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日経平均は米雇用統計と円安進行、新型コロナ感染者数次第で想定外の動きも?

トウシル / 2021年6月28日 16時55分

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日経平均は米雇用統計と円安進行、新型コロナ感染者数次第で想定外の動きも?

日経平均は2万9,000円水準でのもみ合い

 今週の日経平均株価は、2万8,500~2万9,500円のボックス圏の中で、2万9,000円水準を中心としたもみ合いが想定されます。

 日経平均が2万9,000円台で上値が重いのは、コロナワクチン接種の進展度合いはスピードを増しているものの、新型コロナウイルス変異株の感染拡大が東京で進んでおり、今週は、この感染者数が市場の関心を集めることになりそうです。

 五輪を控え、変異株が広がれば、再び経済停滞の懸念も高まり、相場の重荷となります。

 そうした中、週後半には米6月雇用統計があり、内容によっては、このレンジの範囲では収まらない場合も考えられます。

 日米のチャートの動きから、当面の動きを見てみると、NYダウの日足は3万4,000ドル近辺の保ち合いを下放れしており、上昇を確認するには6月1日の高値3万4,849ドルを終値で上抜く必要があります。

 日経平均も21日に2万7,795円まで急落しましたが、23日には2万9,000円まで戻し、週の終値では2万9,066円となって、急落前の水準を取り戻しています。

 日足チャートは、保ち合いをいったん下放れしていますので、再上昇を確認するには75日移動平均線(2万9,072円、25日時点)や、15日の高値2万9,480円を終値で上に抜く必要があります。

 米国株が堅調で、為替も一時1ドル=111円をつける円安となったこともあり、日経平均が上昇に転じていくことも考えられます。そのためには、7月4日の東京都議会議員選挙で、自民党が勝つことがポイントになりそうです。

今週の指標:日経平均株価

 先週の急落もすぐに元に戻したこともあり、上値は新型コロナの新規感染者数に市場の関心が集まりますが、今週の日経平均は2万9,000円水準でのもみ合いとなりそうです。

 米国では経済指標の発表が相次ぎますが、早期利上げの観測が高まらなければ、米株高、円安基調を前提にしっかりした動きも想定されます。

 逆に長期金利の上昇で米株安となれば、日経平均も連動することになり、サポート要因としては、都議選で自民党が勝つことが必要です。

先週の動き

 先週の予測では、FOMC(米連邦公開市場委員会)での早期利上げの見通しの発言によって、長期金利が上昇し、米国の株価が下落となったことで、日経平均も落ち着きどころを探るとしました。

 結果的には、前々週の米株の大幅安を受け、週始めの日経平均は一時2万7,795円まで下げて、▲953円の2万8,010円と2万8,500円を割り込みました。

 しかし、この日の引け後の米国市場は、前週末の下げが行き過ぎとして大幅反発し、これにつれて22日(火)の日経平均も+873円の2万8,884円と大きく反発しました。

 その後、米国株式は戻りを試し、ナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数は年初来高値を更新しました。NYダウの戻りはいまひとつでしたが、日経平均も反発するものの、2万9,000円台では売りに押され上値の重い展開が続きました。

今週の指標:NYダウ平均株価

 NYダウの日足は3万4,000ドル近辺の保ち合いを下放れしており、上昇を確認するには6月1日の高値3万4,849ドルを終値で上抜く必要があります。

先週の動き

 先週の予測では、前週のFOMCでの見通しで、利上げの開始は2022年の終わりか2023年になるとの見方から、目先的には調整的な下げがあることを想定しました。しかし、そういう調整があっても、かなりの緩和状況にあることには変わりなく、下げたところは買いチャンスだとしました。

 前々週末の6月18日(金)は、早期利上げ観測を嫌気して、▲533ドルの3万3,290ドルとなり、チャート(柴田罫線)で売り転換となりました。二点天井をつけての売り転換でしたので、もう少し調整が続くと思われましたが、翌週は過度な警戒感が後退し、すぐに反発しナスダックは最高値更新となりました。

 週後半はインフラ投資への民主、共和の合意で全面高となりました。

 18日(金)、21日(月)の急落、急騰を見るとFOMCによる利上げ観測というよりも18日のメジャーSQ値(特別清算指数)にあったとみられます。先物の清算にからんだ売買が、その要因のため一時的なものでした。改めて需給相場を背景に上に動きだしたといえます。

 しかし日足では、3万4,500ドル水準の保ち合いからの下放れになっているため、本格的な上昇は、6月7日の3万4,820ドル水準を終値で上回ってからとなります。

今週の指標:ドル/円

 FRB(米連邦準備制度理事会)は米国の利上げの時期については、コンセンサスは形成されていないとの見方です。パウエル議長の予防的な利上げは否定的とみられています。

 ただ、市場関係者の間では、FRBが金融政策の引き締めに向かっていることは間違いないとの見方が広がっています。6月の雇用統計が市場予想を上回れば、ドル売りは一段と縮小する可能性があるとされています。

先週の動き

 週始めの日経平均が、953円の大幅安となったことで、6月21日の東京市場で円は一時1ドル=109.72円まで下落しました。しかし、この日のNY市場で長期金利が上昇し、リスク回避のドル売り・円買いは縮小しました。

 22日はパウエル議長が「インフレが実際に加速するまで利上げは行わない」と述べたことで、米株式が上昇し、ドルは底堅い動きとなって、24日には1ドル=111.12円まで買われました。25日の引け値は110.77円でした。

先週の結果

 先週の予測では、前週末にNYダウがFRBによる早期利上げ観測を嫌気して、▲533ドルの3万3,290ドルと急落し、シカゴの日経先物も2万8,515円となっていたことで、先週は日経平均も大きく下放れの可能性があるとしました。

 しかし、結果的には週始めの21日(月)こそ、一時▲1,169円の2万7,795円まで下落し、終値でも▲953円の2万8,010円となったことで、5月13日の安値2万7,385円を試す動きをも想定されました。

 ところが米国市場で、NYダウが+586ドルの3万3,876ドルと急反発したことで、日経平均もすぐに戻りを試すことになりました。しかし、米国株式は週後半にはナスダック、S&Pは史上最高値更新となり、NYダウも大きく戻しましたが、日経平均の戻りは、22日(火)の+873円の2万8,884円の後は、上値重く週末に2万9,000円台を回復するのがやっとでした。

 日経平均は、米国市場で2023年までの利上げの可能性は織り込んだものの、それまでの間の超金融緩和は続くとの見方から、株価は早い戻りになったという見方が多いようです。それでもインフレ圧力はあり、いつか利上げが前倒しになる可能性もあるという観測から為替は一時ドル/円は111円台までの円安となりました。

 それにもかかわらず23日(水)からの日経平均の戻りは弱く、2万9,000円台に乗せると、売り物がすぐに出てきて、上値の重い状況となっています。

 この理由は、コロナワクチン接種が進展しているにもかかわらず、東京都で新型コロナの感染者が増加し続けていることにあるようです。

 この状況では、日経平均は2万9,000円台を大きく超えていく期待が持てません。また、2万9,000円超えの水準では、これまでの累積売買代金が多く、戻り売りが出やすいということや、裁定売り残がほとんどなく、買い戻しを誘う余力も乏しいこともあります。

 先週の動きの結論としては、週始めに日経平均は5月以来の2万7,000円台に突っ込む場面もありましたが、あくまでも需給要因と考えられました。事実上の下値サポートラインは、2万8,500円水準に引かれており、一方2万9,000円台より上の水準は売り圧力が強く、強弱感の対立が続くことが想定されます。

 25日(金)の米国市場は、おおむね堅調な動きでした。

 FRBがインフレ指標とする5月コア米個人消費支出(PCE)物価指数が市場予測を下回ったことで、インフレ加速は一時的との見方が強まりました。

 また、株主還元規制が解除されたことや、さらにインフラ計画が法制化に向けて前進したこともあり、NYダウは+237ドルと続伸し、前週に下げた分をこの週で取り戻すことになりました。

 ナスダックは小幅反落でしたが、S&P500は連日の最高値更新となっています。

 シカゴの日経先物は▲30円の2万9,010円でした。

(出島 昇)

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