投資信託:アクティブvsインデックス(2)アクティブ投資にはコツがある?

トウシル / 2020年10月17日 8時0分

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投資信託:アクティブvsインデックス(2)アクティブ投資にはコツがある?

アクティブとインデックス、何が違う?

 前回、アクティブvsインデックス(1)では、インデックスファンドにまつわる「誤解」をさまざまな角度から解説しました。

 ここでいま一度整理をしておくと、インデックス(パッシブ)運用とは、ベンチマーク(運用の良しあしを測る基準)として掲げられた指数に連動した運用成果を目指す運用手法です。ベンチマークの例としては、新聞・ニュース番組などでもおなじみの日経平均株価(日経225)やNYダウ平均株価のほか、世界各国の株式・債券全体の動きを捉えたものもあります。

 対してアクティブ運用は、原則としてベンチマーク、または、市場平均を上回る運用成果を目指します。ただし、資産運用の世界ではアクティブ型の明確な定義は存在せず、一般的に、指数に完全に連動していない「非・インデックス型」の商品をアクティブ型と総称しています。

 では早速ですが、今回もクイズを通して投資初心者が陥りやすいポイントを押さえながら、アクティブファンドとうまくつき合っていくためのコツを解説していきます。

アクティブ投資のコツがわかるクイズ

Q:次の説明で、正しいものには〇を、間違っているものには×を付けてください

1.    アクティブファンドには必ずベンチマークが設けられている

2.    アクティブファンドのリスクが市場平均を下回ることはない

Q:以下の2つの日本株アクティブファンドのうち、最終的なリターンが高かったのはAとBどちらですか?

※なお、両ファンドとも、記載されている信託報酬以外の手数料はかからないものとします。

  • ファンドA

3年間騰落率:+18.0% 信託報酬率(税込・年率)0.792%

  • ファンドB

3年間騰落率:+23.0% 信託報酬率(税込・年率)1.727%

 いかがでしょうか。インデックス投資編と比べて答えはすぐに浮かびましたか。今回も、答え合わせとともに、アクティブ投資のコツがつかめるよう、解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

1:アクティブファンドには必ずベンチマークが設けられている?

解答:×

 アクティブファンドは原則として市場平均を上回るリターンを追求しますが、必ずしもすべてのファンドにベンチマークが設けられているわけではありません。ベンチマークが設けられているファンドは、目論見書の「投資方針」の欄に「(指数名)をベンチマークとします」などと記載されています。また、ベンチマークを設けていないファンドでも、「参考指数」として特定の指数を掲げていることがあります。いずれのケースでも、月次レポートや運用報告書には、ベンチマークまたは参考指数との騰落率(運用成績)の比較表などが掲載されていますので、ぜひ目を通してみてください。

2:アクティブファンドのリスクが市場平均を下回ることはない?

解答:×

 アクティブ=Activeという英単語には「積極的」「活発」「能動的」などの意味がありますが、アクティブファンドの“Active”が意味するのは、運用の自由度の高さであって、必ずしも高いリスクを負って高いリターンを追求することだけではありません。

 アクティブファンドの中には、大きなリターンを目指すよりも、むしろ、市場平均と比べてリスクを低く抑えることを重視する商品も数多く存在します。

 実は、機関投資家と呼ばれるプロの投資家の世界では、2000年代後半の世界的な金融危機以降、リスク低減型の商品が増え、広く活用されてきました。退職金や教育資金など、数年以内に使う、または、取り崩すことを決めている資金のほか、相続金のように元本の大きな毀損(きそん)を避けたい場合などは特に、こうしたリスク低減型の商品への投資を検討した方がいいでしょう。

リターンが高かったのは、ファンドAとファンドBどっち?

解答:ファンドB

 投資信託の信託報酬は、基準価額の計算時に投資信託財産から日々支払われています。つまり、毎営業日公表される基準価額にはすでに信託報酬が反映されているため、「騰落率」として示されている数値がそのまま投資家のリターンになります。投資家が別途手数料を徴収されるようなことはありません。この問題の場合、Aファンドは「年間0.792%のコストをかけ、3年で+18.0%のリターンを創出した」のに対し、Bファンドは「年間1.727%のコストをかけ、3年で+23.0%のリターンを創出した」ということになります。

 インデックス型は、レストランのチェーン店のようにマニュアルに沿った運用を行うため、コスト水準のばらつきが小さい傾向にあります。一方、アクティブ型は、シェフが腕を振るうこだわりのレストランのように、ファンドによって投資方針が大きく異なるため、コスト水準のばらつきも大きい傾向にあります。AファンドとBファンドも、同じ国内株式を投資対象としていながら、信託報酬率に1ポイント近い差が開いています。同じ投資方針を掲げるインデックスファンド同士なら信託報酬率で比較してもリターンに大きな差はありませんが、アクティブファンドは信託報酬の高低だけでファンドの良しあしを判断することはできないのです。運用成績よりも先に信託報酬の値に目が行ってしまった方は注意しましょう。

(篠田 尚子)

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