日本株2021年の投資は自然体?バブル継続も崩壊もあり得るワケ
トウシル / 2021年1月7日 13時38分
日本株2021年の投資は自然体?バブル継続も崩壊もあり得るワケ
2020年の株式投資の結果はいかがでしたか?
新年あけましておめでとうございます。本年も実践に即した知識・情報の提供に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回は2021年の初回ですので、2020年の振り返りと2021年の戦略について考えていきたいと思います。
皆さんの2020年の株式投資の結果はいかがでしたでしょうか。2020年の日本株は、2~3月のコロナ・ショックで日経平均株価が30%以上下落したと思ったら、その後の上昇で29年ぶりの高値に達し、結局は年間騰落率がプラス16%という結果となりました。
このプラス16%というのが一つの目安になりますが、手掛けていた銘柄によって、これを大きく超えるプラスの方や、逆に大きくマイナスになっている方もいらっしゃると思います。
それほどまでに、2020年の日本株は、どの銘柄に投資していたかによって大きなパフォーマンスの差につながった年だったと感じます。
筆者は、コロナ・ショックの初期段階で保有株を売却したことと、4月中旬以降、マザーズ銘柄を数多く手掛けていたおかげで、運よくよい投資成果を残すことができました。
NT倍率の上昇が表していること
2020年の年間を通してもう一つ言えること、それはNT倍率が大きく上昇した点です。2020年の1年間で、13.7倍から15.2倍に上昇しています。
NT倍率とは、日経平均株価をTOPIX(東証株価指数)で割った数値で、これが上昇しているということは、日経平均株価の方がTOPIXより強い動きであると意味します。
一般的に、個人投資家好みの株は日経平均株価の採用銘柄には少ないので、NT倍率が上昇している時は、「日経平均株価は上がっているけど、私の持ち株は上がらないなあ」という感覚を個人投資家の多くが持ちます。
また、日経平均株価へ与える影響度が高い銘柄、例えばファーストリテイリング(9983)、ソフトバンクグループ(9984)、エムスリー(2413)、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)などが軒並み2020年に大きく株価を上昇させている点も見逃せません。
こうしたことから言えるのは、日経平均株価や、日経平均株価に影響を与える銘柄は大きく上昇したものの、それ以外の銘柄についてはそれほど上がらなかった、もしくは逆に下落したという傾向にある、という点です。
2021年の展望:バブル継続も崩壊もあり得る
では、筆者は2021年をどのように考えているかというと、バブル継続もバブル崩壊も両方とも大いにあり得るとみています。
現在のバブル相場は、世界規模での金融緩和により引き起こされていることは言うまでもありません。景気はボロボロ、でも日経平均株価は30年ぶりの高値更新です。
もし金融緩和が継続したり、さらなるコロナまん延で追加的な緩和が行われた場合は、引き続き株価は堅調に推移し、バブル継続と見ています。
一方、特に米国が金融引き締めに転じた場合は、株価が大きく下落する可能性が高いです。
では、米国が金融引き締めに転じるとすればいつかといえば、新型コロナウイルスの感染が終息を迎え、景気が実際に回復してきたときだと思います。
個人投資家の中には、景気が実際に回復してくれば、さらに株価が上昇すると思っている方も少なくないかもしれません。しかし、そもそも現段階で株価と景気とはリンクしておらず、世界各国の金融政策により株価が変動しています。
したがって、景気がどれほど回復しようが、金融政策がこれまでの緩和から引き締めに転じれば、株価にとってはかなりのマイナスインパクトになるのではないかと感じます。
くれぐれも、「景気が回復しているのに株価が値下がりしているなんておかしい!」と株価が下落する中で、逆張りで買い向かわないようにしましょう。
2021年・筆者はどう行動するか?
もともと筆者は将来の株価を予想することはしません。予想して外れた場合、大きな損失につながりかねないからです。
また、ファンダメンタルズのみで株価の先行きを判断することもしません。ファンダメンタルズのみでの分析だと、今のようなバブルに乗れなくなりますし、逆に〇〇ショックのような大幅下落時に逆張りで買い向かってしまい、大きな損失を被ってしまう危険があるからです。
あくまでも株価の波、トレンドに逆らわずに、そのままついていくという自然体の投資行動を引き続きしていきます。
上昇トレンド転換直後の銘柄を買い、上昇トレンドが続く限り保有継続して利益を伸ばします。下降トレンドに転じた保有株は速やかに売却し、下降トレンドが続く限り新規買いは控え、損失の極小化を目指します。
また、2020年のような動きが継続するのであれば、銘柄による株価の値動きもマチマチになることが想定されます。特に、今のようにNT倍率の上昇が続くようであれば、個人投資家が好む個別銘柄はサッパリ……という展開も大いに考えられます。
したがって、業績が好調である成長株を引き続き中心に据えたうえで、年末にかけて上昇していた景気敏感株や、日経平均株価への寄与度が高い銘柄にも買いを入れます。さらに、日経平均株価そのものの上昇の恩恵を受けられるよう、日経平均先物にも投資します。
筆者は先物取引やオプション取引も行っていますが、先物取引には抵抗がある、という方は、日経平均株価に連動するETF(上場投資信託)などでもよいと思います。
引き続き、上昇トレンドの強い株を買って保有して利益を伸ばし、下降トレンドに転じたら速やかに売却して大きな損失を回避する、という大原則に沿って2021年もしっかりと成果をあげていきたいと思っています。
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(足立 武志)
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