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10万円以下で買える日本株!楽天DI 2019年9月

トウシル / 2019年10月11日 10時48分

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10万円以下で買える日本株!楽天DI 2019年9月

はじめに

 今回のアンケート調査は、9月30日(月)~10月2日(水)の期間で行われました。

 2019年9月末の日経平均株価は2万1,755円で取引を終えました。前月末の終値(2万704円)からは1,051円高となり、前月の下げ幅(817円)を上回って株価水準を回復させた格好です。

 改めて9月相場を振り返ると、月初からの数日間は様子見だったものの、その後は右肩上がりの基調を描いていきました。こうした株価上昇の背景には、米中摩擦の改善期待の高まりに加えて、各国中銀の金融緩和姿勢や景気対策への期待、日本株の相対的な割安感や出遅れ感などが挙げられます。また、もみ合い相場が続いた前月の鬱憤(うっぷん)の蓄積や、9月のメジャーSQ(特別清算指数)を控えた需給的な思惑も巻き込んで、さらに上昇の勢いに弾みがついた印象です。

 月末にかけては、株高のピッチが速かったこともあり、さすがに売りに押されて伸び悩んだものの、日経平均が5月以来となる2万2,000円台に乗せ、TOPIX(東証株価指数)も取引時間ベースでの年初来高値を更新するなど、全体的な相場地合いは堅調さを維持したと言えます。

 今回のアンケートは4,870名を超える方からの回答を頂きました。

 株式・為替の見通しDIは、相場環境の好転を受けて、前回の調査からともに改善する結果となりましたが、まだまだ強気に傾いたとは言い切れず、先行きの不透明感に対する不安が根強く残っている印象となっています。

 次回も是非、本アンケートにご協力お願いいたします。

日経平均の見通し

DI改善も相場の視界は晴れず

楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト 土信田 雅之

 今回調査における日経平均の見通しDIの結果は、1カ月先が▲21.14、3カ月先は▲9.20となりました。

 前回調査の結果がそれぞれ▲49.39、▲27.44だったので、大きく改善してはいるものの、DIの値自体はマイナスが続いています。

 今回の1カ月先DIの値(▲21.14)は、2カ月前の7月調査の値(▲22.35)とあまり変わっていない他、3カ月先DIの連続マイナス記録も12カ月に伸ばし、1年間ずっとマイナスで推移してきたことになります。

 回答の内訳グラフを見ても、1カ月先・3カ月先ともに前回調査より弱気派が減少する一方で強気派がわずかに増加していますが、減少した弱気派の多くは中立派に流れており、弱気派と中立派の両者がグラフの大部分を占めているという状況に変わりはありません。

出所:楽天DIデータより楽天証券経済研究所作成

 

出所:楽天DIデータより楽天証券経済研究所作成

 もっとも、今回のアンケート実施期間(9月30日~10月2日)の日経平均が2万2,000円台を割り込んでいたことが結果に影響している面も考慮する必要はありますが、個人投資家のマインドはまだ慎重であることがうかがえます。

 そもそも、アンケート期間の国内外の株式相場が軟調地合いだったのは、米国の景況感に対する警戒感が高まったことがきっかけです。

 具体的には、10月1日に米国で発表された9月における製造業部門のISM景況感指数が10年3カ月ぶりの低水準だった他、その後に発表された非製造業部門の景況感指数もさえない結果となり、米株市場が下げ幅を拡大させる場面がありました。

 実は、前月も製造業部門の同指数が悪化していたのですが、その後の非製造業部門が堅調な結果となり、株式市場が持ち直したという経緯がありました。「米中摩擦の影響で製造業部門が悪いのは織り込み済みで、サービス業などの非製造業部門はしっかりしているから米国景気はまだ大丈夫」というわけですが、それが今回の非製造業部門が悪化してしまったことで、これまでの見方に変化が生じる可能性が出てきました。

 さらに、これまでは経済指標がある程度良くない方が金融緩和や経済政策期待につながり、株価が上昇することが多くありましたが、最近の株式市場は指標の悪化に対して素直に下落で反応することが増えてきている印象です。間もなく、国内外の企業決算シーズンを迎えますが、「FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げで景気が支えられるか?」という見方についても留意しておく必要がありそうです。

