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FIRE CASE 02-ちーさん:30代前半で資産3,000万円!女子のサイド型FIREロードマップ

トウシル / 2021年8月4日 7時0分

写真

FIRE CASE 02-ちーさん:30代前半で資産3,000万円!女子のサイド型FIREロードマップ

30代前半で3,000万円の資産形成!夫の転勤を機にセミリタイア

CASE02:ちーさん

▼Profile
 子供のころから親が貯めてくれていた100万円を元手に、20歳で株式投資を開始。就職してからは、給与の多くを着実に貯蓄や投資に充て、2017年に3,000万円の資産を築く。2019年に結婚、夫の転勤により退職し、セミリタイア生活に入る。

 ブログ『アラサーdeリタイア』を運営し、日々Twitterでも情報発信中。2020年11月にはYouTubeチャンネル『ちーのはんぶん自由な日々』も開設し、ライフスタイルや家計、投資に関する情報のほか、女性が自立するための資産づくりのコンテンツにも力を注ぐ。

ちーさんのFIREデータ
FIREを実現した年齢 30代前半
FIREを実現したときの資産額 約3,000万円
主な資産づくりの方法 株式投資(日本株式、海外株式)
現在の収入 ブログ・YouTubeのアフィリエイト収入、原稿執筆料、
各種謝礼、株式投資の配当金

FIREを目指そうと思ったきっかけは?

3,000万円の資産なら、自分にもチャンスあり

 2017年から、ライフスタイルや資産形成に関するブログを始めたのですが、そのとき、個人投資家の方々のブログを見てみました。すると、中には資産が目標金額に届いたら「アーリーリタイアする」と宣言されている方もいたのです。

 その頃はまだ「FIRE(Financial Independence,Retire Early:経済的自由と早期リタイア)」という言葉は使われていませんでしたが、なるほど、そういう生き方もあるんだなと興味を持ちました。私も3,000万円ほど資産があったため、早期退職できるかもしれないと思ったのです。

 私の投資スタートは20歳のとき。親から「子供の頃からのお祝い金やお年玉を貯めておいたから」と100万円を渡され、それならと、これを元手に株式投資を始めました。ちょうどネット証券が身近なものになりつつあった時期で、私も口座を開設しました。

 その後、大学を卒業、就職してからは給与の半分ほどを貯蓄に回し、さらに株式投資にも本格的に取り組みました。

 20歳で投資を始めた後、ライブドア・ショックとリーマン・ショックと二度の相場全体の大きな下落でいったん資産を減らしたのですが、何とか乗り越え、その後のアベノミクスの恩恵もあり、3,000万円に増やすことができました。

 もう一つ、FIREを目指すきっかけがあります。

 私は建築・インテリア関連の会社に勤務していたのですが、とにかく激務。毎日夜遅くまで働き、家に帰ると疲れ果てて何もできないという日々でした。

 仕事が大好きで楽しかったし、人間関係などの不満も一切なかったのですが、「この生活がずっと続くのかな、しんどいな」と思いはじめたことも、FIREが頭をよぎるきっかけでした。

 私はFIREするにせよ、仕事が好きだったので完全にリタイアする気はなく、1日2~3時間とか、週に2~3日とか、仕事をしたいと考えていました。

 だから、そこそこ蓄えがあれば何とかなると思っていましたが、でも、資産3,000万円でセミリタイアするには、ちょっと心もとないかなと。もう少し今の会社で頑張り、5,000万円を資産目標に、FIREを真剣に検討してみようと考えていました。

最終的に決断した理由は?

目標金額には届いておらず、不安はあったが・・・

 実は、FIREを意識してから2年後に会社を辞めることになりました。大きな理由は結婚です。新生活を始めようと思った矢先に夫の転勤が決まり、当時の会社を辞めざるを得なくなったんです。

 転居後はもちろん、再就職するつもりでした。資産3,000万円の達成から2年間で結婚による出費がかさんで資産額が増えていなかった、そして、何より以前の仕事が好きでしたから。

 ところが、なかなかいい職場に巡り会えませんでした。以前の激務生活を考えると、できれば定時には帰宅できるような会社を探していましたが、条件に合う会社を見つけることができなかったんです。

