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利回り5.2%!「高配当株ファンド」を自分で作る「ダウの犬」戦略

トウシル / 2020年3月26日 7時44分

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利回り5.2%!「高配当株ファンド」を自分で作る「ダウの犬」戦略

基本に返って、高配当株投資!

 日経平均株価の乱高下が続いています。私は、日本株は配当利回りや買収価値から評価して割安で、長期投資で良い買い場を迎えていると考えています。

 とは言っても、短期的にはまだ波乱が続く可能性もあります。こんな時、株式投資を始めるなら、どんな銘柄から買ったら良いでしょう。私は、まず、割安な大型の高配当利回り株から投資すべきと考えています。

 高配当利回り株への長期投資は、株式投資で最初に学ぶべき、基本中の基本です。株式投資とはそもそも会社に資本を提供し、その見返りに会社からあがる利益の一部を配当金として受け取るものです。

「いいタイミングで株を売ったり買ったりすること」ばかりにとらわれず、株が安くなった時に、高配当株を買ってじっくり長期で保有することを考えた方が良いと思います。

 銘柄の選び方として、今日は米国でかつて有名になったことがある「ダウの犬」と呼ばれる手法をご紹介します。

「ダウの犬」戦略とは

 米国で有名になった投資手法です。投資方法はきわめてシンプルです。

  1. NYダウ採用銘柄(30銘柄)を配当利回りの高い順に並べ、上位10銘柄を選ぶ。その10銘柄に等金額投資
  2. 1年後に、もう一度NYダウ採用の配当利回り上位10社をスクリーニング。1年前に投資した銘柄で、上位10社から外れた銘柄を売却し、代わりに新規に上位10社に入った銘柄を購入
  3. その後も1年ごとに、上記の方法でリバランス(銘柄入れ替え)を続ける

 たったこれだけのシンプルな投資方法で、NYダウを上回るパフォーマンスが挙げられることが多かったので、「ダウの犬」戦略は有名になりました。

「ダウの犬」を日本株に応用

 このシンプルな方法は、日本株にも応用可能です。

 NYダウは米国に上場する時価総額の大きい銘柄30から構成されます。日本で言えば、時価総額上位30社から構成される「コア30」という指数があります。その構成銘柄から配当利回りの高い10銘柄を選べば、「ダウの犬」と同様の戦略をとることができます。コア30に属する銘柄のうち、今期配当予想を開示している24社から、配当利回りの高い10銘柄を選んだのが、以下の表です。

東証1部コア30採用銘柄のうち、配当利回り上位10社:3月25日時点

NO コード 銘柄名 業種 配当
利回り
株価 最低
投資金額
:円
1 2914 日本たばこ産業 食品 7.5% 2,063.0 206,300
2 8316 三井住友FG 銀行 6.1% 2,950.5 295,050
3 8306 三菱UFJ FG 銀行 5.6% 448.7 44,870
4 8411 みずほFG 銀行 5.6% 134.8 13,480
5 4502 武田薬品工業 医薬品 5.4% 3,345.0 334,500
6 8058 三菱商事 商社 5.4% 2,464.0 246,400
7 8031 三井物産 商社 4.8% 1,651.0 165,100
8 8766 東京海上HD 保険 4.5% 5,022.0 502,200
9 7267 本田技研工業 自動車 4.3% 2,594.0 259,400
10 9432 日本電信電話 情報通信 3.8% 2,503.0 250,300
出所:配当利回りは、1株当たり年間配当金(今期会社予想)を3月25日株価で割って算出。NTTの1株当たり配当金は株式分割を修正。最低投資金額は、3月25日株価で最低投資単位100株を買うのに必要な金額

実際にポートフォリオを作ってみる

 それでは、上記の10銘柄を使って、実際にポートフォリオを組んでみましょう。

 完全に10銘柄に同額を投資することはできないため、なるべく等金額になるように作ったのが、以下のポートフォリオです。全体の金額は約253万円です。このポートフォリオの平均配当利回りは5.2%です。

東証1部コア30銘柄から作った「ダウの犬」ポートフォリオ(平均配当利回り5.2%)

注:楽天証券経済研究所が作成

 次に、非課税で投資できるNISA(ニーサ:少額投資非課税制度。年間の投資枠は120万円)で、投資できるように、投資金額を76万円に抑えて作ったのが、以下のポートフォリオです。このポートフォリオの平均配当利回りは5.3%です。

ダウの犬ポートフォリオから、76万円で買えるように4銘柄にしぼったポートフォリオ(平均配当利回り5.3%)

(注:楽天証券経済研究所が作成)

 上記はあくまでも1つの例に過ぎません。投資金額を変えれば、他にもさまざまな投資の組み合わせが可能です。

手作りファンドならば、信託報酬がかからない

 投資信託で「高配当ファンド」を選んで買うのもいいですが、まとまった資金があるなら、こんなふうに自ら「手作りファンド」をつくるように、個別銘柄を買って長期保有するのも良いと思います。

 投資信託を保有すると、信託報酬(ファンドから差し引かれる管理手数料)がかかりますが、自分で個別銘柄を保有すれば、信託報酬はかかりません(買う時に売買手数料は必要です)。長期(5~10年)で資産形成を考えるならば、自分で作ったポートフォリオを長期保有することも考えて良いと思います。

 なお、このように自分でポートフォリオを組むときに1つ注意点があります。「同じバスケットにすべての卵を入れるな」という投資格言があります。単一のリスクを取りすぎないよう、分散投資せよという意味です。同じ業種の銘柄ばかりでなく、いろいろな業種に分散投資した方が良いと思います。

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(窪田 真之)

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