今から始める株入門:山崎元の株の始め方

トウシル / 2020年8月4日 5時0分

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今から始める株入門:山崎元の株の始め方

 楽天証券の金融メディア「トウシル」がはじまり3年。今では、月に約400万人が閲覧するメディアへと成長しました。そして、初の『1800万PV月間400万人が読んでいる 楽天証券トウシルが作った一番かんたんな株入門(扶桑社ムック)』を刊行することとなりました。

 トウシルにアップされる記事の中でも非常に人気の高い、高配当株、成長株、優待株などを中心に、「株式市場にはどんな銘柄があるか?」「どんな株を選んで買うといいのか?」などを図解入りで、分かりやすく解説しています。

 巻頭には銘柄の選び方や株式投資の始め方について、楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元への特別インタビューを掲載。今回はそのインタビューの前半をお届けします。

山崎元「株の始め方、教えます!」

―まず、株式投資の本来の意味について、初心者にもわかるように説明してください。

山崎 お金でお金を稼ごうとするのは、働いて稼ぐのではないからよくないと苦言する人が少なくありません。しかし、けっして株式投資はそのような性質のものではありません。株式投資では、一定の金額と時間を費やし、企業に資本を提供します。

楽天証券経済研究所:山崎元

 そして、その資本は経済活動に用いられ、利益というかたちで残った成果物の一部が投資家に還元されるというのが株式投資の意味合いです。つまり、お金を経済に参加させて働かせることこそ株式投資の経済的な役割なのです。

 ただし、株式投資を必ずやらなければいけないのかと問われると、そうではないと答えることになるでしょう。有利だと思う人だけがやればいいということにつきます。

 「公的年金だけでは2,000万円足りない」という調査結果が騒がれた際に、「投資しないとあなたの老後は貧乏になって大変ですよ」と脅かすような投資の勧誘が横行しましたが、あれはよくない。

 一方、長期投資なら絶対にもうかるとか、資本主義は不滅だから大丈夫だとかいったことを口にする人がいます。だけど、絶対に大丈夫ではないからこそ、株式投資では高いリターンを期待できるわけです。

 加えて、売買すること自体が投資だという認識は誤りです。お金を提供して(投じて)置いておく(株を保有している)状態が投資なのだと理解することが大事です。「今月は何にも投資しなかった」というのは、単に「売りも買いもしなかった」ことを意味しているだけのこと。そうではなく、お金を投じたまま持っている状態が投資なのです。

リスクに見合ったリターンを得るのが株

―株式のリターンは、どこから発生するのでしょうか?

山崎 仮に、20年後までに200の価値を生み出すことを期待できる企業があったとします。ただし、200の価値はあくまで期待値であり、確実なものではありません。こうした場合、その企業の株をいくらで買うのが妥当なのかを考えてみましょう。

図解入りで分かりやすい誌面

 年率3.5%の複利で20年間運用すると100の元本がおおよそ200に増えます。なので、もしもこの企業の株を100で買えるなら、それと同じ結果となりうるわけですが、株の場合は期待を裏切られるリスクもあります。

 そのリスクを踏まえると、100で買うのはいかがなものかと投資家たちが見定めていくことで形成されるのが「株価」という価格なのです。株価が決まる際にはリスクに対するプレミアム(追加的なリターン)がつくので、現状のゼロ金利を前提とすると、この場合は、3.5%がリスクプレミアムとなります。

 このリスクプレミアムが5%に達すれば、20年後に200の価値を生むことが期待される株を、今なら75で買えるという計算になってきます。こうして株式市場が価格をつけてくれているので、それを目安に株を買って資本を提供し、リスクに見合ったリターンを得ようというのが株式投資なのです。

 私は「トウシル」への寄稿でも「投資の本質はリスクプレミアムのコレクションだ」という表現をよく用います。リスクプレミアムをいかに効率よく取り込んでリターンを実現していくかが投資の本質だと思います。リスクプレミアムには、時間に対してつけられている金利のような側面があります。長い時間をかけてお金を置いておかないとリスクプレミアムは実現せず、その意味でも長期投資が望ましいという結論になります。

 また、同じリターンを得られるなら、取るべきリスクは低いのに越したことがありません。低いリスクを効率的に取るように心がければ、より多くのリターン獲得を目指し、より多くの金額を投ずることが可能となります。

市場に上場する銘柄の有利・不利はどれも同じ

―初心者は特に株式のリスクを心配しがちですが、どんな心構えで臨むべきですか?

山崎 リスクに対するアプローチは人によって違うもので、とにかく嫌だという人はやめておけばいい。しかし、給料だって上下するし、リストラされることもあるし、健康を損なうことだって考えられます。外を歩けば交通事故に遭うかもしれませんし、株式投資だけにリスクが関わってくるわけではありません。

 株式に限らず投資の場合には、インプットした金額とアウトプットするときの金額で損得が勝ち負けのように可視化されますが、それを気にしすぎるとよくない。たまたま投資では数字で見えているだけで、仕事や人生においてチャンスを逃したり、失敗したりということも多々あります。お金を置いておく先としてリスクのある場所を選ぶことは、そう不可思議なことではないと考えたほうが良いでしょう。

―初心者が銘柄を選ぶ際には、どのようなことを心に留めておくべきですか?

山崎 証券取引所に上場している銘柄は、どれを買っても有利・不利が同じだということを、まずは大前提として念頭に置いてください。業績が良くない株でも、成長している株でも、それなりの見通しとリスクに応じて、信頼すべき欲張りな投資家たちが値定めをしたうえでつけられているのが現在の株価なのです。

 いずれの銘柄においても、プロも含めて「これで売ってもいい・買ってもいい」と思う人がいるから、目の前の株価がついているわけです。したがって、どの銘柄を選んだとしても、個々の有利・不利には違いがありません。

 ただし、個人投資家の場合、十分な分散投資を実践しづらいので、リスクがなるべく低い銘柄を選ぶということは意識しておいたほうが良いでしょう。例えば、新規公開直後のベンチャー株よりも、長きにわたって上場していて時価総額も大きい株式のほうが株価の変動はゆるやかです。値動きの激しい銘柄ではなく、ある程度の安定感がある銘柄から始めるのが良いでしょう。

 また、初心者も最初からポートフォリオとして考える習慣を身につけるべきだと思います。「最初に何か1銘柄だけ買ってみよう」というアプローチは好ましくありません。同程度の金額で業種の異なる3銘柄程度を組み合わせて買って、全体としての増減を観察していくのです。
「1800万PV月間400万人が読んでいる 楽天証券トウシルが作った一番かんたんな株入門 (扶桑社ムック)」冒頭インタビューより抜粋

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(トウシル編集チーム)

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