1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

NISAとつみたてNISA、なんとなく選ぶならどっち?メリット、デメリットは?

トウシル / 2020年3月21日 8時0分

写真

NISAとつみたてNISA、なんとなく選ぶならどっち?メリット、デメリットは?

NISAとつみたてNISAはひとつしか選べない

 2018年1月にスタートしたつみたてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)ですが、ひとつ悩みがあります。それは「一般NISA口座と択一しなければならない」ということです。

 積立枠も40万円に縮小するわけですから、一般NISA口座とつみたてNISA口座は同時開設できそうな気がしますが、現状、2つのNISA口座を同時に保有することはできません。

 新規にNISA口座を開設する人はどちらかを選択しなければならないし、すでに一般NISA口座を開設している人も、つみたてNISA口座を利用したい場合は、その旨選択しなければなりません。

 優遇税制のある口座には何らかの利用制限があるのが通例ですが、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)とNISA口座の場合は、同時開設できることを考えると少し残念です。そこで今回はNISA口座とつみたてNISA口座のどちらを選ぶとよいかを考えてみます。

まずは、NISAとつみたてNISA、2つの制度の違いをよく確認

 改めてNISA口座とつみたてNISA口座の違いについて確認しておきましょう。

積立可能額

 NISAとつみたてNISAの大きな違いは年間の積立可能額と累積積立可能額が異なることです。
 NISAは年間120万円まで投資元本を拠出でき、5年にわたって5つの枠を同時に持てます。つまり投資元本の拠出上限は600万円になります。

 つみたてNISAは年間40万円まで投資元本を拠出でき、20年にわたって口座を維持することができます。言いかえれば拠出元本800万円まで入金することができるわけです。

 年間の積立可能額と累計の積立可能額が逆転するところがNISAとつみたてNISAの大きな違いです。

拠出ルール

 つみたてNISAはその名の通り、定期拠出を前提としています。

 一方、NISAは随時入金をしてもよし、定期拠出をしてもよし、と自由度があります(今後はNISAでは定期積立拠出に対応しない金融機関が現れるかもしれませんが)。

非課税投資期間

 積立可能額も確認しましたが、NISAは投資をした年から5年目の年末までが非課税投資期間となっています。5年のあいだにどこかで利益確定をかければそれは全額非課税になるわけです。

 つみたてNISAはより長期の非課税投資期間が設定されており、20年にわたって非課税投資を継続することができます。

 もちろんNISAと同様、売却をし利益確定をすればその分についての非課税投資は終了します。

ロールオーバーの可否

 NISAは非課税投資期間5年と説明しましたが実は最大10年まで延長する方法があります。ロールオーバーです。これは、売却していない資産について6年目の新しいNISA口座に資産移管することで、非課税メリットをさらに5年延長できるものです。

 といっても、6年目のNISA口座の120万円の枠を使うことになりますから、ロールオーバーした分、6年目に新規入金できる上限は下がってしまうことになります。

 つみたてNISAについてはロールオーバーはありません。最大40年の非課税投資、とはいかないわけです。

投資対象

 NISAとつみたてNISAのもっとも大きな違いのひとつが、投資対象の幅です。

 NISAはリスク商品の多くをカバーしているため、現物株式でもETFでもほとんどすべての投資信託でも選択肢となりえます(個人向け国債など一部商品は対象外)。

 つみたてNISAは、積立投資を前提として金融庁が定めたガイドラインに合致したもののみが対象となります。インデックスファンド、アクティブファンドの一部、ETFなどが対象です。

 商品本数として考えれば、圧倒的にNISAのほうが多く、つみたてNISAは厳選された選択肢ということになります。

実のところ、どちらを選ぶかはけっこう悩ましい

 制度の違いを見てみましたが、どちらを選ぶかはけっこう難しいところです。しかし明らかにNISA口座を選んだほうがいい条件は2つあります。

 1つは「年間40万円以上投資をしたい」というニーズが明確にあることです。非課税投資の枠が3分の1にもなるのは積極的に拠出余力のある人にとってはもったいないことです。

 もうひとつは「現物株式での投資をしたい」というニーズが明確にあることです。こちらも投資の選択肢から除外されてしまうため、つみたてNISA口座ではニーズを満たせないことになります。

 その他、つみたてNISAの適格対象ではない投資信託を購入したい場合などもNISA口座優先ということになります。

 一方で、つみたてNISA口座を優先したほうがよいケースもあります。たとえば、「年間の投資拠出可能額は40万円以下」であって「投信やETFでの長期積立投資」を考えている場合などが該当します。

 毎月数万円程度の拠出枠を設定し、コツコツと積立投資を行い、20年くらいなら非課税運用を継続してもよいのだ、と思えるなら、つみたてNISAのほうがいいでしょう。

 とはいえ、「長期積立はしたいけれど、年40万円より枠はもう少し大きいといいな」というような人にとっては、今回の口座選択は悩ましいものとなります。ある人がNISAとつみたてNISAを隔年で選択し続ける、というアイデアを述べていましたが、私は口座管理を考えると非現実的だと思います(NISA5年目の翌年につみたてNISAを選択したら、ロールオーバーできないなど話はややこしくなるばかりでしょう)。

夫婦2口座ですみ分けも選択肢か

 ところで、NISA口座とつみたてNISA口座は択一であるとしても、20歳以上の国内居住者であればひとり1つNISA口座を持てる、という点を活用する方法もあります。

 夫婦で資産形成に励むのであれば、NISA口座がふたつ開設することができる理屈になります。そこで、

夫:NISA口座
妻:つみたてNISA口座

 というように口座を組み合わせることも夫婦であれば可能になるわけです。
この場合、投資対象や資金使途によって口座の区別をつけていくと活用がしやすいでしょう。

たとえば

夫のNISA口座:
 個別株も投資対象とする
 十分に値上がりが生じた場合5年を待たずに売却することもある
 同一年内に売買をする場合も含めて120万円の枠を活用する

妻のつみたてNISA口座
 定期的な積立拠出による資産形成を行う
 ベースはインデックス運用とする(対象に含まれるアクティブファンドも検討に含む)
 基本的には中長期投資を前提とし可能な限り売却はしない
 同一年に40万円の上限に近い積立を行い、可能な限り売却をせず20年かけて元本800万円プラス運用益の獲得による資産形成を目指す

というような感じです。むしろこちらのほうがNISAとつみたてNISAの使い分けとしてはいい感じかもしれません。

 これに加えてiDeCoもうまくミックスしていくとより有利な税制優遇口座活用になってくるでしょう。

(山崎 俊輔)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください