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投資信託にも「寿命」がある?保有の投信、デッドorアライブ?

トウシル / 2021年5月29日 8時0分

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投資信託にも「寿命」がある?保有の投信、デッドorアライブ?

永久じゃない?投資信託

 投資信託は中長期投資を前提とした金融商品です。しかし、すべての投資信託が永久に存続できるというわけではなく、一定のタイミングで寿命を迎えるものも多く存在します。

 このように、投資信託が運用を終了することを「償還」といいます。投資信託の償還が決まると、運用会社が信託財産を精算し、販売会社を通じて保有口数に応じた償還金が保有者(受益者)に返還されます。

 さて、この「償還」には、あらかじめ設定されていた期限で償還される「満期償還」と、この期限から前倒しで償還される「繰上償還」の2種類があります。

 原則は前者の満期償還ですが、投資家の支持を集められずに恒常的な資金流出が続いたり、運用成績が振るわずに純資産残高が減少し続けたりすると、後者の繰上償還によって強制的に運用が終了してしまうことがあります。

 では、ここでクイズです。○か×でお答えください。

クイズ信託期間を「無期限」としている投資信託は繰上償還の対象とならない。

信託期間が「無期限」の投資信託は繰上償還の対象にならない?

解答:×

 信託期間を「無期限」としている投資信託でも、繰上償還になることはあります。投資信託の残高が減少し続けると、運用会社は満足な運用を継続することが難しくなります。そこで、運用会社は、信託期間を「無期限」としている投資信託でも繰上償還の条件を設けています。

 一般的な繰上償還の条件は、「一定の受益権口数(残高)を下回り、今後も口数の増加が見込めない場合」で、最低ラインの残高は10億円(口)から30億円(口)に設定されていることが多くなっています。

繰上償還の条件は目論見書の「お申込みメモ」に記載があります

繰上償還はどのように決まる?

 実際に繰上償還の手続きが取られる際は、投資信託の保有者である受益者に対し、繰上償還に異議がないかどうかの書面決議が行われます。

 繰上償還に異議がある場合、受益者は書面による異議申し立て(議決権行使)を行うことができ、受益者の過半数、または、議決権(総口数)の3分の2以上の反対が集まれば繰上償還はなされません。

 しかし、議決権行使をしなければ繰上償還に賛成したとみなされるため、そのまま繰上償還される投資信託が多いのが実情です。

 特定のテーマに沿って銘柄を選ぶ投資信託は、特に運用成績が市場動向に左右されやすく、一過性のブームが過ぎると成績が悪化して残高が減少に転じることがあります。

 積み立てなど、長期投資を検討するときは「タイムリーすぎる」テーマで組成している投資信託に飛びつかない方がよいでしょう。

信託期間の延長は運用会社の判断

 なお、目論見書上に償還日が明記されている投資信託も、約款変更によって信託期間が延長されることがあります。残高の積み上げに時間がかかった投資信託や、償還日を前にして人気が出てきた投資信託などが例として挙げられます。

 信託期間の延長は、受益者に不利益をもたらすものではないため、前述のような書面決議は必要なく、運用会社の判断で行われます。

 延長決定のタイミングは、運用会社やファンドによって微妙に異なりますが、傾向としては、目論見書に記載されている償還日の1年~1年半前に延長決定がなされることが多くなっています。

 このように、信託期間を延長して運用を継続する投資信託もあるため、最初から無期限にこだわり過ぎない、ということもまた重要です。

(篠田 尚子)

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