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NYダウで久しぶりの売り転換シグナル。日経平均も連動か

トウシル / 2020年6月30日 18時12分

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NYダウで久しぶりの売り転換シグナル。日経平均も連動か

今週の予想

先週末のNYダウは本格調整入り。日経平均も連動か

 国内の新型コロナウイルス感染者数が増加傾向にあり、今週の日経平均株価はいったん調整に入る可能性が高いといえます。

 テキサス州、フロリダ州など新型コロナの感染者数が過去最高を更新する州がいくつか出てきたことで、先週の米株は下落しましたが、それに比べて日本の感染者数は東京を除くと安定していることで、先週の日経平均株価はしっかりした動きとなりました。ただ、しっかりした動きといっても上値を抜けていく動きではありません。

 先週末に現れたNYダウ平均株価の下げの型をチャートで見ると、二つ連続の売り転換と、2020年3月23日の安値1万8,213ドルからの上昇トレンドを切っており(※(今週の指標)NYダウ平均株価を参照)、本格調整入りの形に。6月16日の戻り高値2万6,611ドルを突破できない限り調整が続く可能性が高いとみています。今のところトランプ米大統領は経済優先の政策をとっています。しかし、全米に再び感染が拡大するようなら、経済優先気運が後退、景気の早期回復期待が懸念され、株価の調整が続くことになります。

 一方、先週の日経平均は米株式に比べて底堅いように見えても、コロナ感染第2波への懸念と経済活動再開による景気回復への期待が交錯し、方向感のない値動きでした。景気回復期待も売買代金や出来高が伴っておらず、下値では日銀のETF(上場投資信託)買いや金融緩和、財政政策が下支えしているため、底堅いように見えているだけかもしれません。

 方向感のない値動きの外部要因はもう一つ、米中対立の懸念があります。トランプ米政権はファーウェイなど複数の中国企業を中国軍の支援企業だと名指し、米中貿易の停滞要因が出始めています。さらに、トランプ大統領は再選が厳しいという見方も出ており、支持率回復のため、今後何をするか分からず、注意が必要です。

今後の投資姿勢は?

 NYダウのチャートには久しぶりに二つの連続した売り法則が出現。さらに直近の安値からの上昇トレンドを切って本格的な売り転換の型になりました。しかし、ドンドン下げるならここから売りでもいいのではないかと、勝手に予想するのはリスクがあります。チャートの型は、現時点での需給関係(売りと買い)の結果で、このまま新型コロナウイルス感染が拡大していけば下落は続くでしょうが、それに賭(か)けてカラ売りするのは単なるバクチ。株価の下落を見て、政府がコロナ対策を打てば反発することになるからです。それがどのようになるのか誰にも分かりません。言えることはドンドン下がり続けて、もう誰もが怖くて買えなくなったとしたら、そこが最高の買い場になるということです。

今週の指標:日経平均株価

 今週は米国市場での感染者数の行方と株価の動きに注意が必要です、NYダウのチャートは調整入りの型。6月16日の高値2万6,611ドルを上に抜けなければ調整が長引くことになり、そうなると日経平均も影響を受けることになります。目先は2万2,000円を守れるかどうか注目です。

今週の指標:NYダウ平均株価

 先週に引き続き今週も、新型コロナウイルス感染拡大を懸念する状況が予想されます。
米国だけでなく、ドイツ、オーストラリアも感染者数が増加、世界的に第2波の懸念が生じています。新型コロナウイルス感染拡大で経済活動の再開が進まず、景気回復への不安が相場の上値を抑えています。

 NYダウをチャートで見ると、2020年3月23日の1万8,213ドルの安値から6月8日の2万7,580ドルまで上昇した後、もみ合いとなって下落に転じ、6月16日の2万6,611ドルの戻り高値から24日の2万5,445ドルで売り転換。小反発の後、さらに26日の2万5,015ドルで上昇トレンド(A)を下に切って2回連続の売り転換が出ています。6月16日の2万6,611ドルを早期に回復しなければ調整入りとなります。

今週の指標:ドル/円

 先週から新型コロナウイルス感染拡大が続いており、特に米国ではテキサス、フロリダ、カリフォルニアを中心に感染者数が過去最大となりました。トランプ大統領は経済の早期正常化優先の方針であるものの、現実的に全米レベルで新型コロナウイルスの感染が拡大となった場合は、制限措置の緩和を停止せざるを得ないとの見方が多く、そうなると米国景気の早期回復期待は後退。株式や商品などのリスク資産からドルへの逃避となって、ドル/円が底堅い動きとなる可能性があります。1ドル=106.5~108円のレンジを想定しています。

先週の結果

日経平均は2万2,500円水準を挟んだもみ合い

 先週の予測では、新型コロナの世界的な感染拡大を注視しつつ、2万2,000円台でのもみ合いを想定しました。先々週まで続いた右肩上がりの一方的な上昇は一服。上値は重くなり一方で下値も強力な金融緩和や財政政策によってサポートされ、方向感のない展開が続くことになるとしました。

 今の日経平均はナスダックで上昇が続いており、これに連動して値ガサ株のハイテク銘柄が日経平均の上昇に寄与しています。週末の動きを見ると商い自体は細っていながら、先物、インデックス買いで上昇。上に抜けるには何か新しい材料が必要となります。先週は、安値が2万2,165円(25日)、高値が2万2,693円(23日)の2万2,000円台のもみ合いで、週末は2万2,512円で引けました。

6月22日(月):前週末のNYダウの下落を受けて▲125円の2万2,353円で始まり、一時▲166円の2万2,311円まで下げた後は、時間外の米株式先物の切り返しを受けて上げに転じました。後場には一時+96円の2万2,575円まで上昇するものの、その後は買いが続かず、上値重く大引けは▲41円の2万2,437円と反落しました。

23日(火):前日の米国株式はNYダウが+153ドル、ナスダックは7日続伸し、最高値更新となったことで、日経平均は+198円の2万2,636円と買い先行に。しかし、ナバロ米大統領補佐官が「中国との貿易合意は終わった」と報じられたことで、一時▲180円の2万2,257円まで急落。しかし、同補佐官がその後に否定したことで米株先物が切り返し、後場は+256円の2万2,693円まで上昇しました。その後、利益確定売りで伸び悩み、+111円の2万2,549円と反発して引けました。

24日(水):前日の米国市場は引き続き、NYダウは+131ドル、ナスダックは最高値更新と堅調だったものの、日経平均は為替が1ドル=106円台半ばの円高進行となったのを嫌気し、前日の終値を挟んだもみ合いとなり、終値は▲14円の2万2,534円と小反落。方向感に乏しい動きでした。

25日(木):フロリダ州やカリフォルニア州で感染拡大が過去最高となったことで、前日のNYダウが▲710ドルの2万5,445ドルと大幅下落。これを受けて日経平均も▲246円の2万2,287円で寄り付くと▲369円の2万2,165円まで下げました。後場になると日本銀行のETF買いが入って株価を下支えしましたが、買いは続かず▲274円の2万2,259円と大幅反落で引けました。

26日(金):前日の米国市場は、主要3指標がそろって大きく反発したことで、日経平均も+164円の2万2,424円で寄り付きました。金融株中心に上昇し、後場には+329円の2万2,589円まで上昇し、大引けにかけては上値の重い展開となり、+252円の2万2,512円と3日ぶりの反発となりました。

 引け後の米国市場は、NYダウは▲730ドルの2万5,015ドルと大幅反落。その背景には二つの原因があり、一つは25日に新型コロナウイルスの感染者数が過去最高を更新したことで、景気回復が遅れる懸念と、もう一つはFRB(米連邦準備制度理事会)によるストレステストの結果を受けて、大手銀行に少なくとも9月まで増配や自己株買いの再開を禁止したことを嫌気。NYダウは▲730ドル、ナスダックは▲259ポイント、S&P500種株価指数は▲74ポイントと、主要3指標そろって大幅反落となりました。シカゴの日経先物は▲175円の2万2,245円でした。

(出島 昇)

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