ジャクソンホールの後は何をする? テーパリングしないならドルを売れ!
トウシル / 2021年8月30日 9時49分
ジャクソンホールの後は何をする? テーパリングしないならドルを売れ!
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは110.60円
↓下値メドは109.25円
パウエルFRB議長は来年2月に再選。ブレイナード理事が副総裁へ
27日(金曜)のドル/円は「円高」。高値110.27円、安値109.78円、1日の値幅は0.49円。
この日は109.99円からスタート。ジャクソンホールでのパウエル議長の講演を前に、FRB(米連邦準備制度理事会)のタカ派メンバーから緩和縮小の早期開始を主張する発言が相次いだことを受け上昇、前日の高値(110.23円)を超え、110.27円まで上値を伸ばしました。
パウエル議長はオンライン講演で「緩和縮小を年内に開始するのが妥当」だと認めました。しかし具体的な日程についての言及がなかったことがマーケットには物足りず、一転ドル売りが優勢になるとNY時間夕方のドル/円は109.78円まで下落。
終値は109.85円(前日比▲0.22円)。終値109円台は3営業日ぶり。この日の米長期金利は1.3%を維持しましたが、ドル/円110円に残れませんでした。円安のハードルがまた少し上がったように思えます。
27日のユーロ/ドルはユーロ高に急反発。高値1.1802ドル、安値1.1735ドル。
ジャクソンホールのパウエル議長の講演前に1.1735ドルまで売られた後、一転してドル売りが強まったマーケットで1.1802ドルまでユーロ高に。1.18ドル台は2週間ぶりの快挙。終値は1.1796ドル(前日比+0.0044ドル)。
27日のユーロ/円はややユーロ高。高値129.75円、安値129.16円。
東京時間午前に129.16円まで下げて、パウエル議長の講演後には129.16円まで上昇。26日は円安、この日はユーロ高に助けられました。終値は129.16円(前日比+0.22円)。26日の高値(129.77円)を超えられず、130円にも届かなかったことは残念。ただ、安値が129円台で踏みとどまったことは、今週に期待をつなげました。
FOMC(米連邦公開市場委員会)のメンバーは、タカ派、ハト派、そして中立派に分かれています。タカ派はクラリダ副議長を筆頭に、ブラード・セントルイス連銀総裁、カプラン・ダラス連銀総裁、ジョージ・カンザスシティ連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁などで、早期の緩和縮小開始を主張しています。一方、パウエルFRB議長はハト派。中立派は、経済指標の結果で判断しようとするグループです。前回7月雇用統計は強かったのですが、その後の発表されたCPI(消費者物価指数)、ミシガン大学消費者態度指数、小売売上高などは十分に満足といえる結果ではありませんでした。
今週発表の米7月雇用統計は重要です。
主要指標 終値
今日の為替トレッキング
今日の一言
「腹を立てたりしない」と考えるのではなく、「怒るのは後にしよう」と自分に言い聞かせる。3時間経ってもまだ腹の虫がおさまっていなかったら、思う存分怒ればいい。
The Way We Were
米国でコロナウイルスワクチンの接種が本格化する前、米経済再開の見通しがまったく不透明なときに、FRB(米連邦準備制度理事会)は、FOMC(連邦公開市場委員会)において、政策のフォワードガイダンスに関して重要な変更を行いました。2020年12月のことです。
FOMCは、政策のフォワードガイダンスを、従来の「今後数カ月」といったような、期間を定めた定量的なガイダンスから、最大雇用と物価安定の目標達成に向け「一段の著しい進展があるまで」という、数字では表わさない定性的なガイダンスへと修正しました。
米国の雇用市場では、コロナ禍によって、2020年3月と4月のたった2カ月の間に2200万人もの雇用が失われました。しかし、その後はでこぼこがあったものの着実に回復を続け、 2021年7月までに1,670万人が仕事を再び見つけることができています。FRBが目指す、コロナ流行前の2020年2月の水準まであと570万人足りない。
しかし、雇用者増加の3カ月間平均は82万人。このペースが維持できるなら、来年1月には達成可能となるのです。FRBのタカ派は、FOMCのフォワードガイダンスで目標に定めた、「米経済の著しい進展」の証拠が揃ったとして、緩和政策の即時終了を主張している。一方ハト派は、雇用の回復はまだ道半ばというスタンスで、緩和政策がまだ必要だというスタンス。今回が、9月のFOMC前に発表される最後の雇用統計になります。
今日の注目通貨:ドル/円
今週の予想レンジ ↑110.70円、↓108.99円
↑は、110円台が重い。ブレイクスルーして111円台は厳しそう
↓は、109.50円以下の買いをこなせば、108円台も
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は109.73円。109.73円より上ならばドル買い優勢、109.73円より下ならばドル売り優勢。
2021年これまでの高値は111.66円、安値は102.59円。平均値は107.13円。
1日の最大値幅は1.14円、最小値幅は0.18円。平均値幅は0.57円。
2021年のこれまでの値幅は9.07円。
112.40円 : 2019年 高値(19年04月24日)
112.22円 : 2020年 高値(20年02月20日)
111.66円 : 2021年 高値
111.02円 : 第4レジスタンス(HBO)
110.80円 : 08月 高値
110.70円 : 第3レジスタンス
110.37円 : 第2レジスタンス
110.27円 : 第1レジスタンス
110.01円 : 08月 61.8%
109.84円 : ピボット
109.76円 : 08月 平均値
109.52円 : 08月 38.2%
109.42円 : 第1サポート
109.32円 : 第2サポート
108.99円 : 第3サポート
108.72円 : 08月 安値
108.67円 : 第4サポート(LBO)
107.32円 : 2019年 安値
2021年 ドル/円データ
(荒地 潤)
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