 また、10月10日~11日にかけては米中閣僚級の協議が行われる予定です。米中関係に何か進展があれば、景気や企業業績悪化の底打ち感につながるため、積極的に上値を追っていく展開が想定される一方、進展が見られず、反対に関係悪化となった場合には失望感で下落のきっかけにもなり得ます。

 米中摩擦が単なる通商問題だけでなく、ハイテク分野での覇権争いなど論点が多岐にわたっていることを改めて意識させたのが、ファーウェイ(華為技術)の副会長が2018年12月頭にカナダで逮捕されたことでした。この時の日経平均の高値は12月3日の2万2,698円でしたが、この後12月26日の安値(1万8,948円)まで株価が下落していきました。

 2019年相場も残り3カ月を切り、これまでの株式市場は米中摩擦に対する「期待と不安のサイクル」で上げ下げを繰り返してきましたが、日経平均は2018年12月の1カ月間に見せた値幅の範囲内で推移してきたことになります。年末相場に向けて新たな相場局面入りを迎えるためには2018年12月の値幅を脱することが必要になり、上値である2万2,698円を超えられるかが、10月の焦点になりそうです。

今月の質問「10万円以下で買える日本株!」

楽天証券経済研究所 根岸 美知代

 投資をしようと思ったとき、いくら必要なのかというのが気になります。

 今回は「10万円以下で買える株!」について、ご意見を伺いました。

今月の質問1:10万円以下で日本株を買ったことはありますか。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

「10万円以下で買える株」を買ったことが「ある」が75.2%もありました。「10万円以下の株」がとても人気のあることが分かります。

今月の質問2:10万円以下で日本株を買うとしたら、何で選びますか。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

「キャピタルゲイン(売買差益)」を目的に買う方が32.9%と一番多かったものの、「配当利回り」29.4%、「株主優待」28.0%と大きな差はなく、「配当利回り」「株主優待」も人気のあることが分かりました。「特にない」は7.2%、「その他」の2.4%の方は、「成長性」「業績」「チャート」「貸株金利」「出来高」などで選んでいるとのことでした。

 以前(2018年12月)、楽天DI:日本株を買う一番の目的を教えてくださいと伺ったときは、「値上がり益」44.7%、「配当金」21.1%、「優待」15.4%、「その企業が好きだから応援したい」10.1%という結果になっています。

今月の質問3:おすすめの10万円以下の日本株銘柄名があれば、一つだけ教えてください。

順位 銘柄コード 銘柄名 投票数 10月9日終値
1 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 168 531.6
2 8411 みずほフィナンシャルグループ 96 161.5
3 9831 ヤマダ電機 84 505
4 2768 双日 82 323
5 7201 日産自動車 81 653.5
6 4689 Zホールディングス 68 316
7 4188 三菱ケミカルホールディングス 63 761.3
8 8002 丸紅 39 711.2
9 2930 北の達人 30 757
10 8410 セブン銀行 25 297
11 4563 アンジェス 19 661
11 9424 日本通信 19 195
13 7238 曙ブレーキ工業 18 228
14 4005 住友化学 17 491
15 6752 パナソニック 16 869.3
16 3402 東レ 15 810
17 5020 JXTG HLDG 14 484
18 1893 五洋建設 13 584
18 3672 オルトプラス 13 786
20 6628 オンキヨー 12 39
注:皆様のおすすめ銘柄20位までを表示。株価は2019年10月9日終値時点のもの
出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 

 

 この他、500近いたくさんの銘柄をいただきましたが、ご紹介は20位までとなります。おすすめ銘柄を教えていただきまして、ありがとうございました。

 また、コメント欄には「逆に教えていただきたい」「おすすめがあれば教えてください」というご意見もありました。是非、皆様が挙げた銘柄を参考にしてみてください。

 今回もたくさんのご意見をありがとうございました。

為替DI:5カ月連続で円高見通し

楽天証券FXディーリング部 荒地 潤

 楽天DIとは、ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円それぞれの、今後1カ月の相場見通しを指数化したものです。DIがプラスのときは「円の先安」見通し、マイナスのときは「円の先高」見通しを意味します。プラス幅(マイナス幅)が大きいほど、円安(円高)見通しが強まっていることを示しています。