 いろいろ考えるうち、資産3,000万円だと不安は残るけれど、覚悟を決めてセミリタイアしてしまおうかなと。

 一般的に見ると専業主婦ではないかと思われるかもしれません、義理の母もそう感じているようでした。

 でも、もともと私は、結婚しても夫に頼ろうとは思っていませんでした。精神的にはすごく頼っていますよ、一緒にいると心が安らぎ、すべてを委ねられるような人だから結婚したわけですし。

 でも、経済的に頼るつもりはまったくなかったのです。というか、夫は私と正反対でお金は稼いだ分、使うタイプで、貯蓄もほとんどなかったので、頼りたくても頼れないのですが(笑)。

 いくら夫に安定した収入があっても、自分の資産は自分で育てていかなければならないという思いが強いんです。

 ちなみに家計は、住居費や光熱費、食費など生活費全般は折半しています。お互い同じ額を出し合って共有のお財布をつくり、そこから支払うという形です。それら以外の個別の通信費や被服費、美容関連、娯楽関連などは、それぞれが支払うというルールにしています。

FIRE後、今の生活は?

YouTubeチャンネル開設後、仕事のオファーが急増

 会社員だった頃は、朝早く家を出て、夜遅くに帰るという日々でしたから、それはもう大きく変わりました。

 ただ、私の場合は思いがけず早くセミリタイア生活に入ってしまったため、まだ配当金以外の収入源の確保があまりできていない状況でした。だから、このままだとセミリタイアでなく、本当にリタイアすることになってしまうな。そうなったら、好きな仕事は一生続けたいという私が望んでいた形ではないし、資産3,000万円では、いずれ生活できなくなるかもしれないという不安がありました。

 そのため、セミリタイアしてからさまざまなビジネスを始めたのですが、地道に続けていくうちに少しずつ収益が上がるようになったんです。

 特に2020年11月にYouTubeチャンネルを開設して以降、この商品を使ってみてほしいとか、プロジェクトに参加してほしいとか、企業やメディアからの依頼が急増しました。

 私としては収益よりもどちらかというと趣味の意味合いが強かったYouTubeでしたが、それが当たって、今はけっこう忙しくなりました。

 とはいえ、毎日仕事に追われるようではセミリタイアした意味がないですよね。だから、自分がおもしろそう、やってみたいと思うものだけ、お引き受けするようにしています。

どう変わった?FIREのBEFORE→AFTER

  FIRE前 FIRE後
起床時間 7:00 変わらず。早起きする必要はないが、夫に合わせて起きるようにしている
通勤時間 30分 0分
労働時間 12時間 0~12時間。日によってまちまち。ブログやYouTubeの更新、急ぎの仕事がないときなど何もしないこともあるが、気分が乗ると夜中まで働くことも
毎月の生活費  十数万円 住居費や光熱費、食費などは夫婦で折半。その他は各自の支払いだが、十数年前から、支払いは楽天カードに集約し「ポイ活」を行っていることもあり、ちーさん個人の支出は月数千円程度
毎月の収入 給与・賞与 月によって変動はあるが、一定のアフェリエイト収入がある
収入源 給与・賞与、株式投資の配当金 ブログ、YouTubeなどのアフェリエイト収入、株式投資の配当金
肉体的疲労度 残業が多かったため、1日が終わると疲労困憊(こんぱい)状態に 大きく軽減された
精神的疲労度 仕事が好きで社内の人間関係も良好だったため、ストレスは少なかった ブログの書き込みを見て落ち込むようなこともあるが、ストレスはそれくらい
毎日の充実度 100% 150%

FIRE後のマネー収支は?

当初の予定を上回る収入があり、生活の不安はなし

 会社員を辞める前は、セミリタイアしたら、生活費の半分を配当金で、残りの半分を働いた収入でまかなおうと考えていました。当時、配当金収入が年間80万円ほどあったので、同じくらい収入を確保すれば何とかなるだろうと。

 しかし、今はそれを大きく上回る収入があります。快適な暮らしのために仕事を制限していることもあって会社員時代の最高年収には及びませんが、それでも最近は日本の平均年収程度は確保できています。

 このように、現在は資産収入と事業収入のどちらも自身の生活費を上回っているため、生活費に困ることはありません。それどころか、今も毎月一定額を投資に回せています。

現在の投資先は?

インデックスファンドの積み立てがメイン

 会社員時代は個別株投資を行っていましたが、今は投資信託の積み立てがメインです。

 1つは楽天証券の楽天カード決済によるもので、一般NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)枠で「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天・全米株式インデックス・ファンド」などの積み立てを行っています。

 ほかに米国ETF(上場投資信託)の定期買い付けや、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)の積み立ても行っています。

 これは私個人の投資ですが、現在は夫も、つみたてNISAで積立投資を行っています。

 夫は結婚後も投資に興味を示さず、お金を使いまくっていたのですが、投資を強制するようなことはしたくないので、しばらくは静観していました。

 でも、さすがにしびれを切らし、あるとき「楽天カード決済だと、ポイントが付いてすごくトクだから」とインデックスファンドの積み立てを勧めてみました。

 すると渋々始めてくれて、しかも幸運なことに、買った後すぐ基準価額が上昇したんです。それで「こんなに増えるのなら」と興味をもってくれました。

 今もお金遣いは荒いし、普段の生活はあまり変わっていないのですが、積み立てを始めただけでも進歩かなと思っています(笑)。

FIREしてよかったと思うことは?

自分自身でいろんなことがコントロールできること

 最初のうちは収入のアテがなく、不安もありましたが、今はそれも解消され、自分が目指していた理想に限りなく近づけたかなと思っています。

 何より自分自身でいろんなことを決められるのがうれしい。好きな仕事だけすればいいし、仕事量もコントロールできる。いつ働いて、いつ休むかも自由。週5日間、朝から夜遅くまで強制的に働かなくてはいけない会社員時代とは大違いです。

 あるときふと気づいたのですが、最近、イライラすることがほとんどないんですね。昔はちょっとしたことですぐにイラッとしたんです。食べ物屋さんなんかで待ち時間が長いときとか、人と会話していてうまく話が通じないときとか。

 いつも時間に追われているような感じだったので、心の余裕がなくなっていたのでしょう。今は気持ちにゆとりがあるので、何に対しても寛容になれるのだと思います。

ちーさんのFIRE LIFEある一日

時刻 行動
7:00 起床。夫を送り出す
7:30 掃除、洗濯などの家事
8:30 パソコンを開き、米国市場の動きをチェック
9:00 国内市場が開いたら日本株の動向などを確認する
9:30 自身のブログを開き、読者の書き込みに返信。続いて記事の執筆、動画の撮影など
12:00 休憩
14:00 企業から依頼のあった仕事に取り組む
16:00 散歩がてら買い物。毎日1時間程度運動するよう心掛けている
17:30 夕食をつくる。夫が帰宅後、ともに食事
20:00 リビングでくつろぐ。夜はあまり仕事をしない。眠くなったら就寝

FIRE志願者にアドバイスを!

若いうちにFIREする場合は、特に老後を考えておくことが大切

 私は30代でセミリタイアしたわけですが、人生100年時代を見越して、100歳までのライフプランをセミリタイア当初から立てています。

 そのため、なるべく早い段階でストック型の収入を増やすこと、そして自前の退職金&年金としてiDeCoも育てることで、100歳時点でも資産が十分残るよう計算をしています。

 もし定年まで会社員を続けるという生き方を選んでいたら、何の不安もなく、老後を迎えられたでしょう。それなりの資産と厚生年金があるうえ、この先も給与が保証されていて、1,000万円か2,000万円くらいの退職金も出るでしょうから。

 でも、今は安定した給与も退職金もありません。今のところは仕事の依頼が絶えないし、資産も増え続けているので、あまり不安には思っていません。

 しかし、これからも依頼があるとは限りませんし、経済情勢などによっては資産が大きく目減りしてしまう可能性もあります。だから、安心はできない。何が起こっても、すぐに対応できるようにしておかなければならないと思っています。

 おそらく40~50代でアーリーリタイアしたいと考えている方は、老後のことまで視野に入れていると思います。しかし、若くしてFIREする場合は、あまり先のことまでは考えないと思うんです。

 でも、好きなことをしてのんびり暮らしたいという思いだけで突っ走ってしまうと、のちのち生活が破綻してしまう可能性があります。若いうちなら再就職したりできますが、高齢になったら働いて収入を得るのは簡単ではありません。

 ですから、若いうちにFIREする場合も、きちんと老後のプランまで考えておくべきだと思います。

(トウシル編集チーム)

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