1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

日本株投資家・DAIBOUCHOUさんの、2019年の勝敗と2020年戦略

トウシル / 2019年12月24日 12時37分

写真

日本株投資家・DAIBOUCHOUさんの、2019年の勝敗と2020年戦略

プロフィール/2019年末時点のポートフォリオ

プロフィール

 2000年5月に株式投資を開始。信用取引を使ったハイレバレッジな取引で不動産株に集中投資し、2004年10月に資産1.5億円を達成。2006年には資産を10億円台まで伸ばした。2008年のリーマン・ショック、2011年の東日本大震災を経験してからは、100銘柄以上の中小型株に分散投資する手法にシフト。ライブドア・ショックやリーマン・ショックで資産を大きく目減りさせる過酷な体験をしながら、その失敗に学んで何度も大復活。山あり谷ありの投資人生から生まれた独自の投資哲学や投資手法は、初心者が知っておきたい貴重な教えが満載。現在は人気ブログ「DAIBOUCHOUの軌跡」やフォロワー数4万人超のツイッターを運営しながら、セミナーや講演も精力的に行っている。

投資スタイル

スキャルピング デイトレーディング 中~長期投資 分散投資 集中投資
バリュー投資 グロース投資 モメンタム投資 ポイント投資 ロボアド投資

当てはまる投資スタイル当てはまらない投資スタイル

※モメンタム投資…株価が上昇トレンドを形成している銘柄に投資する方法。

保有銘柄

日本株 優待銘柄 米国株 新興国株
ソーシャルレンディング 金・プラチナ 仮想通貨 FX
アクティブファンド 海外ETF 海外債券 海外REIT
インデックスファンド 国内ETF 日本債券 国内REIT

主力商品主力ではないが保有している商品保有していない商品

2019年末時点のポートフォリオ

 成長性のある個別株投資で成功してきたこともあり、今も数億円の資産の87.4%は日本の個別株に投資しています。投資対象は、割安な株価で放置された隠れ成長株で100銘柄以上保有しています。

 残りの資産は海外債券(8%)、優待銘柄、中国株、海外REIT、海外ETF(各1%)、新興国株(0.5%)の保有比率で投資しています。

 最近、注目を浴びている仮想通貨も資産の0.1%で試し買いしています。

2019年はどんな年だった?ベスト&ワースト銘柄

トータルリターン

 日本株投資の成績で+39.2%(2019/12/6時点)

2019年の戦績雑感

 2019年の日本の個別株投資の成績は12月6日時点で+39.2%と、日経平均株価など株価指数の上昇率には勝つことができました。

 2019年を振り返ると、1月の株価急反発で幕開け。その前の2018年10~12月に世界的な株価暴落が続いていたため、保有株を減らした保守的な運用に切り替えていたのですが、1月の急反発を受けてポートフォリオをリスクオンモードに急転換しました。 

 ゴールデンウィークにはインドネシアのバリ島に旅行。4月24日~5月8日という長い旅行期間中には、日経平均株価が4月24日の2万2,362円をピークに下落。つらい帰国になりましたね。         

 そんな2019年の転機になったのは、最も資産比率の高いインターネット敷設事業のギガプライズが、2月に発表した2019年3月期の第3四半期決算。その結果は前年同期比で60%超の増収増益と、非常に有望なものでした。この決算発表こそ、同社の業績ビッグチェンジの起点だったと思っていますが、その時点で同社の成長加速に気づいてもっと株を買い増しておけばよかった…。

 1,500~3,000円で買い増しするチャンスがいくらでもあったのに、そのチャンスを逃してしまい、株価は12月時点で4,950円まで上昇。急上昇する銘柄にかつてのような集中投資ができなかった自分の勇気のなさを反省しています…。

2019年、利益を上げた銘柄ベスト5

利益を上げた銘柄

DAIBOUCHOUさんの分析

ギガプライズ(3830)

インターネット回線の敷設を手早く行える新技術SPESが発表され、前2019年3月期の第3四半期から業績が急成長中。既存アパートへの導入が進み、2021年3月期以降の業績成長をポジティブにとらえる投資家が増えたおかげで、株価も2019年1月の1,000円台から12月には5,000円台まで5倍も上昇しました。

アバント(3836)

1月31日、5月7日に発表した決算が良く、今年前半だけで株価が2倍になりました。

神戸物産(3038)

低価格品スーパー「業務スーパー」を展開しているだけあり、2018年からは日経平均株価に逆行高することが多いディフェンシブ銘柄として投資家の注目を集めています。2018年1月から2019年12月の間で株価が3倍以上も上昇。「業務スーパー」で売られているタピオカの大ヒットも応援材料になりました。

G-7 HD(7508)

10月31日発表の2020年3月期の中間決算が消費増税前の駆け込み需要も手伝って、前年比+75%増益という高成長を記録。それ以降、株価が1.5倍高まで急上昇中です。

オリコン(4800)

不振の出版事業からWeb関連事業への事業再編に成功中。顧客満足度調査、ニュース配信事業が成長してモバイル事業の不振をカバー。今2020年3月期は大幅増収増益になりそうで、業績成長期待から株価が今年1年で最大4倍以上まで上昇しました。

2019年、損失が大きかった銘柄ワースト5

損失が大きかった銘柄

DAIBOUCHOUさんの分析

うるる(3979)

5月14日の決算発表で、今2020年3月期決算の赤字業績予想を発表して株価が暴落。先行投資が赤字の理由でしたが、業績回復が信じられず損切りしました。

リンクバル(6046)

2月末前後に株価1,000円前後で購入。8月2日の決算で減収減益になったのを確認して損切りしました。

ズーム(6694)

2月15日の前期決算で今2019年12月期の大幅増益予想を発表して期待していましたが、思ったほど利益が伸びず、業績未達を懸念して損切り。その後、10月15日に業績予想を大幅に下方修正したので、損切りは正解でした。

ユニマット・リタイアメント・コミュニティ(9707)

全国で展開する多機能型介護施設が好調で堅調な業績で推移しています。業績に比べて株価はなぜか上がらず、含み損継続中です。

OATアグリオ(4979)

M&A(企業の合併・買収)した海外子会社の業績が加わり、前2018年12月期の増収増益に期待していましたが、買収会社への費用負担などで逆に減益に。5月13日に発表された今2019年12月期第1四半期の減益発表を見て、損切りしました。

予測!2020年はこんな年になる!

 個別企業の四半期ごとの業績発表を幅広く、丹念に見て、業績のサプライズやビッグチェンジがないかを探すのが私の有望株発掘法です。そのせいもあって、相場予想はしない、というのがポリシー。

 ただ、日経平均株価のPBR(株価純資産倍率)はいまだ1.2倍前後と割安で、基本的には2020年も強気継続で臨みたいと思っています。

 特にリーマン・ショック級の金融危機や信用収縮は来ないと思っていますので、2019年と同様に2020年のフルポジ+αで比較的強気に投資するつもりです。

 むろん、局所的にバブル化した小型株は暴落することも多いので、株価上昇の過熱感にはたえず注意を払っていきたいです。

 買おうと思っている銘柄、買い増ししようと思っている銘柄は、タイミングを選ばず、すぐに買ってしまうのが私の投資スタイルです。

 2020年も、その都度、「今買うべきかどうか」を考えていくつもりなので、現時点で2020年にどの銘柄を買おうといった予定はありません。

投資ヒストリー&投資哲学を教えて!

過去最大の失敗談は?

マイルールに縛られて売りタイミングを誤り、利益をゲットできず…

 当時のサミーは『獣王』などパチスロ機のヒットで業績が成長、株価も上昇していましたが、当時、初心者だった私はリスク管理のつもりで、「1銘柄あたりの投資上限金額はいくら」という限度額を決めていて、株価が上昇してその上限額を超えたら、超えた分を売却することにしていました。そしてサミー株もそのマイルール通りに売却したのですが、その後ぐんぐん株価が上昇し、売らなければ得られたはずの利益を取りにがすことに…。「株にも機会損失があるんだな。株価の上昇が続きそうな銘柄は多少、リスクを冒しても継続保有して、利を伸ばす、という発想がとても重要なんだな」と感じました。

過去最大の成功談は?

