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日経平均3万円を前にCPIショックでグズる?米国のインフレ加速を懸念

トウシル / 2021年11月15日 17時59分

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日経平均3万円を前にCPIショックでグズる?米国のインフレ加速を懸念

今週の予想

日経平均が3万円台にのせるか注目。懸念は米国のインフレ加速

 日経平均株価の月足の陰線と陽線で判断する月間騰落率で見ると、1969年以降、11月の陽線率(株価上昇)は65%と、4月の69%に次ぐ高さです。

 2012年から2020年まで9年連続で11月は陽線となっており、この統計通りなら、今年11月は、11月1日(月)の終値2万9,647円以上の株価で終わる確率が高いということになります。

 10月31日の衆議院議員選挙の結果を受け、11月1日は好スタートを切りましたが、11月第2週(8~12日)で11日(木)に2万9,040円まで下げて下値を確認。その後に反発しており、今週の日経平均は3万円台が期待できるところですが、決算発表がピークを過ぎ、材料難から方向感に乏しい展開となりそうです。

 ここで米国株式が再度上値を試すならば、出遅れ感から買われる可能性があります。原材料高や半導体不足によって業績予測を下方修正する企業がかなり見られたものの、決算を通じて全体の予想EPS(1株当たり利益)は着実に上積みされており、業績相場的な動きとなってもおかしくありません。

 また、ここにきて国内の景況感が上向き、内閣府がまとめた調査によると10月の現状判断指数(DI、季節調査値)は55.5%と7年9カ月ぶりの高水準に改善しています。

 一方で、これまでの日本株式が米株式の上昇には連動せず、下落には連動する動きを考えると先週の米国株式の動きには注意が必要です。

 11月8日まで主要3指数そろって最高値更新の動きの後、NYダウは8日の3万6,565ドルをピークに3日連続安。日足が10月1日の安値から引く下値支持線を割り込んでおり、徐々に調整入りするという見方が出ています。

 11月3日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でテーパリング(量的緩和の段階的縮小)を開始し、10月の米CPI(消費者物価指数)は+6.2%と31年ぶりの伸びを記録するなどインフレ懸念を強めています。株価に影響を与え始めている可能性があり、注意が必要です。

今週の指標:日経平均株価

 先週の日経平均は2万9,000~3万円の中で、11日に2万9,040円の安値まで試したことで、4日の高値2万9,880円近くまで上昇する動きとなりました。ここを突破すると3万円台のせ、その上は3万200円台が上値ポイントです。

 先週で決算のピークも終わり、国内は岸田文雄政権の経済対策以外は材料不足。40兆円の経済対策が相場にどれくらい反映するかどうか。ここに、米国株式がさらに最高値を更新すれば、出遅れ感から日本株が買われる可能性があります。

先週の結果

 為替が1ドル=114円台前半の円高で上値は重いものの、日本企業の好決算が出れば岸田政権をサポートする形で3万円の大台にのせる可能性の中で、原油高によって上値は重く、日経平均は2万9,000~3万円のレンジ内での動きを想定しました。

 結果的には、米株式の上昇にもかかわらず円高傾向にあったことで、レンジの下限の2万9,040円まで売られました。この2万9,000円水準には13週移動平均線があり、結局、2万9,040円を安値に2日連続の大幅上昇となりました。

 週の終値は前週末の終値2万9,611円とほぼ変わらずの+332円の2万9,609円で引けました。11月SQ値(特別清算指数)は2万9,388円となり、これを大きく超えて引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、小売業の決算や10月の小売売上高に注目です。サプライチェーン(供給網)の混乱による品不足を警戒し、今年の年末商戦は前倒しで開始することが報告されており、もし小売売上高がポジティブサプライズとなれば株価のさらなる上昇要因となります。

 一方、10月の米コアCPIが30年ぶりの伸びを示したことで、インフレ高進が高まり、早期利上げ観測の思惑が株式の上昇を抑制する可能性があります。

先週の結果

 先週の予測では、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長がテーパリングを発表したものの、利上げに関しては労働市場の改善が必要で、今はその時期ではないとしました。そのため早期利上げは後退し、低金利が相場をサポートするとしました。

 結果的には、週始めの8日までは、NYダウを含め主要3指数は史上最高値更新となりましたが、9日になると米生産者物価指数が+6.8%と約11年ぶりの伸びを示したことでインフレ懸念が高まり、主要3指数は2日連続で大幅下落しました。

