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中国消費セクター

トウシル / 2020年5月28日 10時0分

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中国消費セクター

4月の小売売上高は7.5%減、必需品消費に底堅さ

 中国の4月の小売売上高は前年同月比7.5%減の2兆8,180億元と、市場予想の6.0%減には届かなかったが、3月の同15.8%減から、やや持ち直した(国家統計局調べ)。内訳では、商品小売りと外食売り上げの減少率が各4.6%、31.1%と、3月比でそれぞれ7.4ポイント、15.7ポイント縮小した。1-4月の累計では、小売売上高は前年同期比16.2%減で、商品小売りと外食がそれぞれ13.1%減、41.2%減だった。BOCIは外食より商品小売りの回復ペースが速いことを踏まえ、自宅用需要が堅調な食品、日用品など、生活必需品銘柄の収益見通しがより明確との見方。投資家がリスク回避目的で、必需品セクターの買い増しに動く可能性を指摘した。業種別では、ビール、外食、豚肉生産の順で有望視。華潤ビール(00291)や青島ビール(00168)をトップピックとしている。

 4月の小売売上高を品目別にみると、食品が前年同月比18.2%増、飲料が12.9%増。食品価格の上昇(食品類の消費者物価指数は4月に11.3%上昇)に加え、“巣ごもり”による外食から中食への需要のシフトが販売増に寄与した。ほかに4-8%増を達成したのは日用品、事務用品、日常用の化粧品。半面、裁量消費に属する家電、宝飾品、家具、衣類は各5-20%落ち込んだが、それでも減少幅は15ポイント余り縮小した。

 一方、4月の物価統計を見ると、消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.3%。商品相場の下落を背景に、市場予想の3.7%を下回り、2月の5.5%、3月の4.3%から減速した。生鮮肉、果物価格の下落率は3月比で加速しており、BOCIはCPI加速の原因だった食品価格の高騰は、すでに2月にピークアウトしたとの見方。豚肉価格の下落を受けた一段のCPIの減速を見込む。デフレ傾向や雇用情勢の悪化、所得の低下などが、消費者物価を抑えるとみている。

 業種別では、食品・飲料販売の好調を受け、ビールセクターへの楽観見通しを強めている。個別ではバドワイザーAPAC(01876)のアジア西部(中国を含む)での販売量、青島ビールの販売量が1-3月に各25%減、46%減。現状では家飲み需要への依存度が高い銘柄が有利とみて、華潤ビールと青島ビールをトップピックとしている。

 外食部門では9割超の店舗が営業を再開し、客足も回復に向かっている。ただ、ソーシャルディスタンスと外出自粛がほぼ年内続く見通しから、BOCIはデリバリーを手掛ける銘柄やファーストフード関連を選好。ヤム・チャイナに強気見通しを示している。

 一方、豚肉部門では、国内の生体豚価格が11週連続で低下し、1kg=28元まで下げた。生体豚と繁殖可能な雌豚在庫は回復傾向にあり、生体豚生産を手掛ける中糧肉食(01610)にとっては不利。川下の河南双匯投資発展(000895)にとっては有利となる。万洲国際(00288)に関しては当面、米国における新型コロナの影響が見通せないことが懸念材料。米ビジネスの回復を示す材料がこの先明らかになれば、再評価が進むとみている。

(Bank of China int.)

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