バブル後の不動産株復興に乗じて、1,000万円が10億円に!

 2002年頃から、バブル後に塩漬けされていた不動産が不良債権処理の名目で、市場に大量に流通するようになり、戸建、マンションを格安で分譲する会社と、不動産ファンドを組成して販売する会社、その不動産ファンドに投資用不動産を販売する会社という、これまでにない3つのタイプの不動産ベンチャー企業が雨後のたけのこのように登場。2002年の金融危機で投げ売られた不動産ベンチャー企業の株を、信用取引を使ったフルレバレッジ投資で底値買いして、2006年まで我慢して長期保有。数年間にわたる反転上昇相場で1,000万円の資産を10億円まで増やせたのが私の一番の成功体験です。

 やはり、株式投資というのは成長性が一番、大切。業績成長による株価上昇ポテンシャルのすごさをつくづく実感しました。

「不動産流動化ビジネス」という新しい産業の誕生に早乗りできたのも成功の理由です。ただし、絶好調だった不動産ベンチャー株も2006年以降は米国発のサブプライムローン問題の余波もあり、業績が急速に悪化して倒産が続出。私自身、大きな損失に。不動産会社の経営者でも不動産市況の予想は難しいのだと痛感しました。

これまでの投資で買ったお宝は?

 自宅と投資用不動産を購入しました!

失敗や成功を通じて学んだこと・投資哲学は?

 株式投資は「投資資金」×「パフォーマンス」×「時間」という方程式で成果が決まります。この3つの要素を最大限にするのが投資家の仕事だと考えています。

 たとえば、信用取引は投資資金を増やす効果があります。自己資金が1,000万円程度しかなかった2002年頃、投資初心者時代の私にとって、信用取引は投資資産を大きくすることで投資成果を向上させるために必要不可欠のツールでした。

 投資資金を数億円まで増やすことができた現在は、相場で生き残ること=つまり、なるべく時間を味方につけることで投資成績を上げることに重点を置いています。時間を味方につけるためには、個別株を長期保有するリスクを回避するための分散投資が必要不可欠だと思います。その分、パフォーマンスが少し犠牲になりますが、利益を再投資することで得られる複利効果も投資する時間の長さが生み出す効果といえます。

 自己資金の量によって「投資資金」×「パフォーマンス」×「時間」のどの部分に重点を置くかという戦略を変えていくことが大切だと思いますね。

初心者へアドバイス!

絶対的な正解はない。自分で考える力が成功を導く!

 株に限らず、「投資」と名のつく界隈には金融詐欺も多いので、まずだまされないこと。「絶対上がる」でも「元本保証」といった矛盾したセリフには注意しましょう。投資で成功するには、他人の言いなりになるのではなく、自分自身でしっかり考えることが重要です。

 投資の方法に絶対的な正解はありません。さまざまな知識や経験を多角的に検証したり調べたりして、主体的に自分で考えて、自分だけのマイ投資方法を構築するべき。

 初心者の方がわりとすんなり入りやすいのは、バリュー(割安)株投資ではないでしょうか。保有する資産に対して株価が割安な企業の決算短信などをこまめに見て、業績に変化がないかを調べたり、業績にサプライズな変化があったとき株価がどう動くかをなんとなくでもいいので予想できるようになると投資力が格段にアップすると思います。

 決算短信や決算発表の説明資料を理解する基礎知識ができたら、よりハイリスクですがハイリターンも狙える成長株投資に移行するといいのではないでしょうか。

個人投資家の投資戦略をチェック!初心者向けアドバイスも!

日本株・DAIBOUCHOUさんの2019年の勝敗と2020年戦略

米国株・バフェット太郎さんの2019年の勝敗と2020年戦略

アクティブファンド・rennyさんの2019年の勝敗と2020年戦略

インデックスファンド・虫とり小僧さんの2019年の勝敗と2020年戦略

日本株・まつのすけさんの2019年の勝敗と2020年戦略

5人の人気投資ブロガーに学ぶ!勝つための7カ条

(トウシル編集チーム)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください