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1万円で買える米国高配当株5選!11月権利落ち分を解説

トウシル / 2020年10月22日 11時0分

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1万円で買える米国高配当株5選!11月権利落ち分を解説

 米国の株式市場は世界最大の時価総額を持ち、建国当初から株価は右肩上がりの成長を続けています。その理由の一つとして、常に企業の新陳代謝が起こり、時代ごとに革新的な企業を生み出しています。

 米国株式の代表的な株式指数は、鉄道・公共事業以外の工業株30銘柄で構成される「NYダウ平均株価」、NASDAQ(ナスダック)に上場している全銘柄を対象とした「ナスダック総合株価指数」、NYSE(ニューヨーク証券取引所)とNASDAQに上場している大型株500銘柄を対象とした「S&P500指数」があります。

 これらに採用されている企業は長期間にわたり利益を出し続け、株価も上昇し、配当を増配し続けている銘柄も珍しくはありません。

 そこで2020年11月権利落ちの米国株高配当5銘柄について解説します。

 その前に、日本と米国の高配当銘柄への投資で、特に重要な3つの違いについて、お伝えします。

(1)米国株の配当金は、通常米国で10%、日本で20.315%の2段階、約30%の課税がされます。しかし確定申告で還付を受けることにより、日本株と同じように20.315%の税率と同じになります。ただし、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座で購入した場合は、日本での利益・配当金はもともと非課税のため、還付を受けることはできません。この場合は米国で10%の課税のみとなります。

(2)米国株は日本株と異なり、権利落ち日が月末に集中していません。そのため、銘柄ごとに権利落ち日を確認する必要がありますので注意が必要です。

(3)米国株は日本円で買う円貨決済と、米ドルで買う外貨決済を選べます。日本円から外貨に替える為替手数料も積もれば大きな金額になるので、米国株を買い続けるなら売却時にも外貨決済で米ドルにしなければ無駄に手数料を支払うことになります。

米国高配当株1:ファイザー(PFE)

 世界最大級の製薬会社で、社名は創業者の一人、チャールズ・ファイザーから名づけられました。時価総額は2,083億ドルで、日本円で約22兆800億円となっています。

事業の注目ポイント

 売り上げの中心はバイオファーマ事業で、続いてアップジョン事業となります。米国での売り上げは半分以下と、ファイザーの製品は世界中で利用されています。

 バイオファーマ事業は、乳がん治療薬の一つである「イブランス(日本名:パルボシクリブ)」や肺炎球菌結合型ワクチンである「プレベナー」などの製品が中心となります。

 アップジョン事業は、神経障害性疼痛(とうつう)に用いられる医薬品の「プレガバリン」や、肺動脈性肺高血圧症の「バイアグラ」などを取り扱っています。ただし、アップジョン事業は売却予定のため、2021年以降は現在の売り上げの20%程度減となりそうです

株式の注目ポイント

 リーマン・ショック時にも配当を出しており、過去20年以上にわたり無配は一度もありません。上下の変動はあるものの、ファイザーは毎年安定して利益を上げていることによるものです。株価も新型コロナウイルス発生前近くまで戻しており、配当を目的として保有する銘柄として、検討してもよさそうです。

業績動向

 7月28日に発表した四半期決算では、売り上げ・EPS(1株当たり利益)ともに予想を上回りました。次の決算発表は10月27日の予定で、7月の売り上げ・EPSと同程度の数字が予想されています。

注意点

 同業他社と比較すると売り上げとEPSが、ここ数年あまり成長していません。また、8月末にNYダウ構成銘柄から除外されるなどによって、株価の調整が続いていました。これからの成長には新薬開発が必要となります。ビオンテックと共同開発している新型コロナのワクチンに期待したいところです。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.52ドル
配当利回り:4.05%

この銘柄の権利落ち日は、11月5日です。
配当は1.52ドル、配当利回りは4.05%(2020年10月20日時点)です。
株価は37.49ドルで約4,000円から購入できます(1USD=106円で計算)。2017年からの最高値は46.23ドル、最安値は28.49ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株2:ファーストエナジー(FE)

 オハイオエジソンなど、複数の配電会社を傘下に抱える持ち株会社です。時価総額は173億ドルで、日本円で約1兆8,300億円となっています。

事業の注目ポイント

 複数の合併を行ったことで事業を拡大してきました。それに伴い米国中西部および中部大西洋岸地域の600万人の顧客にサービスを提供する、米国最大級の公益事業を行う民間企業となりました(米国最大の投資家所有=投資家所有のIOU[公益事業]は、公益事業として機能する民間企業)。主要事業は配電(regulated distribution)なので、参入障壁の高いビジネスモデルとなっています。

株式の注目ポイント

 配当についてはリーマン・ショック時にも無配にしていませんが、株価はコロナ禍前の水準には戻っていません。新型コロナの影響もありますが、同社に関係した大型の贈収賄事件があり、これが株価の回復を遅くしています。株価の回復には時間がかかりそうですが、事業は比較的安定しています。この株価が大きく下落した局面で、長期的な投資として保有を検討してもいいと言えるかもしれません。

業績動向

 2020年7月23日開示の四半期決算では、売り上げは市場予想を下回りましたが、EPS(1株当たり利益)は市場予想を上回りました。次回10月30日の開示の四半期決算でも売り上げ・EPSともに大幅な伸びを予想しており、現在のところ、贈収賄事件の業績への影響は少なそうです。

注意点

 新型コロナの影響が長引いたときの電力需要の低下が一番の懸念です。経済活動は回復してきていますので、今後の需要回復に期待したいところです。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.56ドル
配当利回り:4.9%