図:DIの推移:2018年10月~2019年9月

出所:楽天証券経済研究所作成

ドル/円

出所:楽天証券経済研究所作成

「10月のドル/円は円安、円高のどちらへ動くと思いますか?」という楽天DIのアンケートに対して、全体(4,878人)の39%(1,894人)が「円高に動く」と回答しました。「円安に動く」は最も少ない25%(1,231人)で、それ以外の36%(1,753名)は「現在の108円前後で推移する」と回答しています。

 前回8月のDIは、2008年10月のリーマン・ショック以来となる▲46.06までマイナスに振れ、過去11年間で円高見通しが最も強まりました。

 9月のドル/円の終値は106.08円。8月終値に比べて2.74円のドル高/円安でした。月間レンジ(値幅)は2.74円。8月(4.86円)に比べて静かな相場でした。

 9月の安値は105.74円(9月3日)、高値は108.48円(9月18日)。高値と安値の50%は107.11円。ドル/円は105円台後半の安値圏からスタートして、月の半ばに108円台で高値をつけた後、下落。ほぼ50%の水準まで戻ってきたことになります。

10月のドル/円相場は、ドル高(円安)、ドル安(円高)のどちらへ行くか?

 まず注目したいのは、先月の高値と安値の50%にあたる107.11円です。この水準を基準にドル高、ドル安を判断します。

 ドル/円が107円台をしっかり維持できるなら、その一段上、9月高値の108.48円を目指して上昇する余地が生まれます。その次は8月高値の109.31円。

 逆に106円台に沈没して浮き上がれないなら、105.74円下抜けのリスクが点灯。その次は8月安値の104.45円。年初来安値更新の可能性も高まります。

ユーロ/円

出所:楽天証券経済研究所作成

 9月のユーロ/円の終値は117.80円。8月終値に比べて0.98円のユーロ高/円安でした。

 9月の安値は115.87円(9月3日)、高値は120.01円(9月13日)。高値と安値の50%は117.94円。

 9月の月間レンジ(値幅)は4.14円で、8月(4.15円)と同程度の値動きがありました。

10月のユーロ/円相場は、ユーロ高(円安)、ユーロ安(円高)のどちらへ行くか?

 10月のユーロ/円相場を考える時にまず注目したいのは、先月の高値と安値の50%にあたる117.94円。この水準をユーロ高(円安)/ユーロ安(円高)の分かれ目と考えます。

 おおよそ118円より下(ユーロ安)にいる限りは、ユーロ安/円高トレンド続行中と考えます。下のターゲットは9月につけた安値で年初来安値でもある115.87円。その下は2017年の安値となる114.82円になります。

 ユーロ/円が118円まで戻ってくるなら、ユーロ安のリスクが少し和らぎ9月の高値120.01円にチャレンジする可能性もでてきます。その上は120.70円がターゲット。

豪ドル/円

出所:楽天証券経済研究所作成

 9月の豪ドル/円の終値は72.95円。8月終値に比べて1.35円の豪ドル高/円安でした。

 9月の安値は71.08円(9月3日)、高値は74.50円(9月13日)。高値と安値の50%は72.79円。9月の月間レンジ(値幅)は3.42円でした(8月は4.92円)。

 

10月の豪ドル/円相場は、豪ドル高(円安)、豪ドル安(円高)のどちらへ行くか?

