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日本株急落3つの理由 景気敏感バリュー株「買い場」の判断を再強調

トウシル / 2021年5月17日 7時35分

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日本株急落3つの理由 景気敏感バリュー株「買い場」の判断を再強調

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
[動画で解説]景気敏感バリュー株「買い場」改めて強調
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日経平均急落、3つの理由

 先週(5月10~14日)の日経平均株価は1週間で1,273円下がり、2万8,084円となりました。5月13日(木)には、一時2万7,385円まで下がりましたが、14日(金)に押し目買いが入って反発して2万8,000円台を回復しました。

 以下のチャ-トをご覧いただくとわかる通り、2月以降、NYダウは堅調なのに、日経平均は下げ基調が続いています。

NYダウと日経平均の動き:2020年10月1 日~2021年5月14日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 先週の日経平均急落に、3つの理由があります。

【1】日本の景気回復が遅れる懸念
【2】米景気が過熱する懸念
【3】日銀が金融政策を変更し、ETFを買わなくなったこと

日本の景気回復が遅れる懸念・米景気が過熱する懸念

 日本では、コロナワクチンの接種遅れと変異種の感染拡大から、東京・大阪などに発令された3回目の緊急事態宣言が延長されました。東京オリンピックの開催を危ぶむ声も出ています。日本の景気回復が遅れる懸念が出たことから、日本株を売る動きが出ました。

 一方、米景気は好調です。好調な米景気を受けて、NYダウの高値更新が続いていました。ただし、ここへきて、米景気が過熱する懸念が米国株の新たな不安材料となっています。

 コロナワクチンの接種が進み、リベンジ消費(コロナ禍でできなかった消費)がまとめて出る中、バイデン政権による1.9兆ドルの財政出動も行われることから、米景気は、年後半に過熱する可能性も出ています。

 もし、本当に過熱してしまうと、インフレが進み、米金利が上昇、そうなると、来年は過熱の反動で景気失速が視野に入ってきます。

 そうした懸念から、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)などグロース株の多いナスダック総合指数は調整色が深まっています。

 景気敏感株が多いNYダウは堅調ですが、ナスダックの調整が大きくなったことが、日本株でもグロース株が売られる要因となっています。

ナスダック総合指数の動き:2020年10月1日~2021年5月14日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

日銀のETF買いが出なくなったので、売り方が売りやすくなった

 日経平均急落の背景として、需給面で、日本銀行の買いが出なくなった影響もあると考えられます。今まで、日経平均が下げるとすかさず日銀が巨額の日本株ETF(上場投資信託)買いを出していたので、売り方は売りにくくなっていました。

 ところが、5月に入ってから、日銀の日本株ETF買いがまったくありません。4月21日に701億円買ったのが最後で、5月からは買いを止めています。

 3月19日の金融政策決定会合で政策変更した通り、日経平均がもっと大きく暴落しない限り、日本株は買わない姿勢を明確にしていると考えられます。

日本銀行による日本株ETFの月間買入額:2015年1月~2021年5月(14日まで)

出所:日本銀行の発表データより作成

 3月19日に日銀は、以下の通り、ETF買い付け方針の変更を発表しています。

【1】「日本株ETFを年間6兆円買い入れする原則」を削除
【2】必要に応じて「年間上限12兆円まで日本株ETFを買い入れる」方針は残す
【3】日経平均連動型のFTF買い付けはやめる。買う場合は、TOPIX連動型ETFにする

 日銀の発表は、「日経平均が高い水準の時は買わず、急落した時だけ買う」ことを明確にしたものと解釈されます。4月は721億円のみ買い、5月はまったく買っていません。

 これで、日経平均先物を売る投機筋は、売りやすくなったと思われます。それが、先週の日経平均の大きな下げの需給面での要因となっています。

景気敏感バリュー株「買い場」の判断を改めて強調

 私は緊急事態宣言の延長があっても、日本の景気・企業業績の回復は続くと考えています。確かに、外食・観光・イベント・電鉄・航空業の業績低迷は長引きそうです。それでも、米国と中国の景気拡大の恩恵を受ける、自動車、機械、半導体など製造業の業績は一段と拡大すると思います。

 また、AI(人口知能)、IoT(モノのインターネット化)、5G(第5次移動体通信ネットワーク)を活用する第四次産業革命も世界的に加速し、企業業績を拡大させる要因になると考えています。

 したがって、ここは景気敏感バリュー株「買い場」との投資判断を、改めて強調します。

 今期(2022年3月期)の東証一部の純利益は、前期(2021年3月期)比、約4割の増益になると予想しています。それを前提に、東証一部全体の割安度を測るPER(株価収益率)を計算すると約16.5倍で、日本株は割安と判断しています。特に、金融・資源関連・製造業などの景気敏感バリュー(割安)株の投資妙味が大きいと考えています。

 メインシナリオとして私は、日本の景気・企業業績の回復が年後半にかけて鮮明になり、日経平均は再び上昇に転じて、年初来高値(2月16日の30,467円)を超えていくと予想しています。

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(窪田 真之)

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