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マザーズとナスダックは高値更新。上値重い日経平均とNYダウここからの投資戦略は?

トウシル / 2020年7月6日 7時34分

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マザーズとナスダックは高値更新。上値重い日経平均とNYダウここからの投資戦略は?

日経平均、NYダウは、徐々に上値重くなる

 先週の日経平均株価は、1週間で205円下がり、2万2,306円となりました。

日経平均日足:2020年2月3日~7月3日

 コロナ・ショックで2~3月に暴落した日経平均は、その後、ロックダウン(都市封鎖)を解除する米国・欧州・中国の経済再開への期待から上昇が続き、6月9日に一時2万3,185円まで上昇。コロナ・ショックの下げ幅の約9割を取り戻す急反発となりました。

 ところが、戻り高値を更新することはできず、過熱感から調整に入りました。経済再開後の米国などで感染が再び拡大してきたことが不安視されています。6月15日に、日経平均は2万1,530円まで下がりました。

 ただし、下がったところでは押し目買いが増えて値を戻し、6月は2万2,000円台で上下とも大きくは動きにくい展開となりました。

 改めて、株式市場の強弱材料をまとめると、以下の通りです。

<強材料>
【1】    中国・米国・欧州・日本で経済再開を進めることで、世界景気が回復に向かう期待
【2】    米国を中心に世界中の政府・中央銀行が、巨額の財政・金融政策の大判ぶるまい
【3】    米国・英国・中国で予防ワクチンの開発が、想定よりも早いピッチで進展

<弱材料>
【1】    経済再開を進める米国などで感染が再び拡大。ブラジル・インド・ロシアなど新興国では感染が急増
【2】    世界景気が、戦後最悪のピッチで悪化
【3】    米中対立が再び激化する兆し

 NYダウも同様、戻り高値を更新することはできず、やや上値が重くなりつつあります。目先、2万4,000ドル前後まで下がる可能性もあると考えています。

NYダウ日足:2020年2月11日~7月2日

 米国で、感染が再び拡大していることが、不安を招いています。トランプ米大統領は、ワクチンが開発されるまで、ウィズ・コロナで、経済を回し続けるしかないとの考えを示しています。ただし、感染の再拡大が、あまりにも急激だと、経済を止めざるを得なくなるかもしれません。今後の米国内の感染者がどう推移するか、経済を止めずに回復を続けることができるか、重要な局面です。

米ナスダック総合指数強い。東証マザーズも強かったが、息切れ

 世界中の投資マネーを集めて、強い動きとなっているのが、米ナスダック総合指数です。コロナ前の高値を超え、史上最高値を更新しつつあります。世界のITインフラを支配しているGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)の構成比が高いことが、ナスダックが強い理由です。

米ナスダック総合指数日足:2020年2月11日~7月2日

 コロナ・ショックの影響で、世界中でリモートワーク・リモート会議・Eコマースが急速に拡大し、IT活用の構造改革が一気に進む勢いとなっていることが、GAFAMに追い風です。コロナ・ショックで業績が急激に悪化する企業が多く、投資対象が限られる中、GAFAMなど米IT大手の世界支配が一段と強まる見通しとなったことから、世界の投資資金がGAFAMに集中しています。

 同じ米国株でも、NYダウとGAFAMを中心としたナスダックでは、値動きがかなり異なります。NYダウには、コロナ・ショックでダメージを受けている航空機大手ボーイングや建設機械大手キャタピラーなどの製造業の構成比も高く、コロナ・ショックで一段と輝きを増すGAFAMと異なり、上値は重くなっています。

東証マザーズも強かったが、足元、息切れ

 東証マザーズ指数も、コロナ・ショック後に急騰しています。コロナ・ショックで注目を集めるバイオ関連株や、在宅勤務・リモート会議・リモート診療などの関連株が多いことが、東証マザーズ指数が強い理由です。

東証マザーズ日足:2020年2月3日~7月3日

 3月半ばの安値から、一時、約2倍まで上昇しています。短期的な上昇率は、米ナスダック指数以上でした。ただし、さすがに過熱感が強まり、足元は調整色が強まっています。

東証マザーズ・ナスダック・日経平均・NYダウを比較

 コロナ・ショックによる暴落の起点を2月21日として、4指数を比較したのが、以下のグラフです。

東証マザーズ・ナスダック・日経平均・NYダウの動き比較:2020年2月21日~7月3日

 上表の通り、東証マザーズの上昇率が、突出していることが分かります。東証マザーズには、コロナ・ショックで注目されるバイオ株やIT関連株が多いので、個人投資家の買いが集中しました。ただ、そうした人気のバイオ株の業績を見ると、上場以来まだ一回も黒字を計上したことがない銘柄も多く、ここまで短期で急騰するのは、やや行き過ぎかもしれません。

 東証マザーズには、時価総額が小さく、値動きが軽い銘柄が多いことから、上がる時も下がる時も今回のように値動きが大きくなります。人気が去ると大きく下がることもあるので、ここから投資していく際には、銘柄選別に注意を要します。

 私は、日本株は総じて割安で、長期投資で買い場を迎えていると判断しています。特に大型の高配当利回り株には、積極的に投資すべきと考えています。

 ただし、赤字でも、短期的に株価が急騰している東証マザーズ株については、長期投資としては、タイミングが良くないと思います。

成長株は米国から、割安株は日本から

 長期の資産形成には、株式投資が重要と判断しています。成長株は主に米国株から、割安株は主に日本株から選別していくと良いと考えています。

 日本株には、財務良好で収益基盤が堅固なのに、株価指標で見て、驚くほどに割安な銘柄が多数あります。成長性は高くなくても、割安株として積極的に投資していって良いと考えています。特に、大型の高配当利回り株で、予想配当利回り4%以上の銘柄に注目しています。

 一方、次々と世界的な成長企業を生む米国からは、成長株を見つけて投資していきたいと考えています。GAFAMをコアに、ZOOMなど、次々と生まれるネット系の成長株を発掘していきたいと思います。

▼著者おすすめのバックナンバー
2020年6月29日:短期の急落急騰に警戒!株式市場を揺らす、強材料・弱材料をプロが分析

(窪田 真之)

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