コロナで!病気で!ケガで!働けなくなったときの3大支援制度

トウシル / 2020年7月10日 5時10分

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コロナで!病気で!ケガで!働けなくなったときの3大支援制度

 もし、新型コロナウイルスで入院したら、治療・入院費は一体いくらかかるのでしょうか。また、新型コロナに限らず病気やケガで入院したら、治療費はどう準備したらよいのでしょうか。そして、仕事ができなくなってしまったら、収入減にどう対応していけばよいのでしょうか。

 そんなとき、家計を助ける公的支援があるのをご存じですか。今回は病気やケガで働けなくなったときの経済的支援制度についてご説明します。

新型コロナウイルスの治療費は公費で負担される!

 新型コロナウイルスは指定感染症に指定されているため、実は、治療費は公費で負担されることになっています。自治体によって異なりますが、ほとんどの場合、無料か少額で済みます。例えば、東京都の場合、治療費は基本的には全額公費負担となり、世帯員の地方税法第292条に規定する市町村民税所得割の額が56万4,000円を超える方のみ、月額2万円を限度として、一部負担となっています。また、感染が疑われる場合のPCR検査(保険適用の場合)についても費用は公費で負担され、無料で受けることができます。ただし、自己都合でPCR検査を受けたいといった場合には、自費となります。

病気やケガで働けなくなったときの3大お助け制度

 今は新型コロナウイルスが心配かもしれませんが、コロナ以外の病気やケガで入院したり、働けなくなったりすることがあるかもしれません。治療費の負担はもちろんのこと、仕事を休むことで収入が減ってしまうことが考えられます。そんなときに役立つ3つの制度をご説明します。

その1:病気やケガで3日以上会社を休んだときは? 

 業務外の病気やケガのために連続して3日間(土日祝日、有給休暇を含む)以上休んだ場合、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して、傷病手当金が支給されます。

 通常、傷病手当金は健康保険等に加入している会社員が対象で、国民健康保険の加入者は対象外となります。ただし、新型コロナウイルスに感染した場合や感染が疑われることによって仕事を休んだ場合には、特例として国民健康保険でも傷病手当金が支給されることになりました。

傷病手当金の支給期間は最長1年6カ月

傷病手当金は支給開始した日から最長で1年6カ月後までの間の仕事に就けなかった日に対して支給されます。ただし、支給開始後1年6カ月を超えた場合は、仕事に就くことができない場合であっても、傷病手当金は支給されません。

傷病手当金の支給額は標準報酬月額の約3分の2

 支給金額は、次の計算によって決まります。

(直近の継続した3カ月間の給与収入の合計額を就労日数で除した金額)× 2/3 × 日数(支給対象となる日数)

 休んだ期間に給与の支払いがある場合、傷病手当金は支給されません。ただし、給与の支払いがあっても、その給与の日額が傷病手当金の日額より少ない場合には、傷病手当金と給与の差額が支給されます。

傷病手当金の申請は加入している健康保険組合などに連絡を!

 傷病手当金を受給するためには、加入している健康保険組合などに支給申請書を提出する必要があります。まずは健康保険証に記載された加入先の健康保険組合などの窓口に問い合わせ、支給申請書を取り寄せましょう。ウェブサイトからダウンロードできる場合もあります。

 必要項目を本人、会社、病院にそれぞれ記載してもらったら、健康保険組合などに提出します。

その2:高額療養費制度で上限額以上の医療費はかからない!

 高額療養費制度とは、1カ月に窓口で支払った医療費が、年齢や所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。会社員、自営業問わず利用できます。

公的医療保険が適用される医療費が対象

 保険適用される治療費に対して、患者が支払った自己負担額が高額療養費制度の対象となります。病院に支払うものであっても保険適用外となる食費や患者の希望によってサービスを受ける差額ベッド代、先進医療にかかる費用など、対象とならないものもあります。

家族全員分を合算できる

 自分一人では窓口負担の金額が高額療養費制度適用の上限額を超えないかもしれませんが、自分だけでなく、家族全員分の医療費を合算することができます。合算した上で上限額を超えた金額が支給されます。また、直近の12カ月間で既に3回以上高額療養費の支給を受けている場合には、その月の負担の上限額がさらに引き下がります。

限度額適用認定証で窓口での負担が軽くなる

 医療費が高額になることが分かっている場合には、事前に限度額適用認定証を準備しておきましょう。高額療養費は後から支給を受けるものですが、限度額認定証を提示しておけば、窓口での支払いを上限額までにしてもらえます。

手続きは加入している公的医療保険に連絡を!

 限度額適用認定証の交付や高額療養費制度の利用については、加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽ・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など)に連絡をしましょう。お持ちの保険証(被保険者証)に連絡先が記載されています。

その3:医療費負担が年間10万円を超えたら、医療費控除で税金が安くなる!

 1年間の医療費の負担が10万円を超えた場合、超えた金額を所得額から差し引く(控除する)ことができます。これを医療費控除と言います。医療費控除されるとその分税金が安くなります。

医療費控除の対象になる金額は?

 医療費控除の対象になる金額は、1月1日から12月31日までに支払った医療費から生命保険の給付金や健康保険からの手当てなどで補てんされた金額と10万円を引いた金額で、上限が200万円となります(ただし、総所得が200万円未満の人の場合には、10万円の代わりに総所得の5%を引いた額が対象)。

 医療費控除の対象になる例を算出します。

(1)入院費用が100万円かかり、高額療養費制度により30万円が支給され、生命保険から保険金が30万円出た場合

(医療費控除できる金額)30万円=100万円-30万円-30万円-10万円

(2)出産で55万円かかり、出産一時金42万円を受け取った場合

(医療費控除できる金額)3万円=55万円-42万円-10万円

 高額療養費制度を利用し、生命保険などで補てんされるものがあってもなお、1年間の医療費の自己負担が10万円を超えた場合には、医療費控除で税金を安くすることができ、経済的負担をさらに軽減させることができます。

医療費控除は家族分もまとめてお得に

 医療費控除は自分以外にも生計を同一にする家族の分も合算することができます。所得税は累進課税なので、家族の中で一番所得の多い人が医療費控除を申告すると、税負担を減らせる額が大きくなります。

手続きは確定申告で!

 医療費控除の手続きは確定申告となります。確定申告する年分の医療費の領収書等を家族分まとめておきましょう。高額療養費制度と違って保険適用外の医療費であっても医療費控除の対象となるものがあります。

 詳細は国税庁ウェブサイトをご確認ください。不明点は税務署に問い合わせると、丁寧に教えてもらえますよ。

 いつ何時病気やケガで入院することになるかは、誰にも分かりません。治療費を負担してくれる公的制度や収入を補える公的制度があるということを知っていると安心ですね。これらは自動的に受けられるものではなく、必ず申請が必要なので、もしものときには思い出してきちんと申請してくださいね。

(橋本 絵美)

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