知っておきたい!高配当銘柄選びの基礎知識

トウシル / 2020年9月16日 8時0分

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知っておきたい!高配当銘柄選びの基礎知識

監修:楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト 土信田 雅之

 安定・連続して高配当となっている優良銘柄を保有し、インカムゲインを定期的にゲットする…。心に余裕が生まれると、投資判断も冷静になり、投資がさらに面白くなるはず。「高配当銘柄」を選ぶために必要な基礎知識をおさらいしましょう!

[0]そもそも配当とは?

 高配当銘柄の説明をする前に、株式投資で得られるもうけ(利益)のおさらいをしておきましょう。株式投資で得られる利益には2種類あります。株価が買値よりも高くなったときに売って得る利益(キャピタルゲイン)と、株を保有することで得られる「配当」や株主優待のような利益(インカムゲイン)です。

 後者で登場した「配当」とは、会社が得た利益の一部を株主に還元するお金のこと。会社が得た利益が多ければ配当も多くなり、少なければ配当も少なくなり、利益を上げることができなければ配当はなし(無配)になります。現実の配当は会社の方針によって異なりますが、基本的にはこの考え方です。

 1年間で会社が株主に支払う配当の回数に決まりはありませんが、多くの会社は年1回か2回。年1回の会社は、3カ月ごとの決算発表(第1四半期、第2四半期、第3四半期、本決算)のうち、本決算時に配当を支払います。年2回の会社は第2四半期の決算時、2回目は本決算時に株を保有している株主に配当を支払います。

 配当の金額は「材料」によって頻繁に変わる株価とは違い、通常は会社から1年間の「1株あたりの配当予想」が示され、それに基づいて配当が行われます。例えば2019年3月期決算の「決算短信」(決算発表時に公表される決算速報)には、多くの会社が2020年3月期決算の業績予想と配当予想を載せていて、第2四半期末(2020年9月末)と本決算(2021年3月末)の1株あたりの配当金額を知ることができます。

 1株あたりの配当金額が50円なら、100株保有している株主は5,000円、500株保有している株主は2万5,000円というように、保有している株数に比例して受け取れる配当金額も多くなります。

[1]高配当銘柄とは?

 さて、いよいよ高配当銘柄について解説しましょう。高配当は「配当が高い(多い)」ことだから、一般的な株の配当の金額よりも、高い(多い)お金が得られる株だろうな、という想像ができますよね。でも、単純に配当の金額が多ければ高配当というわけではありません。

 A社の年間配当金額が20円、B社の配当金額が10円だとすると、A社のほうが高配当に見えますが、本当にそうでしょうか? ここで忘れてはいけないことは、その株をいくらで買ったのか、または買うつもりなのかということです。

 ここで「配当利回り」という指標が登場します。配当利回りとは、株を購入したときの株価に対して年間でいくらの配当を受けることができるかの割合を示すもの。

配当利回りの計算式

配当利回り(%)= 1株当たりの年間配当金額 ÷ 1株当たりの株価 × 100

 高配当銘柄の目安は一般に3%を超えていることとされています。参考までに東証1部全銘柄(加重)の平均配当利回り(予想)は2.31%(5月8日現在)です。平均と単純に比較すれば、1%台では低く、2%台なら普通、3%を超えれば高配当と言えるでしょう。

 先ほどのA社の年間配当金額が20円、B社の配当金額が10円の例を当てはめてみます。1株当たりの株価はA社1,000円、B社の株価が200円とした場合、A社の配当利回りは2%、B社は5%となり、B社のほうが、配当利回りが高く、3%を基準に考えるとB社は高配当銘柄ということになるわけです。

 また、C社の年間配当金額が20円、D社の年間配当金額も20円、でも株価はC社1,000円、D社500円では、C社は2%、D社は4%となり、高配当銘柄といえるのはD社となります。

 この計算式を使って高配当銘柄を探す場合の注意点は、「1株当たりの年間配当金額」に過去の配当金額ではなく、先に紹介した1株あたりの「配当予想」を使うことと、「1株当たりの株価」に株を買う時点の株価を使うことです。詳しくは[3]高配当銘柄の探し方-日本株編で説明しますが、楽天証券のスクリーニング機能を使って探すときは、検索条件を、「配当利回り」ではなく「配当利回り(予)」としてください。

[2]高配当銘柄の魅力とは?

 高配当銘柄を保有するメリットは、「配当」という現金が受け取れること。株を長期保有して、何年後かに値上がり益を狙う投資家なら、保有期間中に配当金というインカムゲインを得つつ、最後に売却してキャピタルゲインを得るという1株で二度おいしい投資ができるのです。

 デメリットや注意点としては、「配当利回りの計算」の例を見て分かるように、株価が低い銘柄の配当利回りが高く見えがちになりやすいこと。株価が低いということは、何らかの課題を抱えている可能性もあるため、会社の状態をしっかりチェックしましょう。

 また、今回のコロナ・ショックのように事業環境が激変すると、配当予想が修正されて減配(減額)になったり、無配になったりする場合があることも覚えておきましょう。減配や無配になるケースでは、株価の大幅な値下がりが予想されるので、むやみに配当を追わず、含み益のあるうちに売却することも一つの方法です。また、反対に、これまで安定的に配当を出していた企業の場合は今後、復配や増配することも考えられますので、そうした銘柄をあえて買うのも一つの方法です。

