日経平均上昇。米中景気好調と1ドル110円台の円安も追い風
トウシル / 2021年4月5日 7時48分
日経平均上昇。米中景気好調と1ドル110円台の円安も追い風
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 [動画で解説]日経平均上昇 米中 景気好調 1ドル110円台の円安も追い風」
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米景気好調・ドル高(円安)を好感、日経平均上昇
先週(3月29日~4月2日)の日経平均株価は1週間で677円上昇し、2万9,854円となりました。先々週(3月22~26日)の下落(615円)を1週間で取り返しました。
日経平均が下げたところですかさず押し目買いが入る強い動きです。世界景気・企業業績の回復色が強まってきたことを受け、外国人が日本株の組み入れを引き上げる動きが続いていると考えられます。
日経平均推移:2020年10月1日~2021年4月2日
昨年10-12月期から、日本の企業業績の回復色が強まっています。中国および米国の景気回復の恩恵を受け、自動車、半導体など製造業の回復が予想以上に急ピッチです。
世界景気の回復に弾みがついてきたことを受けて、昨年11月から世界的に株の上昇が加速しており、日経平均もその流れで上昇してきました。
ところが2月以降、日経平均はやや上値が重くなりました。上のチャートをご覧いただくとわかる通り、2万8,700円~3万500円の範囲で保ち合いとなっています。米長期金利の上昇に歯止めがかからないことが不安視され、米国でナスダック総合指数などの調整が大きくなった影響を受けました。
私は2~3月に日経平均の上値が重くなったのは、金融相場から業績相場への転換点での足踏みと見ています。景気・企業業績の回復力が弱い間、米国FRB(連邦準備制度理事会)による金融緩和が原動力となって、世界的な金余りが株価を押し上げてきました。それが、米長期金利上昇によって終わる不安が出ました。
米長期金利(10年国債利回り):2020年1月2日~2021年4月2日
私は、本連載で繰り返している通り、米長期金利が1.7%に上昇しただけで世界的な株高が終わるとは考えていません。それには2つ理由があります。
【1】これから世界景気・企業業績の回復が加速すると予想している。
【2】米長期金利が上昇したと言っても、まだ1.7%台。FRBは、短期ゼロ金利と量的緩和を続けており、全体として緩和的な環境は変わっていない。
1ドル=110円台まで進んだ円安も追い風
1ドル110円台に乗せる「円安」が進んだことも、日本の企業業績に追い風となります。米景気の回復色が強まっていること、長期金利が1.7%台まで上昇したことが、ドル高(円安)が進む原動力となりました。それが、日本の企業業績にさらにプラスの効果をもたらします。
ドル/円為替レートの動き:2018年1月初~2021年4月2日
金融相場から業績相場への移行期と判断
米金利上昇の世界株に及ぼす影響について、私の意見は、これまでのレポートで述べてきた通りです。まだ金利上昇で株高が終わることを心配するのは時期尚早と考えています。
景気回復の終盤で、金利上昇が株安のきっかけになることがありますが、まだその段階に入っていないと考えています。今は、景気回復初期、金利上昇初期で、金利上昇と株高が両立する局面と判断しています。
景気、金利、株価は、密接に連携して動いています。景気が拡大・後退のサイクルを描く中で、金利・株価も一定のリズムでサイクルを描いています。景気、金利、株価には、一般的に、以下のような関係があります。
景気サイクルと、金利・株価サイクル
私は、現在の世界経済は、上記の景気拡大初期~中期にあると考えています。景気拡大初期(金融相場)から、景気拡大中期(業績相場)への移行期に当たり、まだ、金利上昇と株高が両立する局面と判断しています。
ただし、年後半に、実際に米景気が過熱し、インフレ懸念が強まり、米長期金利が2%を超えて上昇していくようになると、金利・株価サイクルは次の局面に入ります。その時は、金利上昇によって株が上がらなくなる「好況下の株安」局面に入ります。
年後半にかけて、実際に米国景気が過熱してしまう時には、株から脱出する必要が生じます。そうなった時には、改めて、本レポートで私の意見を伝えます。
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2021年3月18日:NYダウ最高値!FRBは2023年までゼロ金利示唆。ハト派スタンス変わらず2021年3月9日:日経平均3万円でも「日本株は割安」と判断する理由
(窪田 真之)
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