今年10月~来年3月までの半年間だけが大幅に優遇されているのかが分かるのではないでしょうか。

 なお、相続時精算課税の制度を併用すれば、さらに2,500万円までは贈与税が課税されずに贈与できます。ただ、これは将来相続が生じた時に相続財産に加算されますので、安易な使用は筆者としてはお勧めしません。

適用を受けるための要件は?

 この特例を受けるためには、いくつかの要件があります。抜粋すると以下のようなものですが、これ以外にも要件がありますので、事前に税理士や税務署などに相談することをお勧めします。

・直系尊属から、住宅を取得するための金銭の贈与を受けること(住宅ローンの返済に充てるのはNG)
・土地だけの先行取得は認められず、家屋の取得、もしくは家屋と土地の同時取得が必要
・受贈者(贈与を受ける人)が贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
・受贈者が贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること
・取得する家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下であること
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得し居住すること
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与税の確定申告書を提出すること(期限内に確定申告をしなければ特例は受けられません)

 子や孫が2人以上いる場合、特定の1人だけに多額の住宅取得等資金贈与を行うと、他の子・孫との不公平感が生じ、相続が起きた際にトラブルの原因となりかねません。

 可能であれば全ての子・孫に平等に贈与する遺言書を、住宅取得等資金贈与を行った子とそうでない子の差を考慮した内容にするなどの対処を取っておいたほうがよいでしょう。

 もし近々、親や祖父母の援助を受けてマイホームを買おうという予定、子や孫にマイホーム取得の援助をしようという予定がある場合、良い物件を見つけたら来年の3月までの取得を考えてみてはいかがでしょうか。

(足立 武志)

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