この銘柄の権利落ち日は、11月5日です。 
配当は1.56ドル、配当利回りは4.9%(2020年10月20日時点)です。
株価は31.83ドルで約3,400円から購入できます(1USD=106円で計算)。2017年からの最高値は52.27ドル、最安値は27.09ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株3:ブンゲ(BG)

 圃場(ほじょう)から消費者食品まで農業・食品関連事業を一括して行っています。時価総額は77億ドルで、日本円で約8,130億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は農業関連事業で、売り上げの約70%を占めており、農場から消費者まで、上流から下流までを一手に取り扱っています。同事業では、農産物及びコモディティー商品について購買・貯蔵・輸送・加工及び販売を一貫して行っており、欧州・米国・アジアと世界で幅広く展開しています。

株式の注目ポイント

 リーマン・ショック時にも配当を出しており、過去19年以上にわたり無配は一度もない企業です。

 株価は新型コロナウイルス発生前の水準までは戻していませんが、これから徐々に飲食店などの需要が回復した場合には、株価も以前の水準に戻っていくと予想されます。 

 また、中長期的には世界人口が増えていくことから、同社のような食の事業を取り扱う企業は安泰であると考えられます。

業績動向

 2020年7月29日開示の2020年第2四半期決算では、売り上げは市場予想を下回りましたが、EPS(1株当たり利益)は市場予想を上回りました。次回は10月28日に四半期決算が開示予定ですが、EPSが前年同期比と比べて下落予想となっており、市場予想を上回る決算を出してくれるか注目です。

注意点

 農業関連事業を取り扱う業種には共通していますが、天候に影響を受けやすい点には注意が必要です。近年の異常気象の影響などで売上高が上下しており、そういった影響により株価が下がる可能性があります。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.0ドル
配当利回り:3.63%

この銘柄の権利落ち日は、11月17日です。
配当は2.0ドル、配当利回りは3.63%(2020年10月20日時点)です。
株価は55.03ドルで約5,800円から購入できます(1USD=106円で計算)。2017年からの最高値は83.22ドル、最安値は30.25ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株4:フォルティス(FTS)

 カナダに本拠を置く北米を代表する公益事業会社です。送電や水力発電など10の事業で構成されています。時価総額は190億ドルで、日本円で約2兆130億円となっています。

事業の注目ポイント

 アリゾナ州をベースに電力・ガスエネルギーを提供するUNSエナジー、送電のみに重点を置いた米国最大の独立系送電会社ITCホールディングスなど複数の事業から構成されています。これらの安定した事業により、フォルティスは同規模の同業他社に比べても時価総額の伸びが顕著です。

株式の注目ポイント

 株価は既に年初の水準まで回復しています。経済活動の回復とともに需要が回復してきたことによるものです。47年連続で配当金を増配してきた歴史があり、2025年まで増配を予定しています。

業績動向

 2020年7月30日開示の第2四半期決算では、EPS(1株当たり利益)と売上高は市場予想通りの結果となりました。事業の中心が公益事業のため、業績は比較的安定しています。

注意点

 世の中の流れがESG(環境、社会、ガバナンス)へと傾いており、今後同社がより環境に配慮した事業展開を行っていけるかが株価の動向を左右しそうです。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.51ドル
配当利回り:3.7%

この銘柄の権利落ち日は、11月17日です。
配当は1.51ドル、配当利回りは3.7%(2020年10月20日時点)です。
株価は40.84ドルで約4,300円から購入できます(1USD=106円で計算)。2017年からの最高値は44.30ドル、最安値は29.08ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株5:ライダー・システム(R)

 トラックリースの米国最大手企業で、自動車・電子機器・食料品店・建材輸送業者・フードサービス・家具販売店などが顧客ベースです。またサプライチェーンソリューション事業も提供しています。時価総額は27億ドルで、日本円で約2,870億円となっています。

事業の注目ポイント

 フリートマネジメントソリューションが事業の中心となります。同事業は、リースやメンテナンスを行うライダー・システムの売り上げの約60%を稼ぐ事業です。また、サプライチェーンソリューション事業では倉庫や配送センターの運営なども手がけています。

株式の注目ポイント

 リーマン・ショック時にも無配にしていません。しかし、株価は新型コロナ前の水準をまだ回復していません。新型コロナの影響もあり、商業用リースの売り上げなどが大きく落ち込んでいることも株価の回復が遅い要因の一つです。

業績動向

 2020年7月29日開示の第2四半期決算は売り上げでは予想を下回りましたが、EPS(1株当たり利益)は予想を上回りました。決算の影響を受けて株価の大きな変動はなく、想定の範囲内だったようです。

 しかし近年、売り上げは順調に拡大していますが、販売管理費が増えていることもありEPSが下がっており、次回の決算では利益率がどのくらい改善するか注目です。

注意点

 売り上げは米国内が90%近くを占めており、新型コロナによる経済活動回復の遅れや、再度のロックダウンによってさらなる業績悪化のリスクがある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.24ドル
配当利回り:4.45%

この銘柄の権利落ち日は、11月20日です。
配当は2.24ドル、配当利回りは4.45%(2020年10月20日時点)です。
株価は50.31ドルで約5,300円から購入できます(1USD=106円で計算)。2017年からの最高値は89.82ドル、最安値は22.93ドルとなっています(終値ベース)。

【要チェック】
リーファス社の公式YouTubeチャンネルニーサ教授のお金と投資の実践講座では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。

(西崎努)

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