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トランプ政治ショー!上がる米株に日経平均はどこまで連動?米大統領選はどっちでもプラス

トウシル / 2020年10月13日 18時23分

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トランプ政治ショー!上がる米株に日経平均はどこまで連動?米大統領選はどっちでもプラス

今週の予想

2万3,300円水準を下値に、ゆっくりと上値を切り上げる展開へ

 今週は、3週間後の米大統領選を前に、両陣営の勝利を想定したプラス面だけを取り上げて、株価の材料にするような動きとなりそうです。

 一時「バイデン氏勝利」の場合、富裕層の増税を明言していることから、株式市場にとってはマイナスと見られていました。しかし、この増税によって大規模なインフラ投資を行うと発言しており、長期的に見ると米国経済の活性化につながるという投資家の見方が台頭しています。そのため、大統領選はどちらが勝っても、株式市場にはプラスに作用する可能性が高くなっています。

 目先の材料は、追加の経済対策であり、民主党と共和党の交渉がなかなか進まないことで、トランプ米大統領は交渉打ち切りをいったん示唆しましたが、その後、航空業界、中小企業向けの経済支援を表明。先週末には共和党と民主党が提案している規模よりもさらに大規模な包括的経済政策を示してきました。これは選挙を前にしたバナナの叩き売りのような政治ショーであり、トランプ氏の焦りが透けて見えます。これに投資家が期待を織り込んでいる可能性があり、政局次第では株式が軟化する場合も考えられます。どちらにしても大統領選までは、追加の経済対策にサポートされて、株価は上昇する可能性があり、NYダウに連動する日経平均も上昇することになりそうです。

今週の指標:日経平均株価

 今週の日経平均株価は、引き続きトランプ氏の新型コロナウイルス感染から退院後の選挙活動や追加経済政策への行方が注目されます。

 米大統領選を巡る動きは、どちらが勝っても米国相場にはプラスとなりそうで、そうなるとNYダウ平均株価に連動する日経平均にもプラスとなります。予想レンジも2万2,800~2万3,300円台のもみ合いを上放れしたので、2万3,300~2万4,000円のレンジへの移行が想定されます。チャートで見ても2万2,800円水準から緩やかな上昇トレンド(A)となっており、この上昇トレンドを上に抜けると2万4,000円を試すことになります。日経平均は上昇していますが、売買代金の盛り上げは欠けており、米国株次第となっています。

今週の指標:NYダウ平均株価

 今週は、銀行をスタートに第3四半期の企業決算シーズンが始まります。

 一方、追加の経済政策の交渉も合意に向けて動いており、行方が注目されます。与野党の包括的な追加策で何らかの合意に達すれば、一段の買い材料となります。3週間後に大統領選が近づいており、合意には懐疑的見方が根強いですが、少しでも協議が前進すれば、選挙後の合意期待が下支えとなって上昇をサポートするとみられます。

今週の指標:ドル/円

 米国の大統領選に向け、トランプ大統領とバイデン候補の政策や発言が注目され、為替相場動向の手掛かりとなりそうです。

 最新の情報ではバイデン氏がリードを広げており、同氏の勝利が高まればバイデン氏の政策は大幅増税でも、これをもとにした大型インフラ投資を考えており、長期的には米国経済の活性化につながるとの見方が増えています。そうなるとドル/円相場に対する支援材料となります。

 一方、追加経済政策はトランプ氏が先週末に包括的経済政策と民主党、共和党の提案の規模を上回る規模を提示しており、政治ショー化しています。期待が過剰に盛り込まれれば、政局次第で相場が混乱することになります。1ドル=105~107円のレンジを想定しています。

先週の結果

NYダウの上昇にツレ高し、日経平均はコロナ・ショック後の高値9月29日の2万3,622円を10月9日に2万3,725円で更新

 先週は、NYダウ平均株価が10月5日(月)に+465ドルの2万8,148ドルとチャートで買い転換し、再び上を目指す形となってきたことで、日経平均は週初めから買い戻しが入って大幅高となってきました。

 先週に予想したようにNYダウの上昇をサポートする目先の材料は、追加の経済対策への合意ですが、先週末に民主党のペロシ米下院議長が航空業界への合意を示唆したことで与野党による追加経済政策への合意の期待が高まりました。NYダウは9月21日に2万7,147ドルで売り転換となって、2万6,537ドルまで下げましたが、ここからの戻りで2万8,364ドルを終値で抜けると再び2万9,000ドルを試すことになるとしました。

 結果的に、8日(木)に+122ドルの2万8,425ドルと2万8,364ドルを上回って引けたため、さらに上を目指すことになります。日経平均はNYダウに連動するので、当然、日経平均も戻りを試すことになります。

10月5日(月):新型コロナに感染して入院していたトランプ大統領が、5日にも退院の可能性があると報じられると、日経平均は+224円の2万3,254円で寄り付き、時間外の米株先物が上昇。これを受け+347円の2万3,377円まで上昇しました。その後、買い一巡後はもみ合い、上値も重くなりましたが、下値も限定的で終値は+282円の2万3,312円でした。 

6日(火):前日の米株式がトランプ氏の退院と追加経済政策期待で一段高となったことで+107円の2万3,420円と続伸して寄り付き、しっかりした動きが続きました。後場になると+129円の2万3,441円の高値をつけ、その後も高値圏で推移し、終値は+121円の2万3,433円と続伸して引けました。 

7日(水):前日の米国市場では、トランプ氏が経済政策を巡る与野党協議の中止の指示を出したことで、主要3指標そろって反落。これを受けて日経平均は▲161円の2万3,272円で寄り付くものの、ここを安値に下げ渋り、後場は下げ幅を縮小して▲1円の2万3,432円まで戻しました。これは昼前にトランプ氏が航空業界と中小企業に給与補償策を承認する用意があるとツイートしたことがサポートとなりました。 

8日(木):前日の米国市場では、トランプ氏のツイート(航空業界や中小企業向け支援政策の成立)で追加経済政策への期待が戻ったことで、主要3指標が大幅高に。これを受け、日経平均も+83円の2万3,506円で寄り付き、為替も1ドル=106円近辺の円安水準になったことで、前引けは+213円の2万3,636円となりました。後場には半導体も買われ、日経平均は+278円の2万3,701円まで上昇して、+224円の2万3,647円とコロナ・ショック後の戻り高値を更新して引けました。 

9日(金):前日の米国市場は引き続き、追加経済対策への期待が続き主要3指標も続伸。これを受けて日経平均は+66円の2万3,713円で始まるものの、+78円の2万3,725円まで上昇すると、8日に8カ月ぶりの高値更新したこともあって利益確定売りが出やすく、後場には一時▲94円の2万3,552円まで下げて、終値は▲27円の2万3,619円と小反落となりました。ミニオプションSQ(特別清算指数)は、10月SQで2万3,724円となりました。 

週末の米国市場:トランプ氏が共和党と民主党が提案していた支援策を大きく超える包括的経済政策の考え方を述べたことで期待が高まり、3指標そろって3日続伸し、NYダウは+161ドルの2万8,568ドルとなりました。NYダウの週間上昇率は+3.27%で8月以来の週間上昇率となっています。シカゴの日経先物は、為替が1ドル=106円近辺から105.59円の円高となったこともあり▲10円の2万3,560円でした。

(出島 昇)

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