 10月の豪ドル/円相場を考えるときに最初に注目したいのは、9月の高値と安値の50%にあたる72.79円。この水準を豪ドル高(円安)/豪ドル安(円高)の分かれ目と考えます。

 72.79円から73円より下(豪ドル安)にある限りは、豪ドル安/円高トレンド続行中と考えます。下のターゲットは9月安値の71.08円。その下は年初来安値69.94円。

 逆に豪ドル/円が73円を超えるような相場に変わるなら、74.50円から75.00円の抵抗ゾーンをチャレンジする可能性が高まります。

今後、投資してみたい金融商品・国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲

 今回は、設問「今後、投資してみたい金融商品」と「今後、投資してみたい国(地域)」における、各選択肢の前月比に注目しました。

 以下のグラフは、前月比プラスだった選択肢一つにつき1ポイント、“特になし”が前月比マイナスだった場合1ポイントとして、各月のポイントを積み上げたものです(最大13ポイント)。

図:「今後、投資してみたい金融商品」における前月比プラスとなった選択肢の数

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成
注:設問「今後、投資してみたい金融商品」の選択肢は次の13個です。国内株式、外国株式、投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、国内債券、海外債券、FX(外国為替証拠金取引)、金、原油、その他の商品(コモディティ)、カバードワラント、特になし(2019年9月時点)

図:「今後、投資してみたい国(地域)」における前月比プラスとなった選択肢の数

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成
注:設問「今後、投資してみたい国(地域)」の選択肢は次の13個です。日本、アメリカ、ユーロ圏、オセアニア、中国、ブラジル、ロシア、インド、東南アジア、中南米(ブラジル除く)、東欧、アフリカ、特になし(2019年9月時点)

 2019年9月の調査で、2008年10月の調査開始以来初めて、両設問の全ての選択肢で前月比プラス(“特になし”はマイナス)になりました。全ての選択肢で、前月に比べて投資に対して前向きな回答が得られたと言えます。

 例えば、これまでの傾向として、アメリカが投資先として有望だと思う人の割合が大きいときは、日本の割合が小さくなったり、国内株式に投資をしてみたいと思う人の割合が小さいときは、金(ゴールド)に投資をしてみたいと思う人が大きくなったりする傾向がありました。

 しかし、2019年9月については(8月の調査結果が芳しくなかったことは否めませんが)投資家の皆様はどの金融商品、どの国(地域)に対しても一様に、前月に比べてポジティブな姿勢を示したと言えます。

 米中貿易戦争の激化、米欧の貿易問題の顕在化、中東や香港の情勢悪化など、懸案事項は絶えず存在するものの、徐々にですが、投資熱が高まってきていると感じます。

 引き続き、設問「今後、投資してみたい金融商品」および「今後、投資してみたい国(地域)」における前月比に注目していきたいと思います。

表:今後、投資してみたい金融商品2019年9月調査時点(複数回答)

投資対象 割合 前回比
国内株式 63.04% +4.21%
外国株式 39.95% +4.44%
投資信託 32.98% +4.30%
ETF 22.90% +3.03%
REIT 18.88% +2.97%
国内債券 5.95% +0.01%
海外債券 7.03% +0.50%
FX(外国為替証拠金取引) 10.93% +0.75%
金やプラチナ地金 15.23% +0.09%
金先物取引 2.38% +0.82%
原油先物取引 1.37% +0.21%
その他の商品先物 1.95% +0.08%
特になし 6.07% ▲3.09%
出所:楽天DIのデータより筆者作成

表:今後、投資してみたい国(地域)2019年9月調査時点(複数回答)

国名 割合 前回比
日本 35.40% +0.54%
アメリカ 47.87% +2.94%
ユーロ圏 3.75% +0.70%
オセアニア 4.65% +0.39%
中国 7.73% +2.05%
ブラジル 4.24% +0.23%
ロシア 2.73% +0.72%
インド 31.45% +1.92%
東南アジア 23.41% +2.08%
中南米(ブラジル除く) 2.58% +0.04%
東欧 1.85% +0.43%
アフリカ 8.90% +0.39%
特になし 9.92% ▲3.47%
出所:楽天DIのデータより筆者作成

執筆者の連載

●シニアマーケットアナリスト 土信田 雅之 「テクニカル風林火山

●FXディーリング部 荒地 潤 「毎ヨミ!為替Walker

●コモディティアナリスト 吉田 哲 「週刊コモディティマーケット

(楽天証券経済研究所)

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