 NYダウは11日までの3日続落となりました。3日間で500ドルを超える下げとなったことで、安値拾いの買いを誘いハイテク株が買われ、ナスダック総合指数の上昇に引っ張られ、+179ドルの3万6,100ドルで引けました。

今週の指標:ドル/円

 今週はインフレ高進の懸念を受け、早期利上げ観測は後退しているものの、直近10月の米消費者信頼感指数は高インフレの影響で悪化しています。米国景気の持続的な回復期待は低下しつつあるため、ドル買いがさらに強まる可能性は低いといえます。

 なお、2022年2月に任期を迎えるFRBのパウエル議長が再選されず、ハト派のブレイナード理事が昇格となれば、ドルが買われることになります。

先週の結果

 9日に1ドル=112.73円まで下落しましたが、10日発表の10月米CPIが前年同月比+6.2%と市場予想を上回り、早期利上げの思惑が強まったころでドル買いが活発となりました。

 しかし、FRBのパウエル議長が早期利上げについては慎重なスタンスのため、1ドル=114円台前半ではドル売りも観測されましたが、インフレ鈍化の材料が少ないことから113円台後半でドルは下げ渋りました。この週は1ドル=113.93円で引けました。

先週の結果

2万9,000~3万円のレンジの中の動きで、安値2万9,040円、高値2万9,750円

 先々週に衆院選で自民党が予想外に「絶対安定多数」である261議席を確保した岸田政権への期待から、日経平均は4日に2万9,880円まで上昇しました。

 その後、2万8,500円水準を下値にしっかりした動きとなったことで、決算発表のピークを迎える先週は、米国株式が堅調であれば日経平均は3万円を突破できるかどうかの期待ももてました。

 しかし、原油高が収まらず、ビットコインなどの商品マーケットの頭打ちから調整に転じていることを考えると、目先、資金の流れの変化を示唆している可能性もあり、先週の予測では日経平均の予想レンジを2万9,000~3万円としました。

 結果的に、週始め8日の寄り付き2万9,735円を高値に利益確定売りとなり、円高進行を受けて翌日の日経平均は2万9,500円を割り込みました。

 その後の日経平均は2万9,000~3万円のレンジの下限を試す動きに。2万9,000円水準には13週移動平均線があり、2万9,000円を切るとは考えにくいところでした。日経平均は11日に2万9,040円まで下げて反発し、週末の12日は+332円の2万9,609円と大幅続伸で引けました。

 この日の11月SQ値は2万9,388円でしたが、大きく上回って引けたので15日からの週に期待できることになります。

 8日の日経平均は前週末の5日の米株式で主要3指数そろって最高値更新となったことで、+123円の2万9,735円で寄り付き。

 しかし、ここをピークに利益確定売り優勢で、決算が期待に届かない銘柄もあり、先物売りも重しとなって▲104円の2万9,507円と続落し、安値引けとなりました。

 9日は、前日の米国株式で主要3指数が連続最高値を更新したことで、日経平均は前場の早い段階では+243円の2万9,750円まで上昇。しかしその後は利益確定で売られ、心理的フシの2万9,500円を切ると一段安となって▲266円の2万9,240円まで下げ、終値は▲221円の2万9,285円と3日続落しました。

 10日は、前日の米国株式が主要3指数そろって反落したことで、日経平均は▲76円の2万9,209円で寄り付き、先物安を受けて一時▲205円の2万9,079円まで下げ、終値は▲178円の2万9,106円と4日続落となりました。

 11日は、前日の米国株式が主要3指数そろって大幅続落となったものの、日経平均は寄り付きこそ▲60円の2万9,046円でしたが、4日続落していたことから買い戻しが入り、一時+229円の2万9,336円まで反発。終値は+171円の2万9,277円と5日ぶりの反発でした。

 週末の12日は、前日の米国株式でハイテク株に買い戻しが入ったことで、ナスダックが反発し、これを受けて日経平均は半導体関連株を中心に大幅上昇となりました。

 前場は+103円の2万9,381円で寄り付くと11月SQ値2万9,388円を大きく上回り、一時+383円の2万9,661円まで上昇。

 ここをピークに戻り売り、利益確定売りで上げ幅を縮小する場面もありましたが、高値圏で推移し、+332円の2万9,609円で引けました。結局、前週末の終値2万9,611円とほぼ同じ水準まで戻してきたことになります。

(出島 昇)

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