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日経平均2万4,000円台回復。バブル後最高値更新までの道のりは「近くて遠い」?

トウシル / 2020年1月20日 12時34分

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日経平均2万4,000円台回復。バブル後最高値更新までの道のりは「近くて遠い」?

日経平均2万4,000円台乗せ、バブル後最高値が視野に

 連休明けとなった先週の国内株市場ですが、週末17日(金)の日経平均終値は2万4,041円となりました。先週末終値(2万3,850円)からは191円ほどの上昇です。

 年初に高まった中東情勢の懸念が一服したことをはじめ、米中「第1段階」合意が署名に至ったことや、米国が中国を「為替操作国」の指定から外したこと、米企業の決算や経済指標を好感する動きなどが国内外の株式市場のムードを支え、日経平均も2万4,000円台乗せとなった格好です。

 今週は、週初の米国株市場が休場、週末からは中国株市場も春節の連休入りとなる中で、日本と欧州の金融政策決定会合や日米の企業決算の動向をうかがうことになりますが、先週までの流れを引き継いで上値をトライすることができるのでしょうか?

 まずはいつもの通り、下の図1で足元の状況から確認していきます。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2020年1月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週の日経平均の値動きを振り返ってみると、おおむね2万4,000円台を挟んだもみ合いとなっています。週を通じて5日移動平均線上を維持している他、週末17日(金)の取引時間中の高値が2万4,115円となり、2019年来高値(12月17日の2万4,091円)を超える場面もありました。

 1月8日~9日にかけて底を打った日経平均が2万4,000円台水準まで順調に値を戻してきた印象です。また、直近高値を結んだ線も上抜けており、いわゆる「買い仕掛け」のポイントも通過した格好になっています。次の目標として、バブル後最高値(2018年10月2日の終値で2万4,270円、取引時間中で2万4,448円)が視野に入ってきます。

上値トライできる勢いはある?

 下の図2は前回も紹介した線形トレンド(昨年8月26日を起点)ですが、先週は▲1σ(シグマ)の線上を推移していました。今後、トレンドの中心線あたりまで上昇できれば、目標の達成はそう難しくないように見えます。

■(図2)日経平均の平均足(日足)と線形トレンド(2020年1月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 となると、気になるのは「足元の相場に上値をトライできるだけの勢いがあるのか?」です。今週発表される米国企業の決算としては、IBMやJ&J、インテルなどが予定されていますが、これらが良好な内容であれば、米国株がさらに最高値を更新し、日本株も上昇に弾みがつく可能性があります。

買いの勢いはあまり強くない

 また、下の図3は、上段が日経平均の日足チャート、下段がRSI(相対力指数)です。

■(図3)日経平均(日足)とRSI(2020年1月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先ほど、取引時間中の日経平均が昨年来高値を更新したことを指摘しましたが、下段のRSIに注目すると、RSIの値が切り下がっていて、いわゆる「逆行現象」の形になっています。市場のムードは上値への意識が強いのですが、買いの勢い自体はあまり強くない面があります。よって、この状況が日米の企業業績待ちなのかどうかを確認するのが今週の焦点になりそうです。

 このことは、TOPIX(東証株価指数)の動きを見ても分かります。

■(図4)TOPIXの平均足(日足)とMACD(2020年1月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 TOPIXの平均足は1月8日に陽転していますが、下段のMACDはシグナルを上抜けクロスがまだ実現していないため、トレンド転換を明確に示していません。また線の傾きもMACD・シグナルともに下降気味になっています。今後の国内企業の決算動向を手掛かりに買いの勢いを強められるかがポイントになります。今週は日本電産やディスコなどの注目企業の決算発表が予定されています。

 仮に、これまで相場をけん引してきたハイテク株がさえない値動きになったとしても、バリュー株を買う動きとなれば、日本株全体の株価水準を維持することができるため、確かに買いの勢いは弱まっている面があるものの、大きく相場が崩れることはなさそうです。

 もちろん、相場のムードに水を差す悪材料が出てくる点には注意が必要です。今週は世界の要人が集結するダボス会議が21日(火)から24日(金)にかけて開催されますが、トランプ米大統領が出席する予定です。折しも、米国議会(上院)のトランプ大統領に対する弾劾裁判の冒頭陳述が21日(火)に行われ、審理が開始されるタイミングでもありますので、同氏の発言には気を付けておいた方が良さそうです。

中長期ではトリプル・トップ形成か否かの正念場

 最後に中長期のチャートでも確認します。

■(図5)日経平均(週足)の動き(2020年1月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図5は週足の日経平均のチャートですが、2万4,000円台乗せが定着できなかった場面が過去に2度あることが分かります。ここを上抜けできなければ「トリプル・トップ」が意識されることになるため、短期では上値トライである一方、中長期の日経平均は正念場に差し掛かろうとしている状況と言えます。

(土信田 雅之)

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