波乱万丈の投資家が娘に送る本『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』【書籍紹介】
トウシル / 2020年3月22日 8時0分
波乱万丈の投資家が娘に送る本『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』【書籍紹介】
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父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え
答えてくれた人
ダイヤモンド社 書籍編集局 第二編集部 田口昌輝さん
著者ってどんな人?
ジェイエル・コリンズ氏
1975年から投資を行っている個人投資家。ファイナンシャル・ブロガー(ブログ「jlcollinsnh.com」主催)。何度も転職する中で、収入の範囲内で生活するようになり、気がつけば夫婦どちらも働かなくても暮らせるようになっていた。実践したのはシンプルな投資だけ。収入の半分を投資、借金をしない、バンガード創業者ジャック・ボーグルの教えに従ってインデックスファンドに投資する。これだけで経済的自由を手に入れた。2011年、娘宛てに「お金と投資」についての手紙をしたためる。その内容をブログに発表すると、世界中から注目されるようになる。
著者のジェイエル・コリンズ氏は、けっこう面白い人です。8歳のときにハエ叩きを売り歩いたり、空き瓶を拾って売ったりしていた働き者。本格的に仕事をしたのはなんと13歳のときで、アイスクリームの缶を掃除する仕事だったとか。
それから、ウエイターの助手、皿洗い、食品の袋詰め、倉庫係、スーパーの野菜売り場、ガソリンスタンド、郵便局員、木こり、庭師などの職を経験。その後は、広告代理店を起業したり、投資責任者になったりしました。コンサルタント、セールストレーナー、ライター、ラジオの司会、雑誌の発行者などもやっていたという、何でもできるスーパーマンのような人物に見えますが、ただ単に転職が多かっただけとも言えます。
どんな人にオススメ?
投資をしてみたいけど、なんだか自信がないという人におすすめです。とくに、金融資産を築いて、働かなくてもいい生活を送りたいと考えている人にはぴったりの1冊。
近年、アメリカの若者の間でFIREムーブメント(経済的自由を獲得して早期リタイアを目指すこと)が起きていますが、この本はバイブル的な存在になっています。
投資方法もたった1つのファンドに投資するだけというシンプルなもの。わかりやすいことこの上ありません。
この本の、ここが読みどころ!
この本は、コリンズ氏が長い間苦労して学んだ「お金持ちになる方法」をお嬢さんに伝えるために書いたものです。何がうまくいくか、どこに宝物が眠っているか、それを見つけることがどんなにシンプルであるか。苦労しているからこそ、自分の苦労を子供たちにさせたくないという親心。それをお嬢さんだけでなく、われわれも読めるというのは、なんという幸運でしょう。
親が子へ教えるものなので、どんな手を使ってでも資産を増やせといったたぐいのものではありません。リスクも抑えています。そして「自由」になる方法も教えてくれます。例えば、仕事がイヤになったら、いつでも会社を辞められるだけの資産のつくり方がわかります。
著者が勧めるのは1つのファンドです。だから、個別株の銘柄選択や売り買いのタイミングで悩む必要はありません。
そういわれると、「本当にこんな簡単な方法で大丈夫なのか?」と不安になるかもしれませんが、30の教えを読んでいけば、自信をもって資産をつくっていけるようになります。
アメリカ人向けに書かれているので、税制面など、日本とは異なる点もありますが、基本的な考え方は変わりません。最近では、著者の勧めるファンドと類似のものも日本で手軽に買えるようになったので、一読する価値はあると思います。
編集者の制作秘話
『The Simple Path to Wealth』(この本の原著)を見つけたのは、今から3年ほど前のこと。ブックレビューには、とても分かりやすく、かつ実践的な内容であることから高評価のコメントが並び、投資関連ではいつも上位にランクインしていました。今でもコメントが書き込まれています。1,000以上の評価がつき、星5つ中、平均4.8というハイスコアです。
話題の翻訳書なら、海外のブックフェアや版権代理会社を通じて、いろいろ情報が入ってくるものですが、この本についてはまったくありませんでした。よくよく調べてみると、自費出版で出していたのです。どうりで何もわからないわけです。
そんな自費出版の本が全米でこんなに支持されているのを見て、出版したいと思いましたが、すぐには動けませんでした。
というのは、日本ではまだFIRE(=経済的自立と早期リタイア)という考え方が浸透していないことや、著者が勧めるようなファンドが未整備だったからです。
そして数年待っていると、状況が一変。入社1年目の新人が「経済的自由を目指している」と言ってきたり、低コストの米国株インデックスが次々登場するようになりました。時代がこの本に追いついてきたと思った瞬間です。
まだまだFIREを目指す人は多くありませんが、この本がそのきっかけになれば幸いです。
(トウシル編集チーム)
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