相場のうねりをとる究極のトレンドフォロー手法

トウシル / 2020年10月23日 12時31分

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相場のうねりをとる究極のトレンドフォロー手法

不確かな世界でも、最も理にかなう投資哲学はトレンドフォローだ!

 相場には方向性を持っている「トレンド相場」と、無秩序に動いている「ランダム相場」がある。現在の相場が「トレンド相場」なのか、あるいは「ランダム相場」なのかを見定めるのに有効な指標は「標準偏差ボラティリティ(Standard Deviation)」と「ADX(Average Directional Index)」である。

「標準偏差ボラティリティトレードモデル」では、相場に方向性が出てくると、標準偏差ボラティリティとADX(アベレージ・ディレクショナル・インデックス)が上昇する。標準偏差ボラティリティとADXが低い位置から一緒に上昇する場合は、相場が保ち合いを離れ、強い方向性をもつシグナルとなる。

ポンド/ドル(日足)「標準偏差ボラティリティトレードモデル」

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
下段:標準偏差(26)水色のライン・ADX(14)黄色のライン
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

 相場に大きなトレンドが発生する可能性のある局面は、標準偏差ボラティリティが上昇し、ボリンジャーバンドの±1シグマをブレイクしたときである。相場がボリンジャーバンドの±1シグマの外側にあるうちはトレンド相場が継続しており、ポジションを持ち続けると大きなトレンドをとらえることができる。

 一方、標準偏差ボラティリティとADXがピークアウト(天井をつけ下落)すると、トレンド期とはやや逆方向にバイアスがかかった「横ばいレンジ内での乱高下相場」となりやすい。

 下のユーロ/ドルの日足チャートを見ていただきたい。

 標準偏差ボラティリティとADXがピークアウトするポイントが、レンジ取引(アウトオブザマネーの行使価格のコールとプットを両方売るオプション戦略・相場が大きなレンジに収まっていれば収益が上がる戦略)の仕掛け場である。

ユーロ/ドル(日足)「標準偏差ボラティリティトレードモデル」

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
下段:標準偏差(26)水色のライン・ADX(14)黄色のライン
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

 最近、「標準偏差ボラティリティとADXの位置が低いから、相場はレンジ相場になる」という、【誤った解釈】をしている人をみかけるが、標準偏差ボラティリティとADXが低い位置にあるときは、「次のトレンド待ち」の時期であって、レンジ取引の仕掛け場ではない。

 相場で大きな収益機会になりやすいのは、標準偏差ボラティリティとADXが低い位置から一緒に上がっていく局面で、これを相場用語では「保ち合い放れ」・「レンジ・ブレイク」・「ボラティリティ・ブレイクアウト」などと呼んでいる。

 ワイルダーが考案したADXはDI(方向性指数)の平均(アベレージ)で、価格の変動幅を指数化してトレンドの強弱を指数化したものだ。これまで一般的なADXと波形が違うという質問を山ほど受けてきたが、筆者はワイルダーのオリジナルADX、すなわち、ADXを電卓で計算する簡易法である<修正平均ADX>を使っている。標準偏差ボラティリティとADXの2つの指標が低い位置から一緒に上昇している時は、相場が保ちあいを離れ強いトレンドが発生したという判断になる。

 よく誤解されるが、標準偏差ボラティリティとADXはトレンドの強弱を表す指標であり、相場が上昇しているのか、下落しているのかを示す指標ではない。

石原順のトレードの基本姿勢

 筆者の売買手法はトレンドフォロー(順張り)が基本である。そして、筆者の相場に対する取り組みの基本姿勢は以下のとおりである。

●相場はタイミングがすべてである(相場観が当たることと相場でもうけることには何の関係もない)
●相場は確率に賭けるゲームである
●相場は防御(資産管理)の上になりたっている
●素早い意志決定のために売買手法は単純でなくてはいけない
●値ごろ感は持たない
●自分のしていることを理解する
●総資産の10%を失ったら相場を休む
●苦境に陥っても自分の決めたルールを守る
●相場に一喜一憂しない
●追い込まれてやる売買は必ず負ける
●常に楽観的であれ
●相場は明日もある
●信じられないくらいもうかったら相場をやめよう

ポートフォリオを株式・不動産、現金、債券、金属に25%ずつ分散するべき

 債券王ジェフリー・ガンドラックは、先日、「今後の先行きは全くわからないし、結構過激に変わる可能性があるので私の助言は極端に投資を分散させることだ。こんなことは今まで勧めた事は無い」と、発言した。くしくも、マーク・ファーバーが同じことを述べている。まったきランダムネス、不確実性の時代のポートフォリオは「分散」が重要となる。

 以下は、マーク・ファーバーのTNCTVインタビューから要点を抜粋したものである。

Q)投資家にポートフォリオを株式、不動産、現金、債券、金属に25%ずつ分散するべきだと言っていた。現在のマクロ環境下において現在もそう見ているのか?

A)人生を通して辛抱強くなければならない。辛抱強くなるのかそうではないのかの問題ではない。もし株式を25%しか持っていないとすると、それは少なすぎると言われるかもしれない。しかし25%不動産を持つ事は株式を持つのと同じような事だという。つまり、株が強ければ、不動産価格は同じ方向に動く、たぶん、もっと激しい場合もあるし、そうでもない場合もある。 しかし、負債を所有しているのに比べれば、資産である。基本的には銀行への預金や債券だ。そして、貴金属がある。これも流動性が上がれば上昇する資産だ。言い換えれば、今起きているのは、中央銀行がお金を印刷すれば、現金の購買力が下がると言うこと、マイナス金利の場合は。

 そして、無期限に掛けることができない、または掛けることができるが、はるかに遅い速度である資産は、シルバー、プラチナと言われている。これらの資産は上昇する傾向があるので、資産の約25%を金および関連資産で保有することを勧める。それが唯一収益をあげられるものだったので、多くの人はすでに保有する金を売ってしまったが。

Q)FRBはインフレターゲットへの長期的なコミットメントを避けた。この発表に先立ち、すでに貴金属への投資を勧めていた。最近は非常に強く上昇しているが、FRBの最近の動きで金に投資すべきだという主張が強まったと思うか?

A)中央銀行のこれらの学者たちがどのように話しているかを見る必要がある。彼らはあなたの家に釘を打つことができないように見える。彼らは学者だからだ。彼らは自分たちの生活の中で働いたことはない。私はこれらの学者たちを間違っても運転手として雇ったり、庭師として雇ったり、料理人として雇ったりしない。彼らは役に立たない。だから、私は金を所有している。私は彼らがお金を印刷し続けるだろうという結論に達した。金融システムが破綻しているため、米国政府を救済し、州政府を救済し、年金基金を救済しなければならず、裏付けのない債務は巨大に膨らんでいる。

Q)FRBがインフレターゲットから離れたことも米ドルに下落圧力をかけている。オーストラリアを含む他の国々は米ドルの低下が競争力を損ない、経済のディスインフレ傾向を助長することを懸念している。この為替オーバーレイは、米国以外の株式に関する投資ビューに影響を与えているか?

A)そうだ。私は過去6カ月間、米ドルが脆弱になっていると主張してきた。ご存知のように、第一次世界大戦後、私たちは基本的に、世界の準備通貨として英ポンドを米ドルに置き換えた。そしてそれは今まで世界の準備通貨だった。しかし、世界中の無知な政府関係者や中央銀行家でさえ、米国はもはや世界の通貨の信頼できる保有者または生産者ではないことを理解し、認識しなければならないと思う。

Q)基軸通貨は変わるのか? あなたはどう思うか?

A)それはわからない、米ドルは5年ぐらいで基軸通貨でないかもしれない。もしかしたら、金本位制に戻っているかもしれない。

Q)あなた方はデジタル通貨が未来と言っているがビットコインについてはどう思うか?

A)彼らは正しいと思う。仮想通貨の問題はどこの悪党がその暗号通貨をコントロールするかということだ。そしてあなた方は、多くとも2,200万個の仮想通貨しか発行しないという誰かを信じなければならない。

 ビットコインには実際には未来があると思う。人々や投資家には、少なくともビットコインに少しのお金を割り当てることを進める。金銀やプラチナが高く評価されるのと同じ理由で、ビットコインは米ドルに対して高くなると思う。

Q)もし金に対してビットコインの価格をつけるとすれば、来年の今頃、金、ビットコインともそれぞれどのくらいの価格になっていると思うか?

A)わからないが、もっと高くなる可能性があると思う。そして、それらが低ければ、世界は完全に混乱するだろう。そして、それらが低ければ、株価は下落すると自信を持って言える。すべてが崩壊する可能性がある。すべてが崩壊するとしたら、幾らかの金を所有していても良いだろう。金に関する唯一の問題は、政府が悪意を持ったときにあなたの金を奪うということだ、その場合、あなたはそれをうまく隠した方が良い。

Q)さて、7年前に最後に話した時にあなたが言った多くの予測と非常に一致していることを示して欲しい。あなたは以前とほとんど同じことを言っている。今、私たちは世界と金融市場を襲った世界的大流行を経験した。このことについてあなたはどう思うか? どのくらい続くか、そして金融システムに対するCOVID-19の影響は?

A)誰もCOVID-19の正体を知らない。それがどのように広まったか、なぜ政府がCOVIDにそのように反応したのか? どうして死亡率が低い中、政府は経済を封鎖したのか誰もわからない。それはほとんどの場合80歳以上の人を襲った。私のような老人に影響を与えただけだ。

Q)世界的に前例のない影響を考えると、この時期に金融市場に何が起こるかを予測できるか?

A)いやわからない、だからこそ私はいつも同じことをいう。そして私はどうなるかわからない中で言っているのだ:25%の株式、25%の債券、25%の貴金属、25%の不動産に分散するべきだ。しかし、もしたくさんのお金を持っているなら、国際的に分散するべきであろう。

出所:TNCTV「Marc Faber: Pandemic predictions for gold, silver, stocks, real estate, bonds & bitcoin」

ゴールド(日足)

上段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:ボリンジャーバンド(21)
出所:石原順

ゴールド(月足)

上段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:ボリンジャーバンド(21)
出所:石原順

10月21日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」

 10月21日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」は、今週は武田則孝さん(楽天証券FXディーリング部)をゲストにお招きして、「相場のうねりをとる究極のトレンドフォロー手法・不確かな世界でも、最も理にかなう投資哲学はトレンドフォローだ!」、「東京時間・ロンドン時間・NY時間のFX相場のクセ」というテーマで話をしてみた。ぜひ、ご覧ください。

東京時間・ロンドン時間・NY時間のFX相場のクセ

出所: YouTube

 ラジオNIKKEIの番組ホームページから出演者の資料がダウンロード出来るので、投資の参考にしていただきたい。

10月21日: 楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー

出所: YouTube

(石原 順)

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