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つみたてNISAの勘違い(2)大人気なのに、まさかアレがない?

トウシル / 2021年10月18日 6時0分

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つみたてNISAの勘違い(2)大人気なのに、まさかアレがない?

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いま大人気のつみたてNISA!

≫関連記事:つみたてNISAの勘違い(1)

 去る10月8日、金融庁は、今年2021年6月末時点のNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座の利用状況について公表しました。

 調査によれば、つみたてNISAの口座数は417万5,430口座と、直近1年間で約1.7倍に増え、増加ペースも加速しています。

 この背景には2018年1月の制度開始以降、おおむね順調に上昇を続けてきた株式市場の後押しもあると思われます。一方で、足元のやや不安定な市場環境を目の当たりにし、株式中心の投資を続けてよいものか、不安に思われている方もいるかもしれません。

 そもそもつみたてNISAとは、「少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度」(金融庁ウェブサイトより)で、この制度が使えるのは投資信託のみです。

 分散投資には、金融資産を買うタイミング(=時間)を分散させる「時間分散」と、さまざまな金融資産に投資をする「資産分散」などがありますが、つみたてNISAなら、前者の時間分散は自動的に実現できます。

 では、資産分散はどうでしょうか。株式のインデックスファンド以外の投資信託も取り入れた複数ファンドで、つみたてNISAのポートフォリオを作った方がよいのでしょうか。

 ここで、つみたてNISAの対象商品について理解を深めるため、クイズを1問出題しましょう。

クイズ以下の三つのタイプの投資信託のうち、金融庁が定義する、つみたてNISAの対象商品に該当しないものはどれ?
  1. 主に株式で運用を行う投資信託
  2. 主に債券で運用を行う投資信託
  3. 株式と債券の双方を組み合わせて運用を行う投資信託

つみたてNISAの対象商品にないものは?

解答

2.主に債券で運用を行う投資信託

 実はつみたてNISAの対象商品には、主に債券を投資対象とする、いわゆる「債券ファンド」は含まれていません。

 一般的に債券は、株式と比べ値動きが少なく、比較的安定した資産であるとされています。また、金利が低下する景気悪化局面に強い資産でもあり、株式と異なる値動きをすることから、「守り」の要素が強い資産としても知られています。

 このように債券は、分散投資の一つのパーツとして重要な役割を担っており、単体で保有するよりも、他の資産と組み合わせることで本領を発揮します。

なぜ守りの債券ファンドは、つみたてNISA対象じゃないの?

 つみたてNISAには、年間40万円という非課税枠の上限があります。「守り」の要素が強い債券よりも、「攻め」の要素が強い株式を中心にポートフォリオを構築して資産を作り、しっかり「増やす」ことに注力してほしいというのが、制度に込められたメッセージです。

 だからといって、つみたてNISAという制度が債券への投資を否定しているかというと、決してそういうわけではありません。

 クイズの選択肢の3に挙げた「株式と債券の双方を組み合わせて運用を行う投資信託」とは、いわゆるバランス型(資産複合型)の投資信託を指します。先述したように、分散投資の一パーツとして、バランス型で部分的に債券を取り入れることは、資産形成の観点でも理にかなっています。

つみたてNISAの投資信託対象商品のイメージ

※「株式型」は株式で運用を行う投資信託、「資産複合型」は株式と債券などの双方を組み合わせて運用を行う投資信託を対象とする
出所:金融庁「つみたてNISAについて」平成29年7月公表資料より

つみたてNISAだけで「資産分散」するには限度がある

 以上をまとめると、商品の選択肢が限定されているつみたてNISAで、複数資産を組み合わせたポートフォリオを作ることは現実には難しいため、過度に「資産分散」にこだわる必要はないでしょう。

 筆者が、本連載やトウシルを通じて、つみたてNISAで選ぶべき商品として第一に「全世界株式インデックス」を挙げるのは、「全世界株式」なら分散の一つの形態である地域分散が実現できるからです。

 米国株式のS&P500指数も決して悪い選択肢ではありませんが、どの地域にどのタイミングでスポットライトが当たるかは分からないので、地域分散の観点から日本株や新興国株式も取り入れることをおすすめしています。

 投資初心者で、どうしても株式ファンドに抵抗があるという方は、クイズの選択肢の3に挙げた「株式と債券の双方を組み合わせて運用を行う投資信託」=バランス型(資産複合型)を検討してもよいでしょう。バランス型なら、ファンドの中で「勝手に」資産配分や地域配分を調整してくれるので便利です。

 安定運用から積極運用まで、さまざまなタイプのファンドがそろっているので、自分のリスク許容度や好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

≫関連記事:つみたてNISAの勘違い(1)

(篠田 尚子)

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