税理士が教える株式投資の年末準備・税を抑えて投資成果を最大化する方法

トウシル / 2020年11月13日 6時0分

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税理士が教える株式投資の年末準備・税を抑えて投資成果を最大化する方法

2020年の投資成績はいかがですか?

 早いもので2020年もあと1カ月半ほどとなりました。今年2020年は新型コロナウイルスに振り回された1年でした。お仕事に大きな影響があった、という方も少なくないと思います。

 株式マーケットも、まさに波乱万丈でした。2~3月にかけての急落後、4月以降は株価が大きく上昇してコロナ・ショック以前の水準をはるかに上回るものも多数生じている一方、コロナ・ショック時の急落の際につけた安値をも下回ってしまう銘柄も出ています。

 したがって、今年はコロナ・ショック時の急落を上手に切り抜けることができたか、そして4月以降の上昇局面でどのような銘柄に投資したかで、大きく利益を得ることができた方と、逆に大きな損失となってしまった方とに分かれているのではないかと思います。

 そこで、利益が出た方も損失となってしまった方も税金面では損をしないために、年末までにやるべきことを確認しておきましょう。

2017年に発生した繰り越し損失は今年中に相殺しないと切り捨てられる

 税務上、上場株式の売買などで損失が生じた場合、毎年確定申告をすることを条件に、3年間損失を繰り越しすることができます

 ただし、3年間を経過したときに残っている繰り越し損失は切り捨てられてしまいます。

 今年であれば、2017年に発生した繰り越し損失は今年中(2020年中)に使い切らないとなくなってしまいます。

 2017年に発生した繰り越し損失がまだ残っていて、かつ含み益を有する株がある場合、その株を売却して利益を実現させ、繰り越し損失と相殺すれば節税をすることができます。

 なお、繰り越し損失は株の売却益だけでなく、配当金と相殺することもできます

 したがって、例えば2017年に発生してまだ残っている繰り越し損失があるものの、2020年に受け取った配当金の方が多い場合、無理に含み益がある株を益出ししなくても、繰り越し損失と配当金を損益通算すれば繰り越し損失を使い切ることができます。

含み損がある株を持っている場合は?

 もし、今年の実現利益が大きくプラスで、かつ含み損を抱えている株を持っている場合は、その株を売却して「損出し」をすることにより、税額を抑えることができます

 来年以降に売却してもよいのですが、もし来年以降に売却して、その年の損益がマイナスになった場合、損失は繰り越せるものの3年経過すると切り捨てになってしまいます。多額の含み損をかかえた塩漬け株でもはやどうしようもない、という持ち株があり、かつ今年の実現利益がプラスなのであれば、今年中に売却してしまった方が、確実に税額を減少させることができます。

 なお、今年の利益がプラスであっても、過去3年間の繰り越し損失(今年であれば2017~2019年分)がまだ相殺し切れず残るようであれば、過去の繰り越し損失と今年の利益の相殺を優先させた方がよいでしょう。無理に含み損のある株を売却して損出しするより、過去の繰り越し損失を使い切る方が節税の観点からは有効です。

特定口座の課税方式の変更も年内にやっておこう

 特定口座をお持ちの方は多いと思いますが、特定口座の課税方式を変更するのであれば、年内に手続きしておくことをお勧めします。

 特定口座には、さらに「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の二つの課税方式があります。源泉徴収ありの口座であれば、株式投資での売却益につき源泉徴収されるため、別途確定申告しなくても良くなります(確定申告した方が有利なら確定申告することもできます)。

 実は特定口座の源泉徴収あり・なしの変更は、その年に特定口座で株式の売却などをするまでの間でないとできないことになっています

 したがって、来年から特定口座の課税方式を変更したいのであれば、年内に手続きを済ませておくのが確実です。

参考≫楽天証券「源泉徴収区分等変更の手続き方法」

NISAのロールオーバーは今すぐにでも手続きを!

 読者の皆さんの中には、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座で株式を保有している方も多いと思います。NISA口座での運用期間は5年間ですが、手続きをすることでこれをさらに5年間伸ばす(正確には6年目のNISA非課税枠を使う)ことができます。

 この5年間の運用期間をさらに5年間伸ばすことを「ロールオーバー」と言いますが、これは自動で行われるわけではなく、証券会社にて手続きを行う必要があります。

 今回であれば、2016年にNISA口座で購入した株式を、2021年のNISA非課税枠を用いてロールオーバーしたい場合が該当します。

 状況ごとに手続きの方法や締め切りも異なっています。今すぐに準備しないと間に合わないケースもありますので、NISA口座のある証券会社のサイトなどで確認しておきましょう。

≫参考:楽天証券ウェブサイト

(足立 武志)

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