[3]高配当銘柄の探し方-日本株編

 高配当銘柄の探し方は、証券会社のスクリーニング機能を使う方法が一番簡単。楽天証券なら「スーパースクリーナー」を使います。スクリーニング条件の設定がわからないときは、「楽天証券おすすめ」を使えば大丈夫。「[NISA]高配当銘柄」というおすすめのスクリーニング条件は、配当利回り3%以上、ROE(自己資本利益率。自己資本に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す指標。高いほど資本を効率的に使っていることになる)10%以上、時価総額200億円以上のものが自動的に抽出されますので、まずはコチラを見てみるのもおススメです。

楽天証券サイトにログイン後、
[1]上部タブより国内株式を選択
[2]上部タブ内、スーパースクリーナーを選択
[3]楽天証券おすすめスクリーナー5[NISA]高配当銘柄を選択
※スーパースクリーナーは楽天証券の口座をお持ちの方がお使いいただける機能です

 配当の源泉は企業の稼いだ利益です。よって、配当と併せて見るべきなのは、「しっかり稼げているか」と「会社の財務基盤に問題はないか」の2点です。スーパースクリーナー左下の「検索条件を追加」をクリックすると、追加したい検索条件が出てきますので、「配当利回り(予)(%)」と併せて、「ROE」「時価総額」「経常利益変化率」「自己資本比率」などを追加し、しっかりと精査しましょう。

楽天証券サイトにログイン後、
[1]上部タブより国内株式を選択
[2]上部タブ内、スーパースクリーナーを選択
[3]スーパースクリーナー左下の「検索条件を追加」をクリック
[4]出てきた小窓内で 利回り(予)(%)を選択
[5]併せて、 「ROE」「時価総額」「経常利益変化率」「自己資本比率」などを追加し、企業の健全性も併せてチェック
[6]上部検索条件の 利回り(予)(%)下の▼や▲をクリックすると、配当利回りが高い順、低い順に並べ替えができます
※スーパースクリーナーは楽天証券の口座をお持ちの方がお使いいただける機能です
▲楽天証券のスーパースクリーナーの使い方講座! 土信田雅之が実画面を使った動画で、丁寧に解説しています! 要チェック!

[4]高配当銘柄の探し方-米国株編

 国内株投資よりももっと高い成長、もっと高い配当を求めるのなら米国株投資も候補に入れておきましょう。日本株との違いで注意する点は、米ドルでの取引になるため、日本円の資金を使って取引をするときは、証券会社所定の為替手数料がかかること、米国の証券取引所に上場している全ての株が売買できるわけではなく、証券会社が指定した株に限られること(とはいえ、日本で知られている会社はほぼ含まれている)、取引単位は1株であることです。時差があるため、市場取引時間が日本の深夜から明け方になることも知っておきましょう。

 このように取引システムの違いはあるものの、銘柄選びの基準は日本株とほとんど変わりません。つまり、成長している事業分野を持ち、十分な利益が得られるビジネスを展開していて、財務体質がしっかりしている会社です。

 米国市場は日本市場よりも成長力があり、株主を重視した経営が定着していて株主への利益還元の割合が高いことは、米国株投資の魅力です。

米国株の配当利回りは、 楽天証券のサイトにログイン後、各銘柄の下部でチェックできます。

*米国株の配当については、配当金に対し、米国現地で10%の源泉課税(ADRの場合、その企業の所在国によって税率が異なります)、日本国内で20.315%の源泉課税がかかります。また、米国現地で源泉徴収された税金に関しては、確定申告することで外国税控除を受けられます。詳細はこちらをご確認ください。

[5]いつ買う?いつ売る?売買タイミング

 配当を受け取るためには、株主優待と同じように「権利確定日」に株を保有していなければなりません。例えば2020年6月30日(火)が権利確定日の株なら、6月26日(金)の「権利付き最終日」までに買う必要があります。

 安く買って高く売るという株式投資のセオリーさえ外さなければ、高配当銘柄はいつ購入しても、いつ売却してもいいのですが、先に説明したように、決算が間近な銘柄は、権利付き最終日までに買うようにしましょう。ただ権利付き最終日近くは株価が高くなる傾向にあるので、ギリギリではなく十分な余裕をもってください。逆に権利付き最終日を過ぎると理屈の上では配当の分だけ株価が値下がりする傾向にあるので、売却には適しません。

 配当金が支払われる時期は企業によって多少異なるものの、通常は決算の2~3カ月後。3月決算なら5月か6月ごろです。受け取り方には、企業から送られる「配当金領収書」を銀行・郵便局に持っていく方法、証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」などがあります。おすすめは手間のかからない「株式数比例配分方式」。また、株式数比例配分方式ならNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座で買い付けた株の配当金を非課税にすることができます。

 株式投資の目的は、株価の値上がり益だけではありません。高配当銘柄を長期保有して、預金の利息のように定期的に現金を受け取る(ただし配当金が保証されているわけではない)――それも株式投資の楽しみです。

(トウシル編集チーム)

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