1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

初心者のための、少額予算の金(ゴールド)投資

トウシル / 2021年6月24日 10時8分

写真

初心者のための、少額予算の金(ゴールド)投資

 貴金属銘柄の中でも人気がある「金(ゴールド)」への投資を検討している皆さまのために、具体的な金関連商品を紹介します。初心者の皆さまが手掛けやすいように、予算を比較的少額な、「1,000円」、「1万円」、「3万円」の3パターンにします。

 まずは一度、「金投資」の全体像を把握します。一口に「金投資」といっても、長期保有を前提にしていたり、短期売買に向いていたり、また、比較的リスクが低かったり高かったり、さまざまな商品があるからです。※本レポートは、楽天証券のサービスに準拠します。

まずは「金投資」の全体像を把握しよう

「金投資」は、取引の種類で分類すると、おおむね3つのグループに分けることができます。赤で示した「純金積立」「投資信託」のグループは、長期投資に適し、リスクをできるだけ取りたくない人に向いていると考えられます。

 青で示した「ETF(上場投資信託)」「金鉱株」のグループは、長期投資も短期売買も、両方できます。リスクは、相場変動のほか、売買する期間や投資額などによって増減します。緑で示した「先物」「CFD」のグループは、短期売買がしやすく、リスクを許容した取引ができる人に向いていると考えられます。

図:「金投資」の全体像

出所:筆者作成

 少額と聞くとリスクを抑えて「ゆっくり」取引することをイメージする人もいると思います。上図のとおり、そのイメージどおりの取引ができますが、少額でもリスクを許容して「頻繁に」取引することもできます。そしてその中間の「ゆっくり・頻繁に(どちらも可)」もできます。「少額予算」でも、3つ全てのグループの取引ができるわけです。

 この全体像を頭の中に入れた上で、金投資における少額予算の投資を考えていきましょう。

「1,000円」でできる金投資の例:「純金積立」、ポイントで購入できる「投資信託」など

「1,000円」でできる金投資の代表例を紹介します。

図:「1,000円」でできる金投資の例
※金鉱株(外国株)は 2021年6月17日の終値とドル/円(110円)で計算

出所:筆者作成

「純金積立」は、楽天証券では1,000円からできます。毎月定額を積み立てる「定額積立」を1,000円から設定できますし、相場の動向を見てその都度購入する「スポット取引」も可能で、この「スポット取引」も1,000円からできます。

 純金積立は、難解な専門用語(カタカナやアルファベットの単語)が比較的少なく、取引画面がシンプルで、初心者の方でも親しみやすい投資手法と言えます。

「投資信託」は、楽天証券では100円から購入できます。「積立」も「スポット購入」も可能です。また、楽天ポイントを利用したり、クレジットカードで決済したりすることもできます。

 楽天市場でモノを購入するような感覚で購入できるため、比較的気軽に始めることができます。(もちろん、投資であるためリスクを伴います)。また、表中の「ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)」は、楽天証券のiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)口座で積み立てることができます。

「純金積立」と「投資信託」の共通点は、「積立投資」ができる点です。人生の一大長期プロジェクトとも言える資産形成を進めるためには、「積立投資」が欠かせないでしょう。積立投資の考え方は「アドラー心理学に学ぶ、純金積立で成功するための秘訣[2] 」で述べていますので、興味がある方はご参照ください。

 表最下部のゴールド・フィールズ(GFI)は、「金鉱株」(外国株)です。6月17日の終値は9ドル強でした。金の鉱山を保有したり金を採掘する権利を保有したりする「金鉱株」の一つです。

 採掘コストが変わらない場合、金価格の上昇(下落)は採掘した金を売却する際の単価上昇(下落)になるため、金価格とこれらの企業の株価は連動する場合があります。特に、ドルで取引される金価格と外国株に分類される金鉱株で、連動する傾向がみられます。

 次は、「1万円」です。

「1万円」でできる金投資の例:「ETF」「金鉱株」、レバレッジが効いた「CFD」など

「1万円」でできる金投資の代表例を紹介します。

図:「1万円」でできる金投資の例
※ETF(国内株)は 2021年6月17日の終値を参照
※ETF(外国株)・金鉱株(外国株)は 2021年6月17日の終値とドル/円(110円)で計算
※CFDは2021年6月17日の終値とドル/円(110円)で計算した値の5%(レバレッジ20倍)相当

出所:筆者作成

「ETF」は、金価格に連動することを目指すように設計された金融商品です。ETFは証券取引所に上場しているため、株式を取引するように、取引します。

 取引画面に「4755」と入力すれば楽天グループが表示されるように、「1328」と入力すればNF金価格連動型上場投資信託が、「1540」であれば純金上場信託が表示され、取引することができます。また、楽天証券では、ETF国内株は投資信託と同様、楽天ポイントで購入することができます。

 金鉱株の「バリック・ゴールド」は、昨年(2020年)、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が購入したことで話題になりました。金(ゴールド)は保有していても、原則金利がつきませんが、個別株の場合、会社が配当を出せば、その配当を受け取ることができます。

 先述のとおり、ドルで取引される金価格と外国株に分類される金鉱株は一定程度、連動する傾向があるため、「ゴールド・フィールズ(GFI)」や「バリック・ゴールド(GOLD)」など株式を保有することは、疑似的に金を保有する効果が期待できます。かつ、これらの会社が配当を出せば、配当を受け取ることができます。

 主要な5つの金鉱株である、バリック・ゴールド(Barrick Gold)、アングロゴールド・アシャンティ(AngloGold)、アグニコ・イーグル・マインズ(Agnico Eagle Mines)、フランコネバダ・コーポレーション(Franco-Nevada 後述)、ゴールド・フィールズ(Gold Fields)は、米IT大手、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)、アップル(Apple)、ネットフリックス(Netflix)、グーグル(Google)を指す、「FAANG(ファング)」になぞらえ、「BAANG」と呼ばれました。

「CFD」は、少額の資金でその額以上の大きな資金を動かすことができる、いわゆる「てこの原理」がはたらいている取引です。専門用語で言えば「レバレッジ」がかかっている取引です。FX取引(外国為替証拠金取引)は、CFDの一種で、通貨CFD取引(FX取引)で、ドル/円やユーロ/ドルの取引をするのと同じように、商品CFD取引で金の取引ができます。

 6月17日時点の、商品CFDの金の最低投資額は1万円でした(楽天証券の場合。レバレッジ20倍)。「てこの原理」により、実際には20万円程度の資金を動かしていたことになります。このため、相場が思惑通り動いた場合は大きな利益を得ることができる反面、思惑と逆に動いた場合は大きな損をする場合もあります。

 次は、「3万円」です。

「3万円」でできる金投資の例:「ETF(国内)」、商品先物など

「3万円」以下でできる金投資の代表例を紹介します。

図:「3万円」以下でできる金投資の例
※ETF(国内株)は 2021年6月17日の終値を参照
※金鉱株(外国株)は 2021年6月17日の終値とドル/円(110円)で計算
※商品先物(国内)は 2021年6月17日時点の1枚あたりの証拠金の額を参照

出所:筆者作成

「ETF」と「金鉱株」の概要については、「1万円」でできる金投資の例の箇所で述べました。「商品先物」は、CFDと同様、「てこの原理」がはたらいている(レバレッジが効いた)取引です。

 商品先物は、最低投資額に相当する1枚あたりの証拠金の額が決まっているため、相場が変動すれば(結果的にかかっている)レバレッジの値が変動します。6月17日時点でいえば、レバレッジの値は国内の金ミニと金スポットがおよそ30倍、海外のマイクロ金がおよそ18倍です。

 証拠金の額は、定期的に見直されるほか、相場急変時は、過熱感を帯びている市場を鎮静化させる目的で、臨時で増額することもあります。商品先物は、CFDと同様、相場が思惑通り動いた場合は大きな利益を得ることができる反面、思惑と逆に動いた場合は大きな損をする場合もあります。

まずは「純金積立」か「投資信託」。なれてきたら「ETF」「金鉱株」「先物」「CFD」へ

 ここまで、さまざまな「金投資」をみてきました。3万円あれば、「純金積立」も「投資信託」も「ETF」も「金鉱株」も「CFD」も「商品先物」も、投資が可能であることがわかりました。(6月17日時点)

 まずは、冒頭の図で示した「売買頻度」と「リスク許容度」をもとに、どの投資商品が自分に合っているのかを考えてみることから、はじめてみてはいかがでしょうか。生活スタイルや投資に向けることができる資金の額が異なるため、どれを選ぶのかは人それぞれ、異なると思います。

 長期プロジェクトである資産形成のために「純金積立」や「投資信託」で保有残高を増やしつつ、金相場の動向をみながら、しばしば、「ETF」「金鉱株」あるいは「先物」「CFD」で短期売買を行うことなども、将来的な戦略の一つとして検討をしてみてもよいかもしれません。

 [参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

 楽天証券の純金積立「金・プラチナ取引」はこちらからご参照ください。

純金積立

金(プラチナ、銀もあり)

国内ETF/ETN

1326 SPDRゴールド・シェア
1328 金価格連動型上場投資信託
1540 純金上場信託(現物国内保管型)
2036 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ダブル・ブルETN
2037 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ベアETN

海外ETF

GLDM SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
IAU iシェアーズ・ゴールド・トラスト
GDX ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF

投資信託

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)
三菱UFJ純金ファンド

外国株

ABX Barrick Gold:バリック・ゴールド
AU AngloGold:アングロゴールド・アシャンティ
AEM Agnico Eagle Mines:アグニコ・イーグル・マインズ
FNV フランコ・ネバダ
GFI Gold Fields:ゴールド・フィールズ

国内商品先物

金・金ミニ・金スポット・白金・白金ミニ・白金スポット・銀・パラジウム

海外商品先物

金、ミニ金、マイクロ金(銀、ミニ銀もあり)

商品CFD(金・銀)

(吉田